第98回 the pillbugs / the pillbugs

Disc 1 : 1.Thou Doth warm me (Like The Sun) / 2.I Could Never Be A Bird / 3.Black Sombrero / 4.Undecided / 5.We Are The Orange Sky People / 6.Comburda / 7.Leaving To Be Friends / 8.Pretend You're Not Home / 9.Captain Nemo / 10.Now I'm In The C.I.A. / 11.Might As Well Fly To The Moon / 12.Paper Aeroplanes / 13.Meddle With Me / 14.Pretty Young And Free / 15.Ball Of String / 16.Son Of Shirley / 17.Goodnight To Babylon / 18.I'll Get By / 19.Vladimir's Sister

Disc 2 : 1.Plastic Surgical Holiday / 2.Morning Mr. Brain...To You / 3.She Done Alotta Dope / 4.You'd Better Sit Down / 5.The Kick Around Boy / 6.No, Imogene / 7.Broken Ringing Bells / 8.Hanging Aroung At 5 / 9.The Plot Next To Garcia / 10.Big Bad Momma / 11.Reprise / 12.Illuminating Drink / 13.Fear No Horizons

さて、前回書いた「2枚」のうちのもう1枚がこのバンドです。でも、僕は、このバンドのこともほとんど知りません。(リーダーであろうmark mikelという人は、前々からインディーズでアルバムをリリースしていたようですけどね。)実は、このアルバムは海外のオークション・サイトで買ったものなのです。しかも、メンバーかオフィスかわかりませんが、関係者が直に売っていたようで、各曲の解説がオークションページに載っていました。((^^;)で、僕は、その解説(「ビートルズとサイケデリックに影響を受けているってこと)を見て、即行でゲットしたのです。

まず、ディスク1です。M1は、初期のディープ・パープルみたいな出だしから、初期のピンク・フロイド風のサウンドになり、これまた初期のデヴィッド・ボウイ風のヴォーカルが乗っかってきます。短い曲ですが、この曲だけでも、このバンドがただ者ではないことが伝わってきます。すかさず始まるM2は、個人的には「一押し」の曲です。逆回転ギターの音とチープなオルガン・サウンドが印象的な、極めつけのポップ・チューンです。最高!!(^^)そのまま繋がっているM3は、M2の後半のインスト・パートという感じですね。アレンジ的にも同じリフで繋がっていますし、2曲に分ける必要は感じません。そのままの流れでM4に続きます。ユートピアっぽいザッパという感じの曲ですね。

M5では少し落ち着いた感じになります。コーラス・ワークとストリングス・アレンジが冴えています。M6では、ホワイトアルバムの香りがぷんぷんとしてきます。サヴォイ・トラッフルですね、これは。歌詞はシド・バレット風だそうです。M8は、サージェント・ペッパーズの匂いがぷんぷんします。ファンタスティックな曲ですね。(^^)

M12は、ピアノで紡がれる、繊細で美しいメロディーの曲ですね。コーラス・ワークも素晴らしく、ブリティッシュ・ポップの極致がここにあります。ストリングスの使い方も心地よいです。M2とは違った意味で、究極のポップ・チューンだと思います。パイロットやアラン・パーソンズの好きな人にオススメですね。(^^)M13もM8のようなファンタスティックな曲です。

M14は、マイナーなフォーク・ロック調の曲で、ペダル・スティールの音が印象的です。これもホント、いい曲ですねぇ。途中で曲調を変えたりして、どことなくセイラーみたいな印象も受けます。(^^)M15は、アコギのアルペジオが印象的な美しい曲です。ちょこっとS&Gみたいなメロディーも出てきますが、パイロットなんかが唄うと似合いそうですね、これは。M16も、よくできたポップ・チューンです。ユートピア風でもあり、セイラー風でもあります。(^^)

M17は、バッドフィンガー(と言うよりもアイビーズ)のバラード風のメロディーが心地よいです。美しくてせつない曲ですね。これも泣けてくるくらいのいい曲です。(^^)M2,M12同様、多くの人に聴いてほしい曲ですね。

ということで、ディスク1は、曲間も短くてトータル・アルバム的な構成になっていました。

続いてディスク2です。いきなり弦楽4重奏で始まり、途中でシタールは出てくるし、ドラムの響きがリンゴだし、このM1は、完全にビートルズへのオマージュで創られた曲だと思います。この曲も良くできていますよ。

M2はクイーン風のサウンドですね。メロディーはイマイチですけれど。アコギの刻みが印象的なオールディーズ風の小品を挟んで、M4はパイロット風のギターのカッティングが印象的なポップ・チューンです。ミドル8での、ポール風のメロディーが絶品です。アレンジも練りに練られていますよ。(^^)

M5も、10CCやセイラーの香りのする曲ですね。凝ったアレンジに変幻自在のコーラス・ワークが見事です。M7は、またまた弦楽が印象的な佳曲です。M8はシャッフル風のリズムで、ピカデリーサーカスが演れば似合いそうな曲です。

M11は、ディスク1のM1のリプライズなのですが、こうしてアカペラ風(弦がちょっと入っています)に聴かせてくれると、まるでビートルズの「ビコーズ」のように聴こえてきます。美しい曲ですね。この曲をここに入れることによって、2枚組アルバム全体としてのトータル・アルバム的な雰囲気も感じることができますね。(^^)

M12は、アルバムのクライマックス的な曲で、14分の大作です。件のページの解説には、「ヘッドホンで聴くと、聴き終えた後どうなっても知らないよ」って感じで解説されています。(サイケデリックの極致だって。(^^))途中の展開とか、初期のピンク・フロイドへのオマージュが感じられますね。何度も繰り返して聴くには、ものすごいパワーが必要だけど、凄まじい曲です。

アルバムのラストを飾るM13は、ビートル・ポール風のバラードですね。最後の曲にふさわしいクオリティーを持った曲だと思います。

すべての曲を紹介することはできませんでしたが、アルバム全体で見ると、いろんなタイプの楽曲が万華鏡のようなサウンドと共に詰まっています。もし、アルバム1枚に選りすぐっていたならば、もの凄いクオリティーのアルバムになったとは思いますが、あえて2枚組にしたのは(もしかしたら)ホワイトアルバムへのオマージュなのかもしれませんね。結果的に、(似たような曲想の楽曲も出てくるため、)若干散漫な印象も生じてしまったのかもしれませんが、そんなことは関係なく思えるような密度の高いアルバムだと思います。はっきり言って、大傑作ですよ、これは。

ということで、どこかのお店で見かけたら、ぜひ、聴いてみてほしいアルバムです。ポップ・フリークなら必聴盤であることは間違いないですから。(^^)

<補足>pillbugsのCDは、広島のバック・ステージ・レコードで(イチ押しとして)扱っています。なお、オハイオのレーベルのほうに聞くと、このアルバムの在庫はあと100枚程度で、再プレスの予定はないそうなので、聴きたいひとはお早めにね。(^^)

<補足2002.2>pillbugsのCDは、レーベルのほうでも完売したそうです。バックステージレコードでも、現在の在庫分で最後になります。なお、pillbugsの公式HPはこちらです。また、インターネット・ラジオ・ステーションにも、pillbugs専門チャンネルがあります。ここに行って、「pillbugs」でサーチしてみてくださいね。

< the pillbugs / the pillbugs / USA / omniphonic / OM-2004-2 >

<2003.7.26 補足>このファースト・アルバムですが、とうとう再発されました。曲目は変わらないのですが、レコード会社が変わったためか、ジャケットが変わっています。そして、2枚組のままですが、ケースもスリムになっています。ジャケですが、オリジナルの趣を残しながらもすっきりとまとめましたって感じですね。初期案では、下部の家がなかったので質素で寂しい感じがしましたが、家のおかげでずいぶんとまとまっているように思います。裏ジャケも、オリジナルの写真のアウトテイクを使っていますし、もとの雰囲気は残したかったんだろうなって気はしますけどね。

バックステージレコードでも扱うようですので、問い合わせてみてくださいね。

< the pillbugs / the pillbugs / USA / proverus / PR-00112 >

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