第215回   HERE & NOW / AMERICA

 DISK 1 : 1. Chasing The Rainbow / 2. Indian Summer / 3. One Chance / 4. Golden / 5. Always Love / 6. Ride On / 7. Love & Leaving / 8. Look At Me Now 9. This Time / 10. Work To Do / 11. All I Think About Is You / 12. Walk In The Woods
 DISK 2 : 1. Ventura Highway / 2. Don't Cross The River / 3. Daisy Jane / 4. I Need You / 5. Tin Man / 6. Muskrat Love / 7. Woman Tonight / 8. Only In Your Heart / 9. Lonely People / 10. Sandman / 11. Sister Golden Hair / 12. A Horse With No Name

今回紹介するのは、最近リリースされたアメリカのニュー・アルバムです。今回は新作のスタジオ盤とライヴ盤との2枚組になっていますね。うちのHPの常連さんならご存じだとは思いますが、アメリカも僕の大好きなバンドのひとつですので、僕も(当然、)聴く前から期待120%なのです。(^^)

「さて、聴くぞ」とCDをトレーに乗せて、ジャケットを眺め、裏ジャケのクレジットを見てびっくりしました。スタジオ盤のプロデューサーとして名を連ねているのは、なんと、アダム・シュレジンジャー(もう一人はジェイムス・イハ)だったのです!僕の期待度が一気に倍増したのは、改めて書くまでもありません。(笑)

リリカルなアコギのイントロからアルバムが始まります。爽やかなサウンド、哀愁味あふれるメロディーとヴォーカル、相変わらず素晴らしいコーラスワークとスキャット....ジェリーのペンになるM1は、アメリカの良いところが凝縮されたような曲ですね。特に、サビの胸を締め付けるような甘酸っぱいメロディーは、「最高」という言葉では表現できないほど素晴らしいです。このサビを聴いた瞬間、このアルバムは僕の中のアメリカのアルバム・ランキングの上位に飛び込んで来ました。(^^)

M2は、リズミックかつメロディアスな曲です。コーラス・ワークもさすがですし、間奏のエレアコのソロも素晴らしいですね。

M3は、少しテンポを落としてじっくりと聴かせるタイプの曲ですね。じわじわときて間奏で一気に盛り上げるアレンジが見事ですが、この間奏のギターの煌びやかなサウンドは、アダムのアイデアのような気がします。

M4は、昔のアメリカのイメージに近い曲かもしれませんね。曲想は違いますが、M3に続いてじっくりと聴かせてくれています。

弾き語り風の出だしから軽くビートを効かせたロック・ナンバーへとなだれこむM5のアレンジは、もしかしたら旧くからのアメリカのファンの人たちには意外な展開かもしれませんね。オーソドックスな音の中にも柔らかさと力強さの両方を持ったアレンジは、完全にアダム・シュレジンジャーの世界です。楽曲のクレジットにアダムの名がないのが不思議なくらい、FOW的な曲だと思います。この曲は、少し若いポップ・フリークの人にも大丈夫じゃないでしょうか。...えっ、僕ですか?もちろん、この曲が(M1と同票で)1番のお気に入りです。(^^)

M6は、マイナー調で日本人好みの(ちょっぴりメキシカンとも言いますが)メロディーの曲です。メロディーももちろんですが、コーラスもギター・ソロも素晴らしいですよ。デューイとアダムの共作なのですが、曲の感じはキャピトル時代(ラス・バラードとのコラボレーション)に近いような気がします。

M7は、アコースティックなナンバーです。(むろん、アメリカの楽曲は、たとえエレクトリックなナンバーでも、基本的にアコースティックな響きがするのですけどね。)いいメロディーをじっくりと聴かせるタイプの佳曲です。

M8は、マイナーとメジャーの間を行ったり来たりするメロディーが印象的な曲です。この曲も甘酸っぱいジェリー節と言いますか、アメリカのサウンド・イメージ通りの楽曲だと思いますね。M6と並んで、僕の2番目の(あっ、3番目か(笑))お気に入りです。

再びアコースティックな響きの強いM9は、デューイとジェリーの共作です。地味ですが、本当にいい曲ですねえ。心にしみいる曲です。

M10は、アダムの曲なんですが、クレジットを見ないままで聴いたら、アメリカの二人の共作じゃないかと思えるくらい、いかにもアメリカ的な楽曲となっています。かろうじて、煌びやかなギター・サウンドと、ビートルズ風のコーラス&アレンジにアダムの香りはしますけれどね。ポップ・フリーク御用達の1曲かな?(^^)

M11は、再びバラード・ナンバーです。ジェリーの曲なんですが、パイロット(4枚目)に通じるところのあるアレンジだと思います。これまたいい曲ですよ。

ラストのM12はデューイの曲ですね。これも昔のアメリカの楽曲の香りがぷんぷんとしてきます。6拍子のリズムも心地いいですし、コーラスも見事ですし、アルバムの終わりには文句なしの楽曲です。...そして、爽やかな余韻と共にアルバムは終わりを告げるのでした。

聴き終わってみると、全12曲があっと言う間でした。何よりも楽曲がいいですし、曲を活かすアレンジが素晴らしいです。最近のアメリカのアルバムには地味な印象を持っていたのですが、このアルバムは、僕のそういうイメージを払拭してお釣りがあり余りました。(笑)
繰り返し聴いていくと、アダムたちがいかにアメリカの二人を尊敬しており、アメリカ本来の味を損なわないようにプロデュースしているのかがわかるような気がします。もちろん、そこにジェリーとデューイのいつまでも変わらず瑞々しい音楽があってこそのものであることは、おことわりするまでもないでしょう。(^^)

ということで、アメリカのファンの人はもちろんとして、すべてのポップ・フリークに聴いてもらいたい1枚ですね。

おっと、いけない。2枚目のライヴ盤のことを書くのを忘れていました(爆)。クレジットから判断すると、XMラジオの番組用のライヴだったのでしょう。アコースティックに始まって、最後はエレクトリックな曲に持って行くという構成は、彼らの得意とするところですね。選曲が初期のアルバムに極端に偏っている(というか、ワーナー時代のアルバムのみですね)のは、昔からのファンへのプレゼントでしょうか。あるいは、ラジオ番組の意向でそういう選曲になったのかもしれませんね。(と書いているうちに情報を見つけたのですが、これって、ワーナー時代のベスト盤と同じ曲順を意図したライヴだったそうです。)

実は、僕はキャピトル時代が一番好きという(変わり者の)ファンなので、選曲には少し残念なところがあるのですが、多くのアメリカのファンにとっては、初期の楽曲で固められたこのライヴは本当に嬉しかったに違いありません。もちろん、演奏も歌も最高であることは、当然すぎるほど当然です。(個人的には、ラスト3曲のエレクトリックな感じも好きなんですけどね。)

このライヴ盤のマスタリングは、ジョージ・マーティン(!)の手によるものだということを書いて、今回は筆を置くこととしましょう。(^^)

では、また次回に。

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