第208回  I'TS ALIVE! / THE NEW CARS

 1. Just What I Needed / 2. Let's Go / 3. Candy-O / 4. You Might Think / 5. Best Friend's Girl / 6. I Saw The Light / 7. You're All I've Got Tonight / 8. Not Tonight / 9. Drive / 10. Moving In Stereo / 11. Shake It Up / 12. Dangerous Type / 13. Bye Bye Love / 14. Open My Eyes / 15. Good Time Roll // 16. Not Tonight / 17. Warm / 18. More

さて、リリースからすでに二ヶ月ほど経とうとしていますが、今回はニュー・カーズのライヴ・アルバムの紹介です。

とは言っても、ポップ・フリークのみなさんならニュー・カーズのことはご存じでしょうし、すでにお聞きになった人も多いのではないかと思いますけどね。(笑)曲目を見れば(懐かしい曲もあるでしょうから)わかると思いますが、今回は15曲のライヴとスタジオ録音の新曲3曲という構成のアルバムとなっています。

僕が「カーズ再結成!」というニュースを聞いたのはずいぶん前のような気がしますが、リック・オケイセックは不参加(再結成に関心がなかったとのことですが(^^;)ということで、バンド名もニュー・カーズとなりました。リックもいない、ベンジャミン・オールも(故人ですから)いないという、フロント・マン二人のいないカーズ。しかも、代わりに参加したのは個性も存在感も強すぎる奇才トッド・ラングレン、彼の片腕の(僕の大好きな)カシム・サルトン、そしてトッドの息のかかったチューブスのプレイリー・プリンスですから、ホントにカーズの音になるの?という不安もあったのは否めません。

でも、ここに届けられたサウンドは、紛れもない「カーズ」の音でした。エリオット・イーストンのギター・フレーズと、グレッグ・ホーキンスのキーボードの音(音色)さえあれば、ちゃんとそこにはカーズのサウンドが作り出されています。(^^)カーズのリーダーだったリックがいないことの違和感は、ここにはありません。

トッドは、自分が「カーズ」の一員であることを喜び、楽しんでいますね。それがびんびんに伝わってきます。選曲も、ヒット曲ばかり並べるのではなく(確か最大のヒット曲の「MAGIC」は収録されていません)、たとえ地味な曲でもカーズがライヴで選びそうな曲を集めて演奏しています。これはトッドがいかに「カーズ」に敬意を表しているのかを示していると思えます。最も、トッドがいるのですから、M6,M14(!)と、トッドの曲もしっかり演奏されています。カーズのサウンドに乗ったトッドの曲ですから、これはこれで面白いですね。

さて、僕は先ほど、リックのいない違和感はないと書きました。でも、ニュー・カーズに全く違和感がないのかと訊かれたら、僕は「確実にある」と答えます。....それは、ベンジャミン・オールの不在です。ニュー・カーズとカーズの一番大きな違いは、ベンジャミンのヴォーカルの有無だと思うのです。幸いなことに、リック風に唄うトッドのヴォーカルは、違和感なしにニュー・カーズのサウンドに溶けこんでいます。でも、ベンジャミンの持ち歌だった曲では、彼のヴォーカルの不在を感じてしまいます。特にスローな名曲M9あたり(この曲のヴォーカルはカシムだと思いますが)にはそれが顕著です。もちろん、ニュー・カーズはカーズではないのですから、それはそれでいいですし、往年のカーズ・フリークには文句なしに楽しめる音だと思いますよ。

では、3曲の新曲について書きましょう。(M8はM16のライヴ・テイクですので同一曲で扱います。)
M16ですが、完全に往年のカーズ・サウンドですね。スタジオ盤でのトッドのヴォーカルはライヴよりもリックに似せているようですね。メロディー・ラインも「tonight」という歌詞の使い方も、トッドのカーズへのオマージュに溢れています。(^^)エリオット・イーストンのソロはいかにも彼らしいものですし、後半からラストに絡まるグレッグのキーボードも(もう少し大きく出してもいいですけど)いい感じです。そしてM17です。スロー・バラードですが、キーボードのアルペジオにのって切ないメロディーとコーラスが流れていきます。これも、往年のカーズ・サウンドですね。本当にいい曲ですし、この1曲を目当てにこのアルバムを買う価値があると、僕は思います。(^^)ラストのM18ですが、これはカーズのアルバム用の(シングルを意識していない)雰囲気で作りましたという感じですね。ずいぶんと地味で、メロディーも少し落ちますが、これまたカーズらしい曲です。

ということで、僕にとってとてもうれしい1枚となりました。カーズ・フリークだった人はもちろん入手されているでしょうが、カーズのヒット曲しか知らなかったポップ・ファンの人にもお勧めの1枚です。
次は新曲ばかりのスタジオ盤が聴きたいなと希望を書いて、ペンを置くこととしましょう。

では、また次回に。

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