第134回 KYLE VINCENT / KYLE VINCENT

1.ARIANNE / 2.WAKE ME UP(WHEN THE WORLD'S WORTH WAKING UP FOR) / 3.ONE GOOD REASON / 4.IT WASN'T SUPPOSED TO HAPPEN / 5.OTHER SIDE OF THE RAIN / 6.IN THE WORST WAY / 7.NEXT TIME WE'LL GO CRAZY / 8.ALL YOUR PROMISES / 9.I USED TO LOVE THE GIRL / 10.AUSTIN EYES / 11.HAPPY ENDING / 12.YOUNG AGAIN

今回紹介するのは、カイル・ヴィンセントのソロアルバムです。前にキャンディーというパワー・ポップ・バンドを紹介したことがあるのですが、彼はそのバンドの中心人物でした。キャンディーというバンドは、典型的なパワー・ポップバンドで、明るく弾けるようなポップな曲想が特徴でしたが、このアルバムも、ゴキゲンなポップ・チューンがめいっぱいに詰まっています。  

まずM1です。 イントロのギターのアルペジオにカイルの歌が入ってくるところから、すでにこの曲のクオリティーがわかりますね。流れるようなアルペジオと弾けるリズム、胸キュンのメロディーに、伸び伸びとしたサビのコーラス....すべてに文句のつけようのない曲です。もし、この曲を聴いて「ちょっと自分の趣味ではない」と思ったなら、すぐにCDをトレーから出してください。あなたにはパワー・ポップを聴く素地がありませんから。((^^;))ということで、アルバムのオープニングにふさわしい最高の1曲でした。  

M2は、ロックン・ロールの雰囲気を全面に出した曲です。でも、メロディーはポップだし、どことなくラズベリーズみたいな展開も見せてくれるし、これまたゴキゲンですね。この曲あたりを聴くと、プロデューサー&ギタリストとして参加しているP.HUXの貢献度がわかりますね。M3は、リリカルなピアノに導かれたバラード・ナンバーです。美しいメロディーをせつせつと歌い上げるカイルの声がなによりも印象的です。この曲にもエリック・カルメンの匂いを感じるのは、僕だけでしょうか?いい曲です。  

M4は、いかにもアメリカン・ポップって感じの曲ですね。弾けるメロディーがいい感じです。ミドル8の絡み合うコーラスも耳に残りますね。M5は、まるでネオ・アコのバンドみたいなイントロで始まります。メロディーは、甘酸っぱくて哀愁にも溢れていて、さりげなく絡んでくるコーラスとともに胸にしみいります。二人になってからのアメリカの曲の感じに近いかな?  

M6は、またロックっぽい曲ですね。一時期のブライアン・アダムスみたいな印象も受けますが、ギターとベースが目立つ曲です。間奏の後に逆回転メロトロン風の音を入れたりする「仕掛け」も見事ですね。M7は、再びピアノに乗ったバラードです。この曲の美しいメロディーといい、唄い方といい、曲に漂う瑞々しさといい、間奏の展開といい、これはほとんどエリック・カルメンですね。バラードが好きな人には、これがオススメですし、僕的にもM1と並ぶお気に入りです。(^^)  

「必殺のバラードの次には、リズミックな曲を」ということでもないでしょうが、M8はパーカッションの目立つ曲です。楽しいリズムとメロディーとコーラスが堪能できます。AORの雰囲気も併せ持つ、ポップな曲ですね。M9は、アコギのカッティングが印象的です。メロディーがちょっぴりモンキーズっぽいこともあってか、70年代初期のバブルガム・ポップ的な雰囲気も感じます。(パートリッジ・ファミリーとかね。(^^))楽しい曲です。  

M10は、一番90年代っぽいリズムの曲でしょうか?ちょっとマイナー調のメロディーとアレンジが、アルバム中でのアクセントになっていて、心地よく感じます。M11では、イントロのアルペジオ(ギター+ピアノ)が印象的ですね。アルバム中では、一番オーソドックスな曲展開かもしれません。80年代のアメリカン・ポップの香りを感じます。  

ラストのM12は、子供の声から始まりますね。(アメリカの童謡なのかな?)で、曲に入ると、3拍子のアコースティックなマイナー調バラードということで、アルバム中で一番異色の曲になっています。リリカルなピアノ、マンドリン、ストリングスも絡んで、盛り上がる曲ですね。ラストは静かに終わるのですが、こういう曲でアルバムを閉めるあたりが彼のこだわりであり、センスなのでしょう。

ということで、ポップなM1,バラードのM7という極めつけの2曲だけでなく、ほんとに全く隙のないような最高のアルバムですね。ホント、ポップ・フリークなら必聴ですよ。

そう言えば、このアルバムを紹介していたインターネットのページ(アメリカ)では、「カイルは、すでに日本ではスーパー・スター的扱いを受けているポップ・アーティストで〜」と紹介してしましたし、もしかしたら、パワー・ポップ系のアーティストは日本のほうが受けがいいのかも知れませんね。最近出かけたレコード・フェアで、キャンディーのアルバム(LP)に10000円の値札がついていて、びっくりしたこともありましたしね。

話がよそに行ってしまいましたが、とにかく、見つけだして聴いてみてくださいね。ホントに最高の1枚なんですから。

では、また次回に。

< KYLE VINCENT / KYLE VINCENT / US / CARPORT / HC-62094-2 >


ご感想とかご意見とかがありましたら、どしどしメールくださいね。