第225回   Modern Minds and Pastimes / Click Five

1.Flipside / 2.Jenny / 3.Happy Birthday / 4.Addicted to Me / 5.I'm Getting over You / 6.When I'm Gone / 7.Headlight Disco / 8.Reason Why / 9.All I Need Is You / 10.Long Way to Go / 11. Mary Jane / 12.Empty

 さて、今回紹介するのはクリック・ファイヴのセカンド・アルバムです。以前レビューした彼らのファーストは、少々性急すぎる面はありましたが、素晴らしいメロディーの詰まった(文字通りの)パワー・ポップ・アルバムだったと思います。

このセカンドからはリード・ヴォーカリストが交代しているという情報はかなり前から入っていましたから、それにより彼らのサウンドがどう変わっているのか、期待と興味いっぱいでアルバムをゲットしてきました。(^^)

M1が始まった途端にびっくりしました。アカペラコーラス??そして軽快なギターとリズム。ハイトーンの前任者とは対照的に中高音域が持ち味の歌が流れてくる頃には、彼らがずいぶんと成長していることを感じました。先述のつかみをはじめ、アルバムのオープニングにはぴったりの曲だと思います。ミッドテンポのM2は、キーボードが大活躍の曲です。楽曲にメリハリがあるし、メロディーもコーラスもいいですし、ビートルズへのオマージュ(というか、ビートルズの遺伝子を引き継いだ種々のバンドへのオマージュのようにきこえます)がいたるところで出てくるし、大好きなタイプの曲ですよ。

続くM3もミドル・テンポでポップでハードで、ほとんどFOWの世界です。歌い方までそんな風に聞こえますね。後半のブレイクから後の展開は本当にカッコイイです。そしてM4です。ファーストからは絶対に予想できないタイプの曲ですね。マイナー調で、ミュートしたギターとキーボードの哀愁リフが曲を引っ張り....これでカーズ(ハートビートシティ)を思い出すなと言われても無理な相談です。(^^; サビのメロディーの哀愁度もいい塩梅ですし、一番のお気に入りの曲ですね。

SEから始まるM5は、どことなくクラウデッド・ハウスのような歌メロと、アメリカンなサビの対比が面白い曲ですね。M6はギターのリフが印象的なロック・チューンです。歌もコーラスの入り方もアレンジも、全部カッコイイですよ。(^^)ファーストでみられた煌びやかなメロディーの片鱗が感じられるところもいいですね。ところで、クリス・ディフォード風のコーラス入れてるの誰??

M7は、イントロからのベースのグリッサンドが印象的ですね。しゃくるリズムとディスコ・ビートをポリリズム風に組み合わせて、面白い感じになっています。タイトル通りのイメージということでしょうか。(笑)M8は、80年代のアメリカン・ロック・バラードみたいな感じがします。こんな風にじっくりと歌い上げるタイプの曲も、ファーストからは予想できませんでした。オーソドックスすぎるきらいもありますが、仕上げは良好ですね。

続くM9は、軽快なロック・ナンバーです。メロディーもコーラスもいい感じですよ。M10は、再びカッコイイロック・チューンです。抑え気味のメロディーがサビで一気に爆発します。サビでの煌びやかなメロディーとコーラス・ワークはファーストのイメージに近いですね。ミドル8のチープ・トリック風のコーラスとトリル(テケテケ)が効果的ですよ。個人的には2番目のお気に入りですが、彼らならではの個性という面で見ると、アルバム中のベスト・トラックではないかと思えます。

一転して、M11はバラード・ナンバーです。じっくりと盛り上げられる伸びやかなメロディーと落ち着いたアレンジは、まるでアルバムのラスト・ナンバーのようです。余韻の残るエンディングですし、これでアルバムが終わってもしっくり来るような気がします。そしてゆっくりと幕を開けるM12は、しっとりと歌い上げる感じのバラードです。本当にメロディーの美しい曲ですね。盛り上がった後、再び余韻を残すように曲は終わっていきます。なんとなく、アンコール・ナンバーみたいな感じを受ける曲ですね。

聞き終わって最初に思うのが、やはり彼らの成長ぶりでしょう。ヴォーカリストが変わったこともあるのでしょうが、本当にメリハリのあるポップなアルバムを仕上げてきたと思います。メロディーという面ではファーストのほうが上だったと、僕は思いますが、ポップ度・演奏力・アレンジを含めた構成力という点で、遙かに充実したアルバムだと思いますね。キーボードを全面に出した点も成功しているのではないでしょうか。

アルバム全体を通して楽曲のクオリティも高く、演奏も素晴らしいのですが、あえて難点をさがすとすれば、それが彼らならではの個性を薄めているように感じるのです。僕は、ファーストの香りの残るM10あたりの曲のほうに彼ら独特の持ち味を感じます。これから彼らがどんなサウンドを作っていくのかはわかりませんが、煌びやかなメロディーは忘れずにいてほしいなと思います。

ということで、本当に良質のパワー・ポップ・アルバムだと思います。若い世代のポップ・フリークの人なら120%のオススメですし、僕と同世代の人にも90%以上のオススメをすることとしましょう。(笑)

では、また次回に。

< Modern Minds and Pastimes / Click Five / US / LAVA / 168506-2 >


ご感想とかご意見とかがありましたら、どしどしメールくださいね。