第83回  AND ANOTHER THING... / GRAHAM GOULDMAN

 1.YOU STOLE MY LOVE / 2.WALKING WITH ANGELS / 3.DANCING DAYS / 4.JUST ANOTHER DAY / 5.SOMETIMES / 6.THESE WAS A DAY / 7.HEART FULL OF SOUL / 8.READY TO GO HOME / 9.SINGLE TONIGHT / 10.WALKING AWAY / 11.CAN ANYBODY SEE YOU

今日紹介するのは、グラハム・グールドマンの新譜です。「FOR YOUR LOVE」という、いかにも彼のために用意された(あるいは彼が作った)と思えるレーベルからのリリースです。今回のアルバムでは、半数の曲にアンドリュー・ゴールドが参加しており、他にもリック・フェンの名前も見えます。ライナーもグラハム自身が書いていますね。(^^)

60年代のグループ、モッキンバーズのヒット曲であるM1(当然、グラハムの作品)、ヤードバーズのヒット曲(当然、これもグラハムの作品)のM6、そして新曲で構成されたアルバムは、地味ながらも渋くていい味を出しているのです。

M1の歌詞は少し変えてあるのですが、当時の共作者のバリー・グリーンフィールドにはちゃんと了承を得ているそうですよ。60年代風(当然だけど)の心地よいサウンドです。M2は、グラハム自身も書いているように、ビートルズの影響の強い曲です。テープの逆回転やアコギの刻みとか、中期のビートル・ジョン風の造りですね。でも、サビのあたりとか、しっかりと10CCになるところは思わず「にやり」なのです。

M3は、ウエストコースト風の曲で、コーラス・パートなどはダン・フォーゲルバーグやアンドリュー・ゴールドを彷彿させます。グラハム自身はカントリー調と書いていますが、 ポップで心地よい曲ですよ。M4もアメリカン・サウンドではあるのですが、 素晴らしいメロディーの曲です。

M5は、3連を上手く使ったポップなナンバーです。アンドリュー・ゴールドとの共作で、事実上、ワックスになっていますね。(^^)ほんのちょっぴりビーチ・ボーイズへのオマージュも感じられる曲ですね。M6は、アコギの刻みが心地よい、ウエスト・コースト風のポップ・ナンバーです。クリス・ディフォード(!)が歌詞を書いて、ついでにバック・コーラスにも参加しています。(^^)

M7はグラハムの曲で、ヤードバーズのヒット曲です。クリス・アイザックがファースト・アルバムでこの曲をカバーしていたのですが、グラハムもそのヴァージョンを聴いたことがあるようです。M8は、打ち込み系のリズムが印象的な曲ですね。のっけからのハモリが、バッドフィンガーみたいな感じになっていて、哀愁を誘います。凄くいい曲なのですが、打ち込みのドラムがうるさく感じられてしまいます。(^^;

M9は、落ち着いたピアノとアコギに導かれて、しっとりと唄われる曲です。これもいい曲ですね。イタリアのアーティストのジャンニ・モランディのアルバムには、イタリア語で収められているそうですよ。M10は、ゲーリー・バーローとの共作で、エヴァリー・ブラザーズのような軽快なポップ・チューンです。シングルにもできそうですね、これは。

アルバムの最後のM11は、のっけからのハーモニカが印象的です。アンドリュー・ゴールドとの共作で、これもワックスですよね。(^^)グラハム自身も自信作と言っている通り、メロディー、コーラス、サウンド、すべてに文句なしという曲です。

ということで、グラハムの名人芸が充分に堪能できるアルバムだと思います。最初に聴くと、ちょっと地味かもしれないけど、聴けば聴くほど味の出るアルバムですね。

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