第103回 CAR CAUGHT FIRE / THE BEARS

1.LIFE IN A NUTSHELL / 2.UNDER THE VOLCANO / 3.WHEN SHE MOVES / 4.MR. BONAPARTE / 5.WHAT'S THE GOOD OF KNOWING? / 6.DAVE / 7.CAVEMAN / 8.WAITING ROOM / 9.117 VALLEY DRIVE / 10.SAFE IN HELL / 11.SUCCESS / 12.SOONER OR LATER / 13.AS YOU ARE

さて、今日紹介するのは、エイドリアン・ブリュー率いるベアーズのニュー・アルバムです。エイドリアン・ブリューと言えば、「キング・クリムゾンの」と言うよりも、「昔のCMの象の鳴声ギタリストの」と言った方が一般的かも知れません。ま、ここに来られる人たちならば、余計な紹介は無用でしょうけどね。(^^)

エイドリアン・ブリューは、ソロでもコンスタントにアルバムを発表していますが、僕が前回彼のアルバムを買ったのは、94年に出た「ヒア」でした。あのアルバムのオープニングには、超ゴキゲンなポップ・チューンが収められていたのを覚えています。

このベアーズは、彼が85年に昔の仲間と一緒に結成したバンドです。このアルバムはサード・アルバムになるのですが、セカンドが出たのが88年ということで、ずいぶん間隔を空けての再結成アルバムになるそうです。(ちなみに、日本先行発売だそうですよ。)タスキのコピーも「太陽と旋律」((^^;)だったり、ロバート・フィリップが1曲ギターを弾いているのを表に出したり、やはりキング・クリムゾン絡みの売り方をされてるようですけどね。

肝心の音のほうですが、ジャケットを見たらだいたいの雰囲気が見える音ですね。(だって、リッケンバッカーが3本も並んでいるのですよ。それだけで僕は「買い」です。(^^))基本的にはビートルズで、それにいろんな味をつけています。

M1は、ちょっと80年代クリムゾンっぽいギターの刻みに、ブルージーなハーモニカの音が絡んでくるビート・ナンバーです。唄やサビのコーラスを聴いていると、チープ・トリックみたいな感じも受けますね。オープニングにふさわしいきりっとした曲です。

M2の始まり方は、ほとんどポリスですね。「ゼニヤッタ・モンダッタ」かと思ってしまいましたよ。(^^;でも、サビになると、明るくポップなコーラスが心地よいですね。(ちょっと恐ろしい歌詞なのにね。(^^;)ギター・ソロはエイドリアン・ブリューお得意の頭脳が熔けだしそうなフレーズですね。凄く印象に残る曲です。

M3はミッド・テンポの曲ですが、一環して曲を引っ張っているギター・リフが印象的です。M4は、60年代マイナー調のギター・リフと、ポリス調のギター・カッティングが組合わさった曲です。逆回転風に聴かせるギターソロもいい味を出しています。

M5は、特徴的な12弦ギターのアルペジオが延々と流れていくバーズ風の曲です。「やっぱリッケンバッカーを使うなら、このタイプの曲もないといけないよね」って声が聞こえてきそうですけどね。ラストは中期ビートルズ風にサイケにキメてくれてます。(^^)M6は、あまり起伏のないメロディーが淡々と語るように唄われていきます。サビのコーラスも派手さはなく、渋く盛り上げるタイプの曲ですね。ギター・ソロのメロディーが秀悦です。(クレジットを見ると、このソロがロバート・フィリップだそうです。)

M7は、弾けるようなリズムの楽しい曲です。良質のアメリカン・ロックという感じですね。サビのコーラスも楽しくて心地よいです。(ちょっと哲学的な歌詞なのにね。(^^;)ギター・ソロの後で、ベースが曲を引っ張る部分があるのですが、このベースのフレーズが凄くいいんでよね。(^^)

M8は珍しくキーボードで始まる曲です。キーボードもギターもニュー・ウェーヴの香りをぷんぷんさせています。ギターソロの入り方も似てるし、「もっと」ひねくれたカーズって感じかな?M9は、最初のパートはメロディーもはっきりしないしイマイチかな?って感じなんですが、ランニング・ベースを効かせたサビになると、一転、弾けたポップ・チューンになるという曲です。でも、ミドル8のメロディーとコーラスは素晴らしいし、スライド・ギターのソロもカッコ良いし、やっぱりいい曲ですね。ちなみに、歌詞にハードデイズ・ナイトとかチケット・トゥ・ライドとか出てきます。(BJHかい??)

M10はミッド・テンポのゆったりとした曲ですが、リズム・パターンが面白い曲ですね。コーラス・パートもよくできています。M11は、パーカッションの効いたリズミックな曲です。ギターの音色も、バッキングとソロで対比をつけていますね。ミドル8では、突然、ポールが出てきたりしますね。それにしても、ベースがこのリズムで刻んでいると、「ジンゴ〜!」と唄いたくなるのは僕だけでしょうか??どことなく、中期のトーキング・ヘッズの影響も感じる曲ですね。M12はスクイーズ風の構成の曲です。ギターの絡みなど、よく練られているのがわかりますね。

ラストのM13は、とにかくメロディーが素晴らしい曲です。アレンジもよくできていますし、「ポップ」という視点で見ると、アルバム中でも屈指の楽曲だと思いますよ。個人的にはベスト・トラックです。(^^)ラストでちょっとリズムを変えて変拍子になっていくのかな?ってところでフェイド・アウトしているのも憎いところです。

ということで、全13曲、あっという間に終わってしまいました。「完璧」とは言えないまでも、ホントによくできたポップ・アルバムだと思います。(^^)

それにしても、最初に書いたクリムゾン絡みの売り方が恨めしいくらいですね。クリムゾンやフィリップのイメージはどこか深い海の底に沈めるか宮殿の中に閉じこめるかしておいて、素直に「ポップ・アルバム」として聴いて欲しいと思いますね。(^^)

では、また次回に。

< CAR CAUGHT FIRE / THE BEARS / JPN / ポニーキャニオン / PCCY-01509>


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