第86回  THE SPIRIT CAGE / MARTIN NEWELL

 1.WAKE UP AND SMELL THE OFFY / 2.YOU SLAY ME / 3.SUGARCANE / 4.MY OLD SCHOOL / 5.NEW EUROPEANES / 6.THE BOYS OF SEPTEMBER / 7.A SMASHING BIRD LIKE BRENDA / 8.THE HIGH CLOUDS OF SUMMER / 9.YOUR WINTER GARDEN / 10.DAYS LIKE THESE / 11.MY FUNERAL / 12.LILY'S LULLABY

さて、今回はマーティン・ニューエルのサード・アルバムです。彼は、昔はマイナーなレーベルからアルバムを発表していたのですが、そのレーベルがつぶれたか何かして、めでたく(?)チェリー・レッドレーベルに移籍することができたようです。(詳しい人、教えて〜。(^^;)

ファーストあたりでは、アンディー・パートリッジのプロデュースで、かなり凝りまくった音づくりをしていた記憶があるのですが、ここでは、かなりストレートにポップな音づくりをしています。アンディー・パートリッジも関与はしているのですが、マスタリングの時に最後の意見を述べただけのようです。これは完全に憶測ですが、マスタリングを終えたテープをアンディーに聴かせたマーティンが「これ、どう思う?」。で、アンディーが「ああ、いいんじゃないの?」ってノリなのかもしれませんね。(^^;

アコギのカッティングとギターのアルペジオの印象的なM1は、ホントにメロディーの美しい曲です。なんか、「あれっ、この人って、こんなにピュアなメロディーの曲を書いていたっけ?」って思いましたよ。ビートルズへのオマージュに溢れた、オープニングにふさわしい楽曲ですね。M2も、M1の流れをそのまま引っ張ってきたサウンド・プロットの曲です。シンプルで甘酸っぱいメロディーの素敵な曲ですね。

M3は少しトラッドな感じのする曲です。間奏なんか、日本で言うロシア風歌謡って趣さえありますよね。(^^;でも、いいメロディーだよね。M4は、サウンドが少しバンドっぽくなりました。ポール風....と言うか、パイロット風のサウンドですよね。メロディーもアレンジも、パイロットの4枚目に入っていそうな感じの仕上がりになっています。地味だけど、好きだなぁ、これ。

M5(タイトルはウルトラヴォックスだけどね)は、アルバム中ではロックっぽい曲です。メロディー的にはあまりぱっとしてはいないけど、渋い曲です。M6は、唱歌風なピアノに乗っかってはじまる曲です。これも地味で渋いけど、聴きこむほど味のある曲です。

M7は、打ち込みのドラムにのって始まる、アップ・テンポのポップ・チューンです。フランジャーの効きまくったギターのサウンドが心地よいですね。でも、サビを中心に広がる甘酸っぱいメロディーは健在です。(^^)彼はそんなこと微塵にも思っていないでしょうけど、ちまたのギター・ポップバンドに対する彼なりの返答なのかな?って感じも受けましたけどね。M7から続いているM8は、笑い声の入った(というか、シンプルなバッキングに笑い声が載っているだけの)曲です。まあ、次へのつなぎなのかな?

M9は、リリカルなピアノにのって、しっとりと唄われるジャジーなバラードです。ジョー・ジャクソンやエルヴィス・コステロみたいな趣がありますね。夜、独りでグラスを傾けながら聴くって感じの曲です。これもホントにいい曲ですよね、うん。

M10は、ずいぶんラフでダルな仕上がりですね。アコギのボトルネックが凄く印象的です。切れ目なく打ち込みのパーカションとチープなオルガンで始まるM11は、変わったメロディーの曲です。歌い方といい、はスクイーズのクリス・ディフォードの曲を彷彿させます。このアルバムの中に入れば、メロディー的には少しきついかな?でも、印象的な曲ではあります。またまた切れ目なくラストのM12が始まります。ぎたー・1本にのっかって唄われる厚いアカペラ・コーラスも、そんなに緻密さが感じられないのは、なんか彼らしくて、微笑ましいですね。そして、そのままアルバムは幕を閉じるのでした。

通して聴いてみると、ホントにシンプルで地味だけど、甘酸っぱいメロディーが耳に残る曲が詰まっていますよね。ポップに凝りまくった曲もいいけれど、こんな風に飾りをそぎ落としたピュアなポップも良いよねと、思い出させてくれたアルバムです。

< THE SPIRIT CAGE / MARTIN NEWELL / UK / CHERRY RED / CDBRED 176>


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