第219回   Buzz for Aldrin / The Pillbugs

CD1 : 1.Walking Along an Edge of Sky / 2.Make Like Arthur Lee / 3.Milkman's Wife / 4.It Seems You are So Happening / 5.King of Zorg / 6.I Don't Really Mean to Freak You Out / 7.No Joke / 8.Spaced Out / 9.Al Gabone / 10.Gazing at Clouds / 11.Brilliant but Late Advice / 12.Lost Lonely Sailor

CD2 : 1.4 Sec Nightmare in a 5 Sec Dream / 2.Closer / 3.I'd Give It All Up for You / 4.The Last Confederate Soldier / 5.She's in Style / 6.Still Haven't Learned to Behave / 7.Long Goes the Human / 8.Sidecar / 9.My Heroine / 10.Buzz for Aldrin / 11.Good to Be Alive / 12.In the End (You're Moving On)

 さて、ピルバグズの新作が届きました。通算4枚目のアルバムは「Buzz For Aldrin」というタイトルで、97年リリースのファースト以来の2枚組となります。(まあ、セカンドの時にも当初はダブル・アルバムの予定だったわけですから、メンバーの誰かが2枚組が好きなのかもしれませんけどね。(笑))

実のところ、今回は結構入手に手間取ってしまいました。ピルバグズのHPから買おうとしたのですが、サードの時に何も問題なかったクレジットカードの認証が弾かれてしまうのです。4回くらいやってもダメだったので、レーベルに状況説明と問い合わせをしました。すると丁寧なメールが返ってきまして「お前は毎回買ってくれているから、今回はCDは先に送るから、トラブルが解決次第お金を送ってくれ」ということになりました。本当に親切なレーベルです。(^^)で、それからいろいろメールしているうちに、レーベルの担当者が、僕がファースト・アルバムのCDを雑誌「ストレンジデイズ」の編集部に送りつけた張本人(の片割れ)であることを知り、「お前がストレンジデイズにピルバグズを紹介してくれたヤツだったのか。じゃあ、お金は要らないから、このアルバムを楽しんでくれ」とメールが来ました。本当に本当に親切なレーベルです。(^^)

では、聴いていきましょう。当然、1枚目からです。

オープニングのM1は、逆回転等のSEから始まるサイケデリック・ポップ・チューンです。ピルバグズお得意のパターンですね。跳ね回るベースラインとチープなキーボードの音色がキマっています。文句なしのオープニングですよ。(^^)そのままつながっているM2は、若干ハードなロック・ナンバーです。ビートルズの香りやプログレの香りもするのですが、ハードなギターのフレーズとスライド・ギターが印象的な曲ですね。

M3は、少しヴォードビル的な味付けの曲ですね。楽しい感じのサウンドに、これでもかと出てくるSEや楽器の音が面白いです。後半は、完全にビートルズになっていきますね。トランペットの入り方なんて、特にそう思います。M4はアコギによる小品です。1分もありません。ポールがよくやるパターンですね。

M5は、アルバムの紹介として公式HPでずいぶん前からサウンドファイルが聴けていた1曲です。印象的なギター・リフとポール・マッカートニー・ベースが印象的なポップ・チューンです。ラストのSEからM6になだれこみます。キーボードを駆使した煌びやかな曲ですね。でも、メロディーはイマイチかも?曲展開のセンスは、レイ・デイヴィスっぽい感じもします。ラストは次の曲への導入っぽいですね。

M7は必殺のメロディーを持った曲です。哀愁味のあるメロディーがたまりません。キーボードがそれを煽り立てています。間奏のピアノとストリングスとギターの絡みが素晴らしいですね。文句なしの名曲だと思います。曲の後半は怒濤のドラム・ソロですけどね。ここまでは曲間なしで続いていたんですが、ここで初めて若干のブランクがあります。そして始まるM8は、超カッコいいロック・ナンバーです。リフもメロディーも文句ないですし、とにかくギターがカッコイイ曲ですよ。最高!

そして、M9には再び必殺のポップ・チューンが来ました。ブラスが効果的ですし、ギター・ソロも見事としか言いようがありません。虫の声のSEをはさんでM10は3拍子の曲です。曲想を変えてというところですが、サウンドはあくまでサイケでポップですね。

M11は7分を超える大作です。イントロのギターやコーラスを聴くと、たいていの人がクイーンとプログレを思い浮かべると思います。でも、曲のメイン・パートは哀愁のメロディーとコーラスを持った軽快なテンポの曲です。(ピルバグズはアメリカのインディー・バンドではありますが、)ブリティッシュ・ポップのいいところがびっしりと詰まった感じがします。1枚目のラストのM12は、メロディーの美しいバラードナンバーです。ビートルズ風の展開がいい感じですね。そして、1枚目は余韻をもって終わっていきます。

曲間がないので、たたみ掛けられるように過ぎていったという感じなんですが、それだけにこのラストでの余韻の残し方が活きていますね。凄いです、ホント。

では、2枚目に行きましょうか。2枚目もSEから始まり、逆回転&シタール&ドライヴィング・ベース全開のビートリッシュ・サイケデリック・チューンですね。2枚目のオープニングも文句なしです。(^^)続くM2は、コーラスの素晴らしい曲ですね。ピルバグズお得意のパターンですが、少しリリカルなサイケデリック・チューンです。

そして、曲はビートルズ色の強いM3へとつながっていきます。エレキ・シタール風のギターリフと言い、サージェントの頃のビートルズの香りがぷんぷんとしてきます。ギターのアレンジは、どことなくピカサ風ですね。M4は後期ビートルズ風のカッコいいロック・チューンです。ホント、ロッカーのポール・マッカートニーを彷彿させるナンバーですね。これまた最高!

間髪入れずに、いかにもポール風のバラード・ナンバーのM5です。サビのあたりは60年代末のソフト・ロックの雰囲気もありますね。小粒ではありますが、愛らしい曲です。そして流れを引き継いで、60年代末〜70年代初めの頃のポップ・バンドたちを思い出させてくれるM6へと続いていきます。僕と同世代の(中学高校と毎晩ラジオにかじりついていたような)人なら、本当にたまらない音だと思います。(^^)

続いて、6拍子のブリティッシュ・トラッド=フォーク風のM7が始まります。キーボードのアレンジがファンタスティックですね。SEでつながってフォーク調〜ロック調に変化するM8が始まります。6分を超える曲ですが、巧みなアレンジで」飽きさせませんね。後半ではエンディングを引っ張りすぎのような気もしますけどね。

前曲で思いっきり引っ張った後は、メロディアスな楽曲が出てきます。意図器的にギターやドラムが抑えられたサウンドですね。笑い声のSEに続いて、タイトル・トラックのM10です。60年代テイストとメキシカン・テイストたっぷりの哀愁ロックン・ロールですね。ピルバグズにしてはシンプルなサウンドなのですが、最高の1曲です。間奏のギターとキーボードの絡みや、続くパートのアレンジも見事ですし、後半のワウワウを効かせたギター・ソロやプログレ風のキーボードもカッコいいし、アルバム中でも特にクオリティの高い曲だと思います。個人的にはイチオシですね。伊達にタイトル・トラックになっていません、はい。(^^)

M11は、再びシタール全開のサイケデリック・チューンです。前の曲にが終わった後だけにシンプルな印象もありますが、なんのなんの。1曲だけ取り出して聴いてみると、よく練られた佳曲であることがわかりますね。そしてキーボードとギターのぶ厚い音に導かれてラスト・ナンバーのM12が始まります。サビのあたりで一転して現れてくるパイロット風のコーラスが印象的ですし、素晴らしいですね。後半は完全にビートルズになっています。そして余韻をもって曲を消していき、最後のSEに繋げています。

ということで、2枚目も曲間がなくて、一気にたたみ掛けられた感じですね。

聴き終わってみると、ジャケは今までで一番「しょぼい」かもしれませんが(ゴメン!....でも、このジャケじゃ内容知らない人は買わないよねぇ)、内容的には大満足のアルバムとなりました。曲間をなくす、あるいはSEでつないであるので、CD1枚ずつがひとかたまりで迫ってきますから、聴き応えも十分です。楽曲的にもDisk1のM7〜M9やDisk2のM5〜M6、そして特にタイトルトラックのDisk2のM10は最高の出来映えだと思います。ホント、ファーストに匹敵する名盤だと思いますよ.....いえ、今回はかなりビートルズを中心としたブリティッシュ・ポップ色の強い作品になっていますし、ポップ度ではファーストを超えているかもしれませんね。文句なしでオススメの1枚です。

ちなみに、プレリリースで予約した人には、オマケでセカンド・アルバム(3Dフィルムなし)がついてきました。先述のようにレーベルが親切だからなんでしょうけれど、「セカンドはあまり売れなかったのかな?もしかしたらプレスしすぎて不良在庫抱えてるのかな?」と、余計な心配までしてしまいましたけどね。(笑)

そうそう、最初のへんに書いたことの補足ですが、2001年にファーストを入手して凄く気に入った僕は、なじみのバックステージレコードの店長に聴かせてあげました。店長もえらく気に入ってしまい、ファーストを大量に仕入れて店で売ることにしました。店長はピルバグズのことを日本中のポップフリークのみなさんにも知って欲しいと思い、僕も賛同して、CDを1枚ストレンジデイズ編集長宛に送りました。その後、ストレンジデイズにファーストのレビューが載り、ファーストの再発時にはストレンジデイズレーベルから日本盤が(先にセカンドも、後にサードも)リリースされ、ピルバグズが日本でも広く知られるきっかけとなったという経緯があります。(当時からのうちのHPの常連さんなら、ご存じかも知れませんが。)当然、この4枚目もバック・ステージ・レコードでも扱うとのことですので、海外取引が苦手な人は問い合わせてみてくださいね。

では、また次回に。

<Buzz for Aldrin / The Pillbugs / US / PROVERUSP / PR-00142 >


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