第43回  AT MY AGE

 このコーナーも手つかずになって久しいのですが、超久々の更新は、ニック先生のニュー・アルバムのことです。前作「コンヴィンサー」が2001年のことですから、もう6年ぶりになるんですね。僕はこのアルバムのリリースのニュースを聞いてから、まめにHPをチェックし、予約が始まると特典目当てで日米3店に注文して、待ちこがれて届いたアルバムは、いかにもニック先生らしい渋いイラスト・ジャケットに包まれていました。(^^)

すぐにアルバムを聴いて、ニック先生が変わっていないことに安心し、当然のごとくそれからしばらくの間は車の中でヘヴィー・ローテーションとなりました。流れてくるカントリー風味の落ち着いたサウンドは、ポップさも失わず心地よく、もう10年以上変わらないニック先生の世界と呼べるべきものでしょう。バンドの面々も気心知れた仲間ですし、プレイにも余裕が感じられますね。

M1はスローな曲ですが、このところのニック先生の得意なパターンですね。ちょっぴりジャジーに美しいメロディーを聴かせてくれます。M2は少しテンポアップして、軽いビートのカントリー・ロック・ナンバーですね。これも凄くいい曲です。

ミッド・テンポのM3は、ドラムのビートにのせてアコギを刻み、徐々に盛り上がっていくという、なかなかカッコいい曲ですね。ちょっとだけテンポアップしたら「ローズ・オブ・イングランド」に入っていても違和感がなさそうな曲ですし、曲の隅々から今も変わらぬロック・スピリットを感じます。続くM4にも、M3と同じようなフィーリングを感じますね。ギターのリフもメロディーも最近のニック先生としてはロックっぽいと思います。コーラス部のメロディーとコーラスワークには、きっとみんなにんまりすることでしょう。

M5も、ゆったりとしたナンバーですね。メロディーもコーラスも心地よいですし、ソフト・ロック風味のブラスもいい感じです。そしてM6です。イントロのギターのカッティングで決まりですね。ニック先生のベース・ラインもリズミックに弾け、本当にキャッチーなポップなナンバーですね。こんなに元気なニック先生は、しばらく聴いた覚えがありません。ゲストでクリッシー・ハインドが参加しているのですが、ニック先生も(いいところを見せたいのか(笑))大張り切りです。

M7はカントリー・フレーバーたっぷりの曲です....と思ったら、カバー曲なんですね。ニック先生もそうなんですが、バンドのみんなも楽しそうですよ。M8は控えめのブラスも効いていて、ジャズっぽい感じもするバラードですね。でも、メロディーが本当に素晴らしいです。まるで名曲「I Need You」あたりを彷彿させてくれる部分があると言えば、言い過ぎかな?

M9もバラード・ナンバーです。この曲でもブラスが効いていますし、メロディーも素晴らしいです。こっちは「Raining Rainig」あたりを思い出させてくれるかな?これまた本当にいい曲です。M10は、少しアップテンポのナンバーですね。カバー曲だそうですが、なかなかカッコいいですよ。60年代の味がすると思ったら、もともとは65年のヒット曲だそうです。納得。(笑)

M11は...来ましたね、Midnight Jazz(笑)。ジャジーなバラード・ナンバーです。なかなか渋い佳曲だと思います。で、ラストのM12です。ウキウキするようなメロディーのナンバーですが、ジャジーでポップで、本当にいいできですね。カバー曲だというのが残念に思えるくらい、ニック先生に似合っている曲ですね。アルバムは、こうしてさわやかに終わっていきます。

聞き終えてみると、確かにこの10年くらいのニック先生のサウンドなんですが、このアルバムには近年のアルバムには感じられなかった「華」があると思います。僕には、「インポッシブル・バード」の頃からのニック先生のアルバムは「渋い」という言葉でくくることができるような印象がありました。でも、このアルバムには「渋さ」の中に「華やかさ(ポップ度と言ったほうがいいかもしれませんが)」を感じるのです。
そういう意味で、僕にとっては久々の快作だなっていう1枚となりました。特に「最近のニック先生の作品は渋すぎて...」と思っていた人にこそ聞いてもらいたい1枚だと思います。

では、また次回に。

< At My Age / Nick Lowe / JPN / Sound Circus / SCCD-23 >