第48回 PLAY ON / SCOTT McCARL

1.GO DOWN SWINGIN' / 2.I'LL BE ON MY WAY / 3.RUN FOR THE SUN / 4.WAIT A MINUTE GIRL / 5.FALLIN' IN LOVVIN' / 6.IN LOVE WITHOUT A GIRL / 7.SURRENDER / 8.YES IT IS / 9.NOBODY KNOWS / 10.SAME OL' HEARTACHE / 11.I THINK ABOUT YOU / 12.DON'T WANNA GO / 13.THANKS FOR THE RIDE / 14.I HOPE / 15.DON'T MAKE ME SAD / 16.I WANNA BE FREE / 17.SOMEWHERE

 今日は、スコット・マッカールのソロアルバムです。97年に出ているのですが、僕は最近まで全然知りませんでした。最後の7曲は、ボーナス・トラックになっていて、いろんな時代の録音を聴かせてくれます。

 そうそう、スコット・マッカールと言ってもわからない人もいるかもしれませんね。ラズベリーズのラスト・アルバムでのメンバーだった、左利きのベーシスト(!)の彼ですよ。(^^)96年に出たラズベリーズのトリビュートアルバムでも、「NOBODY KNOWS」をゴキゲンな演奏で聴かせてくれていました。そう言えば、このアルバムのタイトルの「PLAY ON」も、ラズベリーズの4枚目に入っていた曲のタイトルと同じです。

 1曲目は、アコギの刻みの心地よいロックン・ロールナンバーですね。こんな曲を聴くと、どうしてもラズベリーズを思い出すのは、きっと僕だけじゃないでしょう。2曲目は、ビートルズとは無関係の曲ですが、サウンドはビートルズの影響をモロに受けた、とびっきりのポップ・チューンです。12弦の響きがいいですよね。甘酸っぱいメロディーといい、やっぱりラズベリーズの曲を思い起こさせます。僕のお気に入りの1曲です。3曲目は、コーラスの印象的な曲です。最初のあたりアメリカっぽい雰囲気もありますが、ドラムが入ってくるあたりからストレートにポップな雰囲気がにじみ出してきます。

 で、問題の4曲目です。12弦のアルペジオとホーンが印象的な、ミッド・テンポの美しいメロディーの曲です。ラズベリーズと言うよりはバッドフィンガーに近い感じの曲ですね。で、最高にキュートなギター・ソロを挟んで、ラストのフェイド・アウトまで、カウンター・メロディーで、ビートルズの曲たちがどんどん飛び出してきます。聴いていて、思わずにやっとしてしまう曲ですよ。

 5曲目も12弦が印象的な、ラズベリーズの匂いプンプンのナンバーです。コーラスが入るとイーグルスに行きそうで、ギリギリのところで踏みとどまっていますよね。(^^)

 6曲目はルビナーズのメンバーが参加している、パワー・ポップ・ナンバーです。スコット自身は、「ナックの雰囲気に」とか言ってますが、そんなことは関係なく、最高のポップ・チューンに仕上がっています。アルバムの中でもベスト・トラックじゃないかな。余談ですが、イントロのギターの入り方で、僕はナックというよりもカーズを感じましたけどね。(^^)

 7曲目は、スコット本人も言っているように、Aメロとか、アレンジとかはバッドフィンガーっぽい曲です。でも、サビのメロディーとコーラスは、完全にアメリカン産業ロックですけどね。間奏のギターもバッドフィンガーですね。(^^)8曲目はビートルズのカバーです。ビートルズがオルガン中心にまとめている曲を、ギターのアルペジオ中心にまとめています。ビートルズにも劣らないほどのコーラス・ワークが見事です。

 9曲目は、ラズベリーズのカバーです。スコットが入る前の時代の曲で、エリック(・カルメン)とデイヴ(・スモーリー)の共作です。先述のラズベリーズトリビュートにも入っていたんですが、ゴキゲンなカバー・ヴァージョンです。これって最高だと思わないかい?

 ラスト・ナンバーはバッキングのギターやストリングスが印象的な、ミッド・テンポのバラード・ナンバーです。せつないメロディーを歌い上げるミドル8と、その後のギターソロのコンビネーションが素晴らしい曲です。でも、あまり感動的にはしないで、あっさり終わるような曲想は正解だと思います。

 さて、ここからはボーナス・トラックです。11曲目は81年の録音で、軽めのラズベリー・ポップ・チューンですね。ビートルズの「TWO OF US」にインスパイアされたそうですが、そんな感じはあまりしません。サビのメロディーがちょっと弱いかもしれないけど、素敵な曲です。12曲目は、ちょっとオールディーズ風味もはいったポップなロックン・ロールですね。コーラスとかは粗いのですが、逆にそこがいい雰囲気を出していますね。

 13曲目は76年の録音ですか。アコギのスリー・フィンガーにのっかって、シンプルに唄われます。スキャットの入れ方とかは、まるでポール・マッカートニーのファーストですね。(^^)14曲目は73年の録音ですね。ラズベリーズに入る直前の頃の録音だと思いますが、ラズベリーズ+ビートルズって感じの曲ですよね。音の定位とか聴くと、4トラックでポンピングしながら録ったデモになるのかな?

 15曲目は、ギター弾き語りによるデモ・テープです。エリック(・カルメン)のお気に入りだそうで、この曲を送ったことが、スコットがラズベリーズに加入するきっかけになったようです。

 16曲目は、スコットが在籍していたバンドのイエロー・ヘアのテイクで、70年の録音だとのことです。モンキーズのカバーになります。ラストは69年のイエロー・ヘアーの曲で、スコットが初めてスタジオでレコーディングした曲でもあり、スコットが初めて書いた曲の中のひとつでもあるそうです。当時の流行だったソフト・ロックっぽい曲ですね。

 ということで、ボーナス・トラックは古めの録音も多く、興味深くはあるものの、それまでのアルバムの流れとは切り離して聴くべきものでしょう。でも、本当にスコットの良さが出ているアルバムです。ジャケットに入っている「POWER POP」の文字に恥じないアルバムだと思いますよ。まあ、彼の名前の下に「元ラズベリーズ」と書いてある部分に、ちょっとした悲哀も感じられますけどね。

 ということで、ラズベリーズやパワー・ポップのファンの人は、ぜひ、探してみてくださいね。

< PLAY ON/ SCOTT McCARL / US / TITAN / TITAN CD 1426 >


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