第65回 STRANGER TO STRANGER / INDUSTRY

 SIDE A : 1.STILL OF THE NIGHT / 2.UNTIL WE TOGETHER / 3.ROMANTIC DREAMS / 4.WHAT HAVE I GOT TO LOSE / 5.STATE OF THE NATION

SIDE B : 1.SHNGRI-LA / 2.COMUNICATION / 3.ALL I NEED IS YOU / 4.STRANGER IN A STRANGE WORLD / 5.LIVING ALONE TOO LONG

さて、このところずいぶん筆が遠くなってしまい、申し訳なく思っております。(^^;

今回紹介するインダストリーは、84年にデビューした、アメリカのポップ・バンドです。デビューシングルが全米80位に入る「チョイ売れ」だったそうですが、それ以外はアメリカでも日本でも鳴かず飛ばずのバンドでした。もともとはこのアルバム中の5曲から成るミニ・アルバムでアルバム・デビューもしたのですが、このフル・アルバムは、なかなか聴き応えのある作品になっています。(と言っても、難しいところは全くない、ポップなアルバムなんですけどね。)

もともとはキーボード&リード・ヴォーカルのジョン・カリン(当時、若干19歳)とドラムのマーキュリー・キャロニアを中心に結成されたのですが、この二人が大のブリティッシュ・ロックフリークなんです。マーキュリーが前に参加していたバンドではピンク・フロイドやジェネシス風のプログレを演っていたそうですし、ジョンもデヴィッド・ボウイやビル・ネルソンのファンだと言います。

彼らのサウンドは、ジョンのキーボードを前面にフィーチャーしたサウンドで、エレ・ポップ風の音とポップ・ロック風の音がブレンドされています。まあ、デュラン・デュランやカルチャー・クラブなどのブリティッシュ勢のサウンドがアメリカに吹き抜けた直後にデビューしているわけですから、そういう影響も大きいと思います。

で、このファースト・フル・アルバムですが、楽曲的には文句のつけようのない、佳曲揃いのアルバムになっています。(表だってメロディーを聴かせるというバンドではないのですけどね。)

A1は、いかにもオープニングにふさわしいマイナー調のパワー・ポップ・チューンです。イントロからして、ジョンのキーボード・リフが縦横無尽に飛び回っています。アレンジも結構凝っていますよ。A2もまたまたとびっきりのマイナー・パワー・ポップ・チューンです。僕のお気に入りの曲で、一時、この曲ばかりを聴いていました。(^^)A3は、アルバム中で、一番オーソドックスなポップ・チューンでしょうね。A4は、キーボードの効いたバラード・ナンバーです。A5は先述のデビュー・シングルで、いかにも80年代初期の売れセンのエレ・ポップ・サウンドですね。

B1はミッド・テンポの曲で、ジョンのキーボードが幻想的なムードを醸し出しています。B2は、アルバム中で一番エレ・ポップ風な曲ですが、音づくりにはデヴィッド・ボウイやセイラーあたりの影響が見えます。B3もまたまたニュー・ロマンティック風の曲です。B4は、メロディーの美しいミッドテンポの曲で、転調の仕方やアレンジに、80年代ブリティッシュ色を強く感じます。B5はお約束のバラード・ナンバーですが、仰々しくならずにさらっと聴かせるのがいいですね。どことなくスパンダー・バレエっぽい曲です。

ということで、決して売れなかったものの、良質のポップ・アルバムには違いありません。ただ、80年代のエレポップやニュー・ロマンティックが嫌いな人には、ちょっと辛いかもしれませんけどね。まあ、レコード屋でも300円コーナーにしかないと思われるので、見かけたら、試しにどうぞ。(^^)

 < STRANGER TO STRANGER / INDUSTRY / JPN / TOSHIBA / ECS-81659 >


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