第112回 ORANGE / EPICYCLE

1.THE FAT GIRL'S GONNA DANCE NAKED / 2.911 SALVATION / 3.WESLIE WILLUS / 4.I COULD OF HAD IT ALL / 5.TORTURED ARTISTS SONG / 6.MONDAY THRU FRIDAY / 7.TAKE A RIDE / 8.PLEASANT VALLEY SEQUEL / 9.SHE / 10.CRYSTAL CLEAR / 11.BRIAN (HELLO HIGH LLAMAS) / 12.LADY O

さて、100円CDシリーズ第2弾です。(^^;このバンドは、ジャケットを見た時から期待していた1枚です。写真にある表ジャケはそうでもないのですが、裏ジャケに写ったメンバーのサイケデリックな服装は、センスは悪いものの、「こいつらただ者ではない」という雰囲気があったからです。部屋に帰ってからCDを開けて中ジャケを見ると、ギターはリッケン・バッカー、ダン・エレクトロ、ベースはリッケンとヘフナー、アンプはオレンジですから、やっぱり音に対する期待は高まったのです。

SEからジャジーな雰囲気でM1が始まりました。なかなかカッコいい雰囲気なののですが、唄は、ほとんど「語り」なのです。もっとサイケなメロディーを期待していた僕にとっては、肩すかしを喰らったオープニングです。間奏のピアノもジャジーでカッコいいんですけどね。M2もちょっぴりボサノバ風味のジャジーな感じで始まります。ここでも語りに近い唄は、声質といい、ほとんどクリス・ディフォードですね。バックではアコースティック・ギターが美しく鳴っているのが、唄と見事な対比を示しています。ただ、コーラス・パートの普通のメロディー((^^;)を聴けば、先への興味が繋がります。

アーシーなアコギのイントロに導かれて始まるM3でも、聴かれる唄はやっぱり「語り」調なのですが、前の2曲よりはメロディーにのっています。サビの部分は、リリカルですごくいいメロディーなのですが、それを微塵にも感じさせないボーカルはどうでしょう。ホント、「ただ者ではない」バンドですね。アレンジ面では、途中からストリングスが入ってきて見事な盛り上がりをみせてくれますし、曲造りの面でのセンスは凄いものがあるのはわかります。S&G風のアコギが主体のM4では、ようやく彼らの「普通の」唄を聴くことができます。S&Gほどの完璧な上手さではないものの、見事なコーラス・ワークで、美しいメロディーを聴かせてくれます。いい曲ですねぇ。(^^)やればできるというか、彼らの実力を感じさせてくれる1曲です。

ボサノバ調のM5では、メロディーを唄う高音部と語りに近い低音部で、まるでディフォード=ティツブルックを彷彿させてくれます。ひねくれ方も含めて、痛快なポップ・チューンです。間奏のアコギのソロも素晴らしいですよ。(^^)M6は、アコギのバッキングにのったミッド・テンポのバラードです。アメリカンなメロディーもいいですし、間奏のハーモニカもいい感じです。

M7は軽快なリード・ギターで始まる極めつけのポップ・チューンです。サビのコーラスもいい感じですし、アレンジも凝っています。いい曲です。M8は、チープなギター・サウンドの曲です。ギター・リフは、ほとんどシン・リジィの「脱獄」+ちょっぴりパープルの「嵐の使者」ですね。語り調のメイン・ボーカルといい、勢いコーラスのサビといい、大胆に入ってくるシンセといい、ほんとにポップでチープなサウンドは印象的ですね。

M9は、またアコギののったバラードです。フレットレス・ベースのフレーズが印象的ですね。そして、なによりも曲が最高にいいですよ。哀愁味のあるメロディーもいいし、どことなくニック・ロウ=デイヴ・エドモンズを彷彿させる完璧なハーモニーも見事です。ちょっと短いですが、極めつけの1曲と言えるでしょう。M10では、コーラスのキメ方といい、哀愁のメロディーといい、ブリティッシュ・ポップの影響が感じられます。間奏のシンセ・ソロもトラッドな雰囲気がありますしね。アルバム中のベスト・トラックでしょうし、ポップ・フリークにはイチオシの曲です。

M11は、まるで「ハッピー・トゥゲザー」を彷彿させてくれるイントロで幕を開けます。続いて流れてくるコーラスも、ストリングスもいい感じですね。そして、素敵なメロディーとコーラスのサビといい、ビートルズっぽく盛り上がるラストといい、いい曲ですね。(^^)佳曲です。ラストのM12は、アコースティックなバラードです。ポール風の繊細なメロディーが素晴らしいですし、ハーモニーとコーラス・ワークも見事です。そして、アルバムは静かに幕を降ろすのでした。(^^)....と思いきや、まだ7:20の曲のうちの3:20くらいじゃないですか。(^^;と、気付いた途端に続きが始まりました。....曲じゃなくて、電話インタビューか電話相談窓口ですか?なんか文字通りの「蛇足」ですねぇ。やっぱ、ひねくれてるや、こいつら。(^^;

全体的に見ると、いろんな楽器を計算し尽したかのように導入してくるアレンジには、凄まじいほどのポップ・センスが感じられます。アルバムのはじめのほうと終わりのほうでは、印象がぜんぜん違いますよ。前半のひねくれポップの「毒気」が、めっちゃハマるか嫌いになるか、評価は両極端に別れるバンドだとは思いますけど、ぜひ聴いてみてくださいね。実力は保障しますよ〜。

<ORANGE / EPICYCLE / US / IDIOT SAVEMENT MUSIC / ISAM-1005>


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