第64回 KEATS / KEATS

 1.HEAVEN KNOWS / 2.TRAGEDY / 3.FIGHT TO WIN / 4.WALKING ON ICE / 5.HOW CAN YOU WALK AWAY / 6.AVALANCE / 7.TURN YOUR HEART AROUND / 8.HOLLYWOOD HEART / 9.ASK NO QUESTIONS / 10.NIGHT FULL OF VOICES

今回は、キーツの唯一のアルバムの紹介です。ストレンジ・デイズにも載っていたバンドですが、キーツのメンバーはちょっと凄いのです。解説にはAPP(アラン・パーソンズ・プロジェクト)MEETS キャメルみたいな書き方をしてあるのですが、キーボードにピーター・バーデンス(元キャメル)、ギターにイアン・ベアーンソン(元パイロット)、ベースとヴォーカルにデヴィッド・ペイトン(元パイロット)、ドラムにスチュアート・エリオット(元コックニー・レベル)、リード・ヴォーカルにコリン・ブランストーン(元ゾンビーズ)というそうそうたるメンバーです。ピーターとコリン以外のメンバーは、当時のAPPに参加していた人たちになりますし、プロデュースもアラン・パーソンズということになります。で、このアルバムは、APPの「アンモニア・アベニュー」の直後に録音されたとのことですよ。日本では94年にCDになっています。

僕は最初にレコードを手に入れたのですが、期待いっぱいで針をおろして、流れてくるサウンドに驚かされました。ほとんどフォリナーと言うか、ちょっぴりエイジアと言うか、完全に産業ロック路線の音だったのです。メンバーの顔ぶれからは信じられない曲想です。

完全な産業ロックのM1〜M3(でも、M3のメロディーはなかなかのものですけどね)の後で、デヴィッドがリード・ヴォーカルをとるM4は、とても素敵なナンバーになっています。ミッド・テンポで唄われるドリーミーなこの曲には、パイロットのあの甘酸っぱいメロディーが、確実に息づいています。デヴィッドの書いたこの曲を聴くと、もっと彼のヴォーカルを聴きたかったと、つい思ってしまうのです。

M5もデヴィッドの作品ですが、コリンの唄うこっちのほうは産業ロックになってますね。(^^; 続く(と言っても、アナログではB面の1曲目になりますが)M6は、ピーター作のゆったりとした曲で、キーボード・アレンジが見事です。どちらかというとAOR風の曲ですけどね。

完全にエイジア風のサウンドのM7を挟んで、イアンのM8が始まります。さすがにギターを中心に創られたということがよくわかるアレンジですね。これもAOR風の曲です。同じくイアン作のM9は、キーボード中心のアレンジで、やはりAOR風の曲です。

アルバムの最後のM10は、完全にフォリナーのサウンドですね。レインボーも「ストーン・コールド」で用いたミッド・テンポのどっしりした曲ですよ。

ということで、ほとんど産業ロック&AORで占められたアルバムなんですが、セールス的にはさっぱり売れなかったそうです。(やっぱり、二番煎じみたいな音だったということなんでしょうね。)でも、その中で、M4の持つ甘酸っぱいサウンドは、このアルバムを時代の狭間に埋もれさせるのにはもったいない存在にしているのです。

デヴィッド、またポップ路線でアルバムを創ってくれないかな?イアン・ゴムみたいに自主制作という形でもいいからさぁ。(^^; 

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