第82回  THE BLESSING ALBUM / セロファン

 1.(RIGHT HERE, RIGHT NOW, LET ME SAY YEAH) CONGLATULATIONS! / 2.WAKE UP! / 3.COFFEE SHOP / 4.UNREST MUSIC FOR MICE / 5.HAPPY BIRTHDAY

今回紹介するのは,日本屈指のポップ・バンドのセロファンです。でも、情けない話ですが、僕はこのバンドのことを全く知らなかったのです。この夏のある日、なじみの中古屋さんに入った僕の耳に飛び込んできたのが、このアルバムの前作にあたるセカンド・アルバムの「WANDERING MAN」だったのです。店内に流れていたとびっきりポップなサウンドに惹かれて、すぐにそのCDを買ったのは言うまでもないでしょう。そのアルバムは、ポップ・アルバムとして計算し尽くされ、遊び心にも溢れたほぼパーフェクトな音づくりがなされていました。アルバムの最初から最後まで、楽曲のテンションの高さに圧倒されたことを覚えています。

本当なら、ここで最初に紹介すべきアルバムはセカンドのほうだったんだろうなとは思います。でも僕は、このアルバムのM2の万華鏡のような音世界に、完全にノック・アウトされてしまったのです。

このアルバムは、5曲入りのミニ・アルバムです。それもあってか、アルバムとしてきっちり計算して創ったというよりは、現在のセロファンの姿を浮き彫りにする曲を集めた作品集というような印象を受けます。もちろん、それぞれの楽曲に施されている緻密なアレンジは計算し尽くされたものであることに変わりはありませんし、楽曲は相変わらずのテンションの高さを誇っていますけどね。(^^)(すべての曲でこれでもかと言わんがばかりに使われているSEなんて、凄すぎて形容に困るほどですよ。)

M1は、一番イマ風のサウンドの曲でしょうか。キーボードのリフの切れ目の瞬間的な空白が凄く効果的ですよね。メロディー自体は、わりとオーソドックスな感じです。

で、M2です。凄い勢いで始まった曲は、ギターのリフに導かれるようにして進んでいきます。2ndメロのあたりから定位も自由に飛び回るキーボードの音が、曲を盛り立てていきます。そしてサビでの、明るくてあくまでもポップに弾けるメロディーは、完璧なギターとベースのコンビネーションで支えられています。それをかき分けるように飛び込んでくるギター.....。それにしても、アレンジのすべてがこんなに完璧に絡み合うサウンドなんて、凄すぎるよね。(^^;正直言って、トッド・ラングレン(というか、ユートピア)を最初に聴いた時のような衝撃を受けましたよ、僕は。

2曲目から切れ目なく続くのは、アコースティックなボサノバ風のM3です。ここでも、アレンジの妙に舌を巻いてしまいます。間奏のドラムにかかる過度のエコーもSEがからむと最高の効果をあげています。

そして4曲目。あくまでノイジーなサウンド。安らぎとは全く正反対のベクトルを持つ楽曲にアレンジ。この流れにトッド・ラングレンの魂を感じるのは、僕だけでしょうか?そう思うと、後半で出てくるコーラスは、どこまでもユートピア風に聴こえます。(でも、ラストを延々とひっぱっていくあたりは、フーあたりを意識しているのかな?)

前の曲の最後のSEをひっぱったままでラスト・ナンバーのM5が始まります。アコギのアルペジオでオーソドックスに始まりそうでいて突然逆回転が絡んでくるあたりなど、ゾクゾクしてきますね。(^^;メロディーはほんの少しぎこちなさを残していますが、それはこのアレンジに「はまった」時の効果を考えてのものなのでしょう。延々と曲をひっぱっていくベース・ラインも見事です。

ということで、最初から最後まで、とびっきりの音世界を味わせてくれるアルバムですね。「とにかく聴いてみてくださいね。」としか言いようがありません。ポップが好きな人ほどハマるアルバムだと思います。(で、次はセカンドを聴いてね。(^^;)

< THE BLESSING ALBUM / セロファン /JPN / ポリドール / UPCH-1008 >


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