第222回   Traffic and Weather / Fountains of Wayne

1.Someone to Love / 2.'92 Subaru / 3.Yolanda Hayes / 4.Traffic and Weather / 5.Fire in the Canyon / 6.This Better Be Good / 7.Revolving Dora / 8.Michael and Heather at the Baggage Claim / 9.Strapped for Cash / 10.I-95 / 11.Hotel Majestic / 12.Planet of Weed / 13.New Routine / 14.Seatbacks and Tray Tables // 15.Sence into You

さて、今回はファウンテインズ・オブ・ウェインのニュー・アルバムです。3月にリリースされたアルバムを何故今頃?と思われるかもしれませんが、実は、今回は久々のリクエストによる1枚なんです。メールをくださった彼女曰く「くぼたさんはアダム・シュレジンジャーの大ファンなのに何故未だにFOWの素晴らしいニューアルバムの紹介をしてくださらないんですか?」。過去の実績からして、リリースされたらすぐに書いてくれるものと思っておられたそうで、メールいただいた僕のほうが恐縮してしまいました。確かに、このアルバムはリリースと同時に入手し、あまりにも素晴らしい仕上がりに1週間以上ずっと車の中でかけっぱなしになっていた1枚なのですから。

とは言え、ポップ・フリークでは有名な彼らのことだし、ライナーには本人たちによる曲目解説(曲のプロットに関することが多いですけどね)も載っているのですから、何を書こうかなぁと悩んでしまうのも、また事実です。何を書こうかな?と悩んでいるうちに、気がつけば3ヶ月か経ってしまいました。ホント、困りもののアルバムです。...責任転嫁(笑)。

でも、今回のアルバムは、今までのアルバムと同様に...いえ、それ以上に素晴らしいアルバムだと思います。その理由としては、
1:こじつけっぽさが消え、より普遍的なものになってきたメロディー
2:過去の偉人たちのイディオムを使いながらも、どういう切り口で見ても「オリジナル」としか形容できない楽曲群
3:ストレートに見えて懲りまくっているアレンジ(これは、前からか。(笑))
などが思い浮かぶのですが、実際に音を聞いてしまうと、そんな理論(こじつけ)なんてどうでもよくなってしまうのです。

M1のイントロからして、聴くものの耳を捉え、そして流れてくるメロディーもサウンドも完璧なのですから、もうこの1曲だけでも「決まり」ですね。ジス・イズ・パワーポップ!というべき1曲です。M2は、アメリカン・ハードポップの世界ですね。目一杯ポップに弾ける展開が心地よいです。ギターのリフにウォーリー・ブライソンを感じるのは、きっと僕だけでしょう。(笑)

M3はギターの刻みが印象的な曲です。この曲のサウンドあたりは、ストレートにビートルズを感じる人も多いんでしょうね。M4は,本当にかっこいい曲ですね。タイトなドラムに鋭いギターリフは完璧だと思いますし、少し捻くれたような唄い口が「キーの高いクリス・ディフォード」っぽくていい感じです。さすがにタイトル曲だけのことはあります。

M5はカントリー風味のナンバーです。前のアルバムにもこんな感じの曲があったのですが、彼らがアメリカのバンドだということを再認識させてくれますね。M6は、ファンタスティックなブリティッシュ・ポップですね。コーラス・ワークのバンドとしての狙いはビーチ・ボーイズなんだそうですが、きちんとキメてくれています。これも完璧なパワー・ポップ・チューンですね。

そしてM7です。誰が聞いても中期ビートルズをはじめとしたサイケデリック・バンドたちへの愛情がたっぷり詰まっていることがわかるでしょう。本人たちの弁では,デュークス・オブ・ストラスフィアー(XTC)などのネオ・サイケデリック・バンドからの影響もあるそうです。唸りまくっているベースラインが最高ですし,逆回転ギターも最高の仕上がりです。最高の楽曲だと思いますし、個人的にはイチオシの曲です。

M8はミッドテンポのポップ・チューンです。耳あたりの良いサウンドが流れていきますが、コーラス・アレンジやちょこっとだけ出てくる楽器のアレンジとか、かなり凝っていますねぇ。M9は、ベースラインがカッコいい曲ですね。キーボードが効いていますし、メロディーもコーラスもアレンジも完璧ですね。これまた超オススメの1曲です。

曲想は一転して、M10は、ビートルズ(ジョン)−バッッドフィンガーの系譜を引き継ぐようなバラード・ナンバーです。美しいメロディーをコーラスが包み込んでいきます。ギターのサウンドもいかにもそれっぽい音ですね。名曲だと思います。M11もキーボードとギター・カッティングが効いている曲ですね。これもいい曲ですよ。途中の手拍子が嬉しいところでしょうか。

M12は、当初は入れるつもりのなかった曲だそうですが、パーティー風のSE(スタジオに仲間を呼んでパーティー風にやってもらって作ったそうですが)の上に少しひねくれたメロディーのシンプルなサウンドが流れていきます。ワウワウっぽいギターの音色とグラスと氷のぶつかる音が印象的です。(笑)M13のような曲になると、いかにも今のバンドだなあという感じのサウンドですね。(^^)ぶっちぎりのポップ・チューンです。ラストのM14は、ハーモニカとバンジョーの音が印象的なカントリー・風味の曲です。今回は、こんな風に静かにアルバムを終えていくんですね。(^^)余韻のある終わり方でいいと思います。

M15は日本のみのボーナス・トラックです。しゃくるリズム(ゲイリー・グリッターのロックン・ロールPART2を彷彿させると言えば伝わるかな?)ロックンロールですが、ギターのサウンドやコーラスの入れ方は、やはり彼らなりのグラム・ロック(〜グリッター・ロック)を狙っているのでしょう。今回は、アルバムの流れとしては14曲で切ったほうがいいと思いますが、確かに外すには惜しかった曲なんだろうなと思います。

ということで、捨て曲なしの最高の出来映えだと思います。ポウジーズの時にも「完璧なアルバム」の話をしたのですが、このアルバムも数少ない「完璧なアルバム」の1枚だと思います。ポップ・フリークのみなさんは、当然入手済みのことと思いますが、まだ未聴の人はぜひ聴いてくださいね。

では、また次回に。

< Traffic and Weather / Fountains of Wayne / JPN / Toshiba EMI / TOCP-66656 >


ご感想とかご意見とかがありましたら、どしどしメールくださいね。