第194回  CRIMINALLY UNSIGNED / V.A.

 今回は、パワーポップ・コンピレーションの紹介です。このアルバムは、97年にsandboxという小さなレーベルからリリースされました。ジャケットにバーコードも入っていませんから、どれだけ小さなレーベルかというのがわかると思います。

もともとは、僕の大好きなカイル・ヴィンセントが、僕の好きなルビナーズと一緒に演っているM22が目的で買ったアルバムですが、ここには、無名ながらも素晴らしいポップ・ミュージックを作り出しているアーティスト達がいくつも収められていたのです。コンピレーションですので、クオリティの高い曲が集まっているのは当然(最近のやつにはそうでもない編集盤もあるけどね。(^^;)として、ネットで調べてもこのCDしかヒットしないアーティストがあるというのが高ポイントですね。

では、じっくりと聴いていきましょうか。(いつもと違って「アーティスト/曲目」の順番ですので、気をつけてくださいね。)

1. Mind Reels / the Result of Your Love
 オープニングのギター・リフに、初めてスポンジトーンズを聴いたときのことを思い出してしまいました。(^^)ビートルズをはじめとする60年代ポップの遺伝子がたっぷり詰まった曲ですね。メロディーも良いし、サウンドもカッコイイし、文句なしです。そう言えば、歌い方には、どことなくカシム・サルトンみたいな印象を受けましたよ。

2. Vox Pop / Rosetta Stone
 ルビナーズ人脈(というか3/4はルビナーズ)で有名なバンドです。前にも書いたことがあるので、覚えていらっしゃる人も多いでしょう。これは、その時紹介したアルバムにボーナス・トラックとして収められていた曲ですね。文句なしにハッピーなポップ・チューンです。

3. Mersey Beach / Julie
 個人的には、このアルバムの中で一番気になった曲です。名は体を表すと言いましょうか、「マージー・ビート+ビーチボーイズ」という表現がぴったりのサウンドですね。(本当はもっとカッコいい表現を使いたいのですが、本当にこの安易な表現がはまるのですよ。(笑))まるでジョーイ・モーランドみたいなスライドギターのイントロも最高ですし、哀愁味あるコーラスワークも素晴らしいです。イチオシです!ちなみに、レコード会社のページには98年にアルバムを出すよと書いてあるのですが、はたしてリリースされているのでしょうか??

4. Colby Pollard / Want My Love
 個人的には二番目に気になった曲です。(笑)ポールばりのベースラインにポップなメロディー、トランペットのソロ、ジョージばりのマイルドなギター・ソロ、逆回転と、ペニーレインあたりのビートルズへのオマージュがいっぱいです。渋いけど最高の1曲ですね。これも(ふたつめだけど)イチオシ!ちなみに、ドラムとトランペット以外は彼が演奏しています。

5. Loris Drift / The Way You Talk
 この曲は、アメリカンなフレーバーもある、オーソドックスなパワーポップですね。いかにもロックっぽいギター・ソロが印象的です。個性は少ないかも知れないけど、いい感じです。

6. Joel Crawford / Center of Your Universe
 この曲のドラムは打ち込みかな?中期ビートルズ的なギター・リフにチープなキーボードをかぶせたような、不思議なサウンドですね。

7. The mEsOmEoNeS / Decked
 サイケデリック風味のポップ・チューンですね。SEも多用されていますし、タブラっぽいパーカッションもありますし、クリムゾンっぽいメロディーのパートとか、後期ビートルズっぽパートとか、3分40秒の中で曲想がめまぐるしく変わっていきます。

8. Blue Cartoon / Parachute
 このアルバムに収録された2曲は、彼らのファースト・アルバムから選ばれています。ビートルズの遺伝子を受け継いだ正統派と言うべきバンドですね。12弦の響きとメロディーラインが、すごく心地よいです。(^^)完成度ならダントツかもしれませんね。(そう言えば、彼らはジョージのトリビュートにも参加していましたね。)

9. Mark Bacino / Keep Me Awake
 軽やかに弾けるビート、若々しくもせつないメロディー。パワーポップ・フリークでしたら、彼の名前を知っている人も多いでしょう。そのうち、アルバムも紹介してみたいアーティストのひとりです。(^^)

10. Jonathan Rundman / Only If
 ちょっぴりハードに歪んだギター、軽やかなビート、ちょっぴりコステロっぽく鼻にかかった唄い回し。オーソドックスなアメリカン・ポップ・ロックという感じですね。

11. Bigwheel / Underwear
 爽やかなハーモニーの曲ですね。ギターポップのカテゴリーで語ってもいいような曲です。地味すぎて個性に乏しいとも言えますが、良くできた曲だと思います。(^^)
 
12. Franke, Dan & the Wrecking Yar / She Reminds Me of You
 イントロの12弦のアルペジオが印象的ですね。語り風のヴォーカルに、ぎりぎりのところで「若干はずれた」ようなコーラスが、ポップな雰囲気を醸し出しています。

13. Oohs / Closer
 彼らも結構有名なバンドです。(彼らのアルバムも、いつか紹介したいですけどね。)この曲はキーボードとギターのリフが印象的ですね。リフの作り方にはプログレっぽい雰囲気もある曲です。ユートピアを引き合いに出して語られることも多いのですが、個性ではアルバム中でも屈指のアーティストでしょうね。ちなみに、曲中のコード展開に、僕はチューリップを連想してしまいました。

14. Rich Colligan / That's What Dogs Do
 渋いアコースティック・ポップ・チューンですね。メロディーも中期以降のニック・ロウっぽいし、どことなくパブロックの響きのある曲です。間奏のチープなキーボードに渋いギター・ソロもいい感じです。

15. Robert Berry / Back to Real Mode
 イントロはうきうきしてくるようなギター・リフですが、唄に入ると哀愁味あるメロディーが出てきます。サウンドは結構チープで、いかにも宅録っぽい音なのですが、うまくまとまっていると思います。ライナーによると、かれはIBMのテクニカル・ライターだそうで、この曲はタスカムのPORTA ONEで録音されているそうです。僕が録音に使っていたのがPORTA TWOポータ・ツーですから、親近感を覚えてしまいましたけどね。(^^)

16. Sunshower / California Melody
 さて、このトラックは、さしずめ日本代表というところでしょうか。ボッサやシャンソンの雰囲気を取り入れたサウンドが心地よく響いてきます。ソフトなヴォーカルも曲に合っていますね。

17. Mersey Beach / Every Single Day
 2回目の登場です。やはり、オープニングのコーラスからしてビーチボーイズですね。かれらのコーラス・ワークには、本当にビーチボーイズの持っていた哀愁味を強く感じます。この曲はマージー・ビート色の薄い曲ですから、よけい目立つのでしょうけどね。

18. The mEsOmEoNeS / Unconscious Kitchen
 彼らも2回目の登場ですね。この曲でもチープなキーボードと人を喰ったようなヴォーカルワークが印象的です。この曲でも曲想が変化していくのですが、ここでは「後期ビートルズ」という共通点を感じるので、まとまりがあるように思います。

19. Joel Crawford / Love on Demand
 こちらの曲は、かなりシンプルなサウンドになっていますね。そのため、ビートルズへのオマージュがストレートに出ているのが微笑ましいです。(^^)

20. Blue Cartoon / Look Who's Lonely
 循環コードを使った、オールディーズ風味も曲ですね。オーソドックな曲だけに演奏力や歌唱力の高さがわかりますね。ラスト1分で徐々にフェードアウトしていくファルセットのメロディーが、哀愁味たっぷりでたまりません。渋いけど、いい曲ですね。

21. The Mind Reels / To You
 彼らのこの曲も、最初の曲よりもオーソドックスなタイプの曲ですね。サウンドは違いますが、M20と共通項の多い曲だと思います。ここでは、少しハードっぽいアレンジになるミドルエイト〜ギター・ソロの哀愁味が素晴らしいです。(^^)本当に彼らのアルバムを聴いてみたくなってしまいました。

22. Rubinoos with Kyle Vincent / the Audities Theme
 さて、当初の目的の曲です。(爆)演奏者はトミー・ダンバーとジョン・ルービンとカイル・ヴィンセントです。3人の完璧なハーモニーが素晴らしいですね。唯一かつ最大の難点は、(テーマ曲だから仕方ないのでしょうが、)1分で終わってしまうということですね。(^^;

ということで、全22曲のポップ・ワールドは終わりました。普段ならあまりコンピレーションは紹介しないのですが、M3,M4のおかげで書く羽目になってしまいました。(笑)最も、当初の目的の曲が1分という短さでしたから、他のアーティストに素晴らしい曲が多かったのは、大収穫でした。(収録アーティストの個々のアルバムについても、ゲットすることができれば書いてみたいと思わせる曲が多かったですしね。

ということで、ポップ・フリークなら聴いて損のない1枚だと思います。

では、また次回に。

< CRIMINALLY UNSIGNED / V.A. / US / SANDBOX / CDLP-1009 >


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