第163回 THE BEST OF LIVERPOOL EXPRESS / LIVERPOOL EXPRESS

 1.YOU ARE MY LOVE / 2.DREAMIN / 3.MARGIE / 4.TAKE IT EASY WITH MY HEART / 5.EVERY MAN MUST HAVE A DREAM / 6.I WANT NOBODY BUT YOU / 7.IT'S A BEAUTIFUL DAY / 8.JULIAN THE HOOLIGAN / 9.SO HERE I GO AGAIN / 10.JOHN GEORGE RINGO & PAUL / 11.SMILE / 12.SO WHAT / 13.LAST TRAIN HOME / 14.HOLD TIGHT / 15.NEVER BE THE SAME BOY / 16.DON'T STOP THE MUSIC

さて、今回は、リバプール・エクスプレスのベスト盤です。60年代のマージ・ビートのグループのひとつで、その名もマージービーツというバンドにいたビリー・キンバリーを中心に76年にデビューしたリバプール・エクスプレスですが、その名の通り、「リバプール・サウンド(日本での表現ですが)」の影響の深い楽曲とポップなサウンドで知られています。このアルバムには、彼らの3枚のアルバムと、シングル盤からの選曲に加え、新たにビートルズに捧げられた(とは書いてないけど、間違いないでしょう)M10が収められています。

M1は、美しくもせつないメロディーの曲です。繊細な歌声をリリカルなアレンジで包み込むようなサウンドですが、どちらかというとフォークっぽい感じの曲ですね。派手さはないものの、いい曲です。M2はまるでパイロットやバッドフィンガーを彷彿させるサウンドがいいですね。爽やかな曲ですが、せつなさいっぱいのメロディーがたまりません。

M3は弦楽をバックに唄われる曲です。サビでは繊細なコーラスを聴かせてくれますし、いかにもブリティッシュな佳曲です。M4は、ギターと弦のコンビネーションが面白いですね。リード・ヴォーカルは、(特にシャウトの部分で)ジョン・レノンを彷彿させる歌い方をしていますね。弦との絡みもあるのですが、サイケ−プログレ風味も感じます。

M5は、再び繊細で美しいメロディーを聴かせてくれるバラードです。ピアノを中心としたシンプルなアレンジで唄われる優しい曲ですね。まるで、ジョンのバラードみたいですよ。そう言えば、ミドル8の唄い回しもジョン風でした。M6は、まるで10CCですね。アイム・ノット・イン・ラヴを彷彿させるイントロ(のコード進行)から、サビでのコーラスと弦の絡みや、ミドル8でのハーモニーなど、ブリティッシュな音が好きな人にはたまらない曲でしょう。

M7は、フォーク・ロック調の曲です。日本人受けしそうなメロディーとハーモニーですね。VIm−V-IV-III7という王道のコード進行も日本人好みです。M8も10CC路線の曲ですね。ちょっと凝ったアレンジの展開もポップ・フリーク必聴です。このバンドはサッカー・クラブの関係で知り合ったということなので、曲名もそのあたりからついたのかな?ミドル8でのビートルズ−バッドフィンガー調の展開も聴きモノです。そう言えば、後半のギターのフレーズもシー・ラヴズ・ユーのコーラス・パートですね。(^^; M9は、哀愁味たっぷりのナンバーです。曲想は違うのですが、イメージとしては「悲しき天使」あたりでしょうか。こういう音はブリティッシュ・バンドならではのものですね。出だしのメロディーは久保田早紀の「異邦人」に似ている(あっ、逆か)のですけどね。

で、問題の新曲(?)M10です。歌い出しからヘイ・ジュードなのは当然として、ビートルズの曲名を歌詞にふんだんに盛り込み(その部分ではその曲のアレンジを引用して)、合間にビートルズへの謝辞を入れるという構成です。そういう意味では、「バッドボーイズ(吉田拓郎)+BJH」って感じの曲ですね。(笑)そんなわけで、歌い方もサウンドもモロにビートルズなわけです。

余談ですが、ビートルズ以降、ビートルズ風のメロディーやアレンジやコーラスを聴かせてくれるバンドはいくつもあるのだけど、そういうバンドを聴く度に僕は思うのです。ビートルズ風の楽曲のほとんどは、コーラスのためのコーラスを聴かせてくれているな、と。(言葉を換えると、ハーモニー(調和)のためのコーラスワークと言えるでしょうね。)サウンドやアレンジはビートルズでも、ビートルズのように「隙あらば斬るぞ」というような真剣勝負の結果としてのハーモニーを聴かせてくれるバンドは極めて少ないと思うのです。それがビートルズと後のフォロワーたちの違いかな?とね。....すみません、話がそれちゃいましたね。誤解のないように書いておきますが、別に「ビートルズのフォロワーたちの曲やサウンドが劣っている」というわけではないですし、彼らは彼らで素敵なバンドたちなんですから、素直に楽しめばいいのです、うん。

話を元に戻しましょう。M11は、またまたパイロットやバッドフィンガー風のギターのイントロで始まります。キーボードのファンキーなところを聴くとパイロットに近いかな?ファースト・アルバムのオープニングを飾った、アップテンポのポップ・チューンです。M12は再びバラード・ナンバーですね。エレピのイントロ(浜省のもうひとつの土曜日に似ている...って、M9と同じパターンじゃん(^^;)から唄われるAメロの部分は、シンガー・ソングライター風にも聴こえます。サビでのヴォーカルの感じはパイロットかダリル・ホールかな?

M13は、またまたシンプルなピアノ中心のアレンジで歌い上げられるバラードです。これはどことなくアメリカンな感じがする曲ですね。M14は、モロにパイロット風の曲です。メロディー、アレンジ、コーラス、唄い方、どこを切ってもパイロットですね。(^^)サビでの手拍子の入れ方も、完璧にパイロットのタイミングです。パイロットと彼らは同期のバンドですが、これだけ似ているのも面白いですね。そう言えば、同じくビートルズの影響の強い日本のチューリップなんかも、アレンジやギターの音がパイロットそっくりって部分もありましたので、「師匠」を同じくするバンドの音は似てくるものなのかもしれませんけどね。

M15は、キーボード(シンセサイザー)のフレーズが印象的です。アレンジの展開にも凝っている、素敵なパワー・ポップ・チューンですね。ミドル8でもシンセサイザーの音が効果的です。これも聴きモノでうよ。(^^)ラストのM16は、またまた弦を使った曲です。アコギのシンプルなカッティングを中心としたアレンジで、シンプルなメロディーを聴かせてくれています。弦のアレンジあたりは、ELOに通じるものもあるかもしれませんね。

ということで、さすがにベスト盤だけあって「いい曲」がぎっしりと詰まっています。文中に出てきたバンドのファンの人はもちろん、ブリティッシュ・ポップが好きな人はゲットしてみてくださいね。損はしないと思いますから。

では、また次回に。

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