第32回 ニック先生のそっくりさん 

 「そっくりさん」と言っても、顔ではなくて音楽の話です。先日、THIS IS POP!のほうに紹介したウォルター・クレベンジャーが、今回の話題です。アルバム紹介で書いたのは、バンド名義のファーストで、ビートルズの影響を受けたサウンドの曲の中にニック先生の雰囲気の曲とが散りばめられた構成でした。

で、ここに紹介するファースト(たぶん)は、彼のソロ・アルバムで、ニック先生の影響をいたるところに打ち出しているアルバムだったのです。曲目は、下記の通りです。

1.ANGELS / 2.X-RAY EYES / 3.DOWN TO THE RIVER / 4.YESTERDAY'S NEWS NOW / 5.LOVE YOU LIKE A KING / 6.MY LITTLE GIRL / 7.NOTHING AT ALL / 8.LOSE MY MIND / 9.YESTERDAY COME BACK / 10.LOVE (A MISUNDERSTOOD THINGS) / 11.CRIES OF DESPERATION / 12.I DON'T LIKE YOUR FACE

ウォルターは、「オレンジ・カウンティ」のニック・ロウの異名を持っています。ライヴでは、まるでロックパイルみたいなステージを展開していたそうですが、このアルバムに収められている楽曲を聴けば、それもよくわかります。ブリンズリーからロックパイルくらいの時代のニック先生のサウンドを彷彿させる楽曲が詰まっているのです。

オープニングの軽快なポップ・チューンのM1を聴いてみてください。何の情報もなしにラジオから流れてきたなら、(ニック・ロウを聴いたことのある人なら)10人中8人はニック・ロウの曲だと思うことでしょう。

M2はニック・ロウのファースト・アルバムのようなロック・ナンバーで、M3は3拍子のアメリカン・フレーバー溢れる曲で、ブリンズリーのファーストかセカンドに入っていても違和感のない曲です。M4やM5はロックパイル風のロックンロール、M6とM7ではちょっぴりビートルズが出てきますが、M8ではニック先生の中期のバラード調の曲になり、M9ではまた軽快なポップ・チューンに戻ります。

M10では、2番の唄のハモりを筆頭に、どこから聴いてもロックパイルというサウンドですし、M11は、ニック・ロウの好きそうなアコースティック・バラードです。ラストのM12は、カントリー調のニック・ロウという感じですね。  そんなわけで、ニック・ロウ・フリークにはたまらないアルバムじゃないでしょうか。

最も、こうして僕が騒ぐ((^^;)のも、考えてみればニック先生の新作が出ていないというのが最大の要因のように思えます。前のアルバムからもずいぶん経ちますし、今年こそはニック先生のニュー・アルバムと、ついでに来日公演の予感がしてきませんか?(人はそれを「予感」ではなくて「希望」だと言うのですけどね・・・・。) 

< THE MAN WITH THE X-RAY EYES / WALTER CLEVENGER / US / PERMANENT PRESS / PPCD-52704 >