第121回 GOTTA HAVE POP / SEGARINI

1.GOTTA HAVE POP / 2.HIDE AWAY / 3.AFRAID OF THE OCEAN / 4.I DON'T WANT TO LOSE YOU / 5.DON'T BELIEVE A WORD I SAY / 6.LIVIN' IN THE MOVIES / 7.STEADY EDDIE / 8.DRESSED IN THE DARK / 9.WHEN THE LIGHTS ARE OUT / 10.LOVESTORY / 11.GROUCHO MARK // 12.STARLIGHT / 13.BODY GO ROUND / 14.LAUREL ANN / 15.CEST TOUT

さて、今日紹介するのは、「カナダのニック・ロウ」の異名を持つボブ・セガリーニのバンドの78年に出たアルバムで、96年に4曲のボーナストラックを加えてCD化されていたものです。前にも「西海岸(オレンジ・カウンティ)のニックロウ」ウォルター・クレヴェンジャーのことを書きましたが、こうしてみると、ニック・先生も結構有名なんだなあとは思いますけどね。(^^)

話をセガリーニに戻しましょう。トップのM1は、イントロからして玉手箱みたいなサウンドですね。ニック・ロウというよりは、ビートルズに始まる60年代&70年代初期のポップの遺伝子を強く感じます。(唄い方がいかにも78年頃のハード・ポップバンド風なので、そういう印象があったのかもしれませんけどね。)この曲でも、ポップなメロディー、練りに練ったアレンジ、キャッチーなギター・リフと、ポップ・ソングのエッセンスを聴くことができます。

M2は、ギターのアルペジオを主体として、コステロ風のメロディーが唄われていきます。アレンジもそういう感じのパブ・ロック風ですね。M3は、スティール・ドラムもどきを導入して、ちょっと変わった感じで始めています。でも、唄に入ると、曲はオーソドックスなポップ・チューンへと変容していきます。メロディーは凄くポップだし、ギターのフレーズも面白いですね。

ビートルズ風のギター・アルペジオの効いているM4は、キャッチーなナンバーです。サビに入ると、いかにもパブ・ロック風のリフとコーラスが出てきます。このあたりは、確かにニック先生風なのですが、ミドル8では、完全にビートルズのコーラスになっていますね。シングル向きの曲かな?

M5は、典型的なロッカ・バラードですね。唄もメロディーを聴せるという感じではなくて、声を聴かせるという感じです。ドゥワップ・コーラスといい、60年代の香りがプンプンの曲ですね。M6は、ミッド・テンポのロックン・ロールです。この曲は完全にニック先生の世界ですね。「カナダのニック・ロウ」の呼び名もすごく納得の一曲なのです。(^^)サックス・ソロも冴えた、ライヴ向けの曲ですね。

M7は、オールディーズ風のコード進行を使ったポップ・チューンです。エディー&クルーザーズとかの香りのする曲ですね。少ししゃがれた声の唄も、雰囲気満点で素晴らしいですね。

M7がフェイド・アウトした後の静寂を破るように、ロックン・ロール・ナンバーのM8が始まります。ホント、ロックパイルやコステロを彷彿させる曲ですね。パンキッシュでカッコいいです。 M9は、三連シャッフルっぽいリズムの曲で、サビのキャッチーなメロディーとコーラスが印象的です。サビの手拍子は、エイト・デイズ・ア・ウィークみたいですね。(^^)

M10は、カントリー風味の曲です。この曲もニック先生の曲想にそっくりですね。サビのメロディーとコーラスを聴くと思わず「にやり」としてしまいます。アレンジ的にはビートルズを意識した構成も窺えて面白いです。(そう言えば、その部分の歌詞も「LET IT BE , LET IT BE〜」だったりします。

アルバムの最後を飾るM11は、リリカルなピアノの音に導かれてはじまります。マイナー調の曲といい、アルバムのこれまでの流れからすると、ちょっと意表をつかれてしまいますね。(^^;それもそのはずで、ライナーによると、この曲は新しくレコーディングされた曲だそうです。泣きのギターも効いているし、アルバム中で一番ブリティッシュ・ロックの香りがする佳曲だと思いますよ。本人も、ライナーの中で「この曲を加えたおかげで、アルバム全体がずいぶん締まって良くなったよ」と言っています。

で、残りの4曲がボーナス・トラックになります。ライナーによるとちょっと古めの録音だそうで、音の抜けや響きがこれまでの曲と全然違います。かなり狭い空間での録音のように聞こえますし、ホーム・レコーディングなのかもしれません。

M12は、ビートルズの雰囲気とちょっとテクニカルな印象も受けるロック・ナンバーです。ここまでの楽曲とは、ちょっと響きが違いますね。オーソドックスなロックに近い感じがします。M13は、アコースティック・ライヴ(でも、歓声がないから、自宅スタジオでの一発取り)でしょうか。ギターの目立つフォーク調のナンバーです。ギター・ソロはマイナー調で、日本受けしそうな感じなんですけどね。

M14は、ニック先生風のミッド・テンポのロックン・ロールです。ミック・テイラー風のスライドギターがカッコいいですね。(^^)M15は、ボサノバ=ジャズの雰囲気もある曲です。オルガンの音も面白いですよ。楽曲自体も、いいメロディー、いいコーラスと、文句なしですね。

こうしてアルバムを通して聴いてみると、「ニック・ロウ」というのは彼のサウンドのほんの一部で、もっと幅広い音楽からの影響を感じます。 めくりめく煌びやかさはないけれど、良質のポップ&ロック・アルバムだと思いますし、ニック先生のファン以外にも聴いてもらいたいな、これ。

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