第171回 WRITERSCRAMP / THE BREETLES

 1.I DON'T LIVE HERE / 2.MY SENSE OF WONDER / 3.THAT'S THE KIND OF LOVE / 4.NOT THE ONLY GIRL / 5.SAME AS ME // 6.INVISIBLE MAN / 7.CONDITIONAL ROMANCE / 8.(OUT OF THE) WOODS OF LOVE / 9.PLEASE SEND BOAT / 10.PUNCH & JUDY // 11.PSYCHOTIC SEASON / 12.I LIKE ALL KINDS OF GIRLS / 13.GOOD KARMA / 14.THEIR DAY / 15.SOMEONE NEAR ME / 16.HORIZONTAL

 さて、今回紹介するのは、アメリカのインディーズのブリートルズです。彼らはマルチ・プレーヤーのクリス・ブリートヴェルドを中心としたプロジェクト・バンドのようで、曲によって参加ミュージシャンに若干の違いがあるようですね。バンド名は、クリスの名前とビートルズを合体させてつけたと思われますが、その名に負けずにポップな楽曲が詰まっています。(^^)
アルバムは、全部で3つのパートに分かれています。クレジットにも 「SIDE ONE」から「SIDE THREE」まであるので、アナログなら2枚組(1枚半)だよということなのでしょう。(残った半面に3面目がプレスされるのかサインが刻印されるのかは定かではないですけどね。(笑))

 1面は、M1からM5までです。ここでは、ビートルズへのオマージュを前面に出した楽曲が続きます。イメージ的には、チープ・トリック・ミーツ・ビートルズってところでしょうか?
 M1は、ビートルズの影響の強いパワー・ポップ・チューンです。ギターのフレーズのオクターヴ・ユニゾンは12弦を意識しているのでしょうね。アルバムのオープニングにふさわしい1曲です。M2は、完全にチープ・トリックみたいですね。タンバリンの入るタイミングが絶妙です。間奏のギター・フレーズは、誰が聴いてもマイ・スィート・ロードですね。(^^)M3はミッド・テンポのポップ・チューンです。ここではカウベルの入り方が絶妙です。
 M4は、ちょっと中期のビートルズになりました。幻想的なサウンドの曲です。サビのファンタスティックなメロディーとコーラスといい、本当にいい曲ですね。ポップ・フリークには一押しの曲です。M5は、ちょっとメキシカン&カントリー風味の曲です。(サビのメロディーだけ聴いてると、ベンチャーズかスプートニクスかって感じなんですけどね。)ビートルズのカントリー風味の曲へのオマージュということでしょう。

 続いて2面です。M6〜M10なのですが、僕はこのパートが一番のお気に入りなのです。ブリティッシュ・ポップ...と言うよりも、完全に「ニッチ・ポップ」という楽曲ばかりなのですよ、これが。イメージで言うと、サッド・カフェや後期セイラーやシティ・ボーイあたりの匂いがぷんぷんと漂ってきます。ホント、「もうたまりませんわ」ってくらいにツボにはまってくる音ですね。(笑)
 M6は、チープなサウンドに、ちょっとドラマティック風のコーラスに、ポップなヴォーカルと、ニッチ・ポップ100%の楽曲です。ニッチ・ポップ党には一押しの曲ですよ。M7もサウンドはチープなのですが、ヴォーカルのヘナヘナ具合がまた絶妙です。何も知らずにシティ・ボーイかレコーズだと言われたら信じちゃいますよ、僕は。(笑)M8は、哀愁のギター・ロシア風味というところでしょうか。マイナー調のメロディーがなかなかいいですね。サビでは一転してポップなコーラスが出てくるのですが、この対比も素敵です。
 M9は、南国風味になっちゃいました。ここでも、メロディーとヴォーカルのヘナヘナ具合がたまりません。途中から入ってくるスカスカのブラスも曲にあっています。M10は、チープかつファンタスティックなキーボードを中心とした(一応)バラード・ナンバーです。ホントにしょぼい音なのですが、「しょぼいけどよく聴けばポップ」なメロディーには合っています。ベースが(歪んでしまいそうなほど)目立って聞こえるサウンドは、計算ずくなのかな?

 さて、3面目です。ここでは1面と3面の中間的な印象の楽曲が聴かれます。ストレートにポップな楽曲の中に、ちょっぴり捻くれたフックが絡むという感じですね。
 M11は、ミッド・テンポのロック・ナンバーです。その中で時々出てくるファンタスティックなアレンジが心地よいですね。M12は、さわやかなメロディー・ラインの印象的な曲です。ポップなメロディーに絡むキーボードとコーラスは、ほとんどユートピアの楽曲の世界ですね。間奏のスライド・ギターは、やっぱりジョーシへのオマージュかな?M13は、チープなオルガンが印象的な曲です。そのためか未完成のカーズみたいな印象を受けますけどね。間奏のハードなギターもなかなか聴かせてくれています。
 M14は、アコギのカッティングが印象的な曲です。美しくも繊細なメロディー・ラインからは、ブリティッシュ・ポップの遺伝子を感じますね。スクイーズにも通じるポップな曲ですよ。M15は、またカントリー風味いっぱいのポップな曲です。サウンド的にも、ビートルズへのオマージュを前面に出した曲ですね。アルバムを締めくくるM16ですが、(come and get itを彷彿させる)ピアノのイントロで始まりますが、曲に入るとここでも美しくも繊細なメロディーが流れてきます。チェンバロや弦楽器(キーボードかも)の音を活かした、ファンタスティックな造りですね。前に紹介したピルバグズに通じるところもある楽曲です。ラストにふさわしい佳曲だと思います。

 実は、クレジットはないのですが、この後に、ラジオ番組風におしゃべり+ギターの弾き語りが入っています。ノリとしては、ゲット・バック・セッションでしょう。自分たちでも「ビールズもこんな風にやっていたよな」って言ってるくらいですからね。まあ、やはりかなり捻くれた奴等ではあるようです。(笑)

 全体的に見ると、計算し尽くされたアルバムのように思えます。特に、飾りで入ってくるパーカッション系の音が、本当にここしかないところで鳴ってくれるのが印象的でした。ポップ・フリークなら聴いてみて損はないアルバムだと思いますし、特にニッチ・ポップの好きな人にはオススメのアルバムです。

では、また次回に。

< WRITERSCRAMP / THE BREETLES / US / PERMANENT PRESS / PPCD-52714 >


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