第51回 カイル・ヴィンセント来日同行記その4

とうとうカイルのライヴイベントも最終日となりました。

その日の朝のカイルは、明石海峡の美しい風景を眺めながら遅めの朝食をとりました。(朝食バイキングでは、皿を招き猫にする余裕も見せてくれましたよ。)この日は午後のライヴですので、ゆっくり支度を調えると、昼前には会場のある塩屋に向かいます。

途中、舞子の駅のケーキ屋さんでケーキを買いながらお店の人をつかまえて「やあ、ツトム、僕の奥さん候補だよ」なんて言ってましたけどね。カイルの言い分では、女性に会ったときに「奥さんにしたいくらいだ」と言ってほめるのはアメリカの慣習なんだそうです。ホントかな?(笑)

塩屋の駅について、一番困ったのは、ホームにエレベーターもエスカレーターもなかったことです。ギターはともかくとして、CDのいっぱい詰まったサムソナイトを抱えて、階段を下りるのは大変でしたね。(笑)

ようやくたどり着いた(笑)会場の旧グッゲンハイム邸は、明治大正の香りのする、本当に趣のある建物でした。午後2時からのライヴということで、あまり時間がありませんので、早速サウンドチェックに入ります。会場の方から前もって聞いてはいたのですが、天然のエコーが見事にかかる部屋で、普通に音を出しただけでも潤って聞こえます。でも、リバーブの大好きなカイルは、さらにリバーブをかけてもらってご満悦でした。(^^)

まだ明るいうちのショーですので、カイル自身も「なんか変な気分だ」と言っていましたが、好転にも恵まれて、暖かい光に包まれてのライヴとなりました。この日は、2006年のカイル招聘時に中心となって動いてくださった方々がたくさん来場されましたので、カイルも大喜びで、セットリストも最長でした。

オープニングからの流れは、いつも通りに「Going Down (Japanese Intro)」「Where You Are」と続きます。この会場では、ピアノもグランドピアノですし、エコーが効いているし、生のサウンドとしては申し分ないですね。お昼なので照明がないので、逆光のステージは独特の雰囲気でした。(でも、人間の目ならいいんですけど、カメラに綺麗に収めるには苦労しましたね。)

「Emily Standing」です。この曲のようにメロディーの美しい曲では、ピアノの美しい響きは、本当に効果的ですね。

カイルがギターに持ち替えて「Wake Me Up」です。間奏のヴォイス・ソロでは、直前にカイルが「ネコ・ソロ!」と言って『ミャウミャウ』音でソロを歌うように進化していました。(笑)
曲が終わったとき、カイルが写真用のポーズをつけたのですが、Hさんがなかなか撮れなかったので、カイルは何度もポーズをとっていましたけどね。(笑)

続いて「A Night Like This」です。2回目になるので、倉敷よりはギターもスムーズでしたね。次の「Sierra」には一節ほどカイルのアカペラの部分があるのですが、ナチュラル・エコーの響きは素晴らしかったですね。

カイルがピアノに戻って「It's Gonna Be A Great Day」です。歌い終わると、カイルはデジカメを持って椅子にあがり、ステージ側から客席を写します。きっと旧友の集った写真を撮りたかったんでしょうね、ヤツは。(^^)

そして、2006年の中心メンバーだったYさんへのプレゼント選曲の「Coffee House Dues」、リリカルに「The World Is Upside Down」、広島でのスペシャル・リクエスト曲だった「Until Love Comes Again」と続けます。お客さんも、カイルの歌声に聞き惚れているようでしたね。

さて、ようやく僕の出番です。いつも通り「Arianne」ですが、カイルは半音高いコードを流しました。僕が「キーはF?」と訊いたら、すかさず「キミをびっくりさせてミスさせようと思って」なんて言ってきましたね(笑)。この日の「Arianne」は、一番まとまって演奏できたと思います。僕のソロもずいぶん崩したアドリブ弾いたしね。(笑)

で、次は倉敷限定だったはずの「Jennifer」です。倉敷の演奏を気に入ったカイルが、急遽セットリストに入れた曲です。倉敷よりもリラックスしていたので、僕のギターのリフのタイミングも若干変えていたんですけどね。会場のエコーのおかげで、この曲のハモりはいい感じでしたね。でもね、間奏の時、いきなりカイルが僕の真ん前に来て手を振って応援のまねをするんですよ。思わず、ソロの最後で少しトチってしまいました。(やられちゃったよぉ...(爆))
ちなみに、最終日まで来ても未だに終わり方を相談していなかった((^^;)ので、ラストの部分はカイルの歌を聞きながら(というか、お互いが相手に合わせながら)の演奏でした。ですから、倉敷とはコード進行もカイルの歌も違っていたんですよ。

続いて「You Made Me Believe In Magic」です。カイルが歌に入ってこなかったので、イントロは4小節サービスしてます(笑)。エンディングでは、つい、広島&倉敷とは違ったパターンで弾いちゃいました(笑)。でも、すかさずアドリブで歌っちゃうカイルもカイルですけどね.....楽しかったです、はい。(^^)

このコーナーのラストは「Sakura Lullaby(夢見草の詩)」です。僕の歌は、ようやく「普通」になりましたけどね。でも、自分では納得できてないので、次回があればリベンジしたいところです。最も、カイルの歌のほうは最高でしたよ。日本語も一番自然だったんじゃないかな?

やっとのことでカラオケ・カイルです。1曲目は「First Thing On My Mind」。2006年の時のリーダーだったマークさんが大好きな曲で、2006年には機材の関係で歌えなかった曰く付きの曲です。カイルはマークさんのほうを気にしながらも、同じく2006年の中心メンバーだったB姫の真ん前で、彼女の瞳を見つめながら歌います。大サービスですねぇ。(笑)

2曲目の「Satellite」は、じっくりしっとり歌われました。(^^)

カイルがピアノに戻ったのですが、ここで昨年の「スミマセン」を鼻歌で歌って踊ります。すかさず僕が解説を入れましたが、説明しないとみんなわかんないよぉ、カイル。(笑)

気を取り直して、名曲「Remember Me」と「You Will Dance Again」の連発です。おちゃらけた後だけに、美しいメロディーと素晴らしい歌詞が、より際だって聴こえますね。

再び僕の登場です。まずはカイルの(80年代ヘアで)『コンニチワ!ブドーカン!』のかけ声とともに「Whatever Happend To Fun」です。2ギター・ヴァージョンを初めて聴いた仲間たちもいたのだけど、どう聞こえたかなあ?まあ、間奏もキマって、僕としては大満足の演奏でした。(笑)

ラストは「Petals Of Peace」です。この曲の前で2本のギターの音が合わなくて、お互いに顔を見合わせます。どっち??.....結局、ピアノで音をとりました。結果は....僕のギターの方が合ってましたけど、考えてみるとギターは2本とも広島から持参しましたし、最初のチューニングも僕がしてるし....まあ、いいじゃん。(笑)
曲の方ですが、会場の素晴らしい響きのおかげで、しっとりとしたハーモニーになったと思います。広島でのテイクも良かったけど、今回のテイクも良かったですよ。

アンコールは、カラオケカイルで「Marry Xmas Darling」です。日本でのラスト・ナンバーを、会場の皆さんは、どのような思いで聴いてくださったでしょうか。

終演後は。おなじみのサイン会&写真撮影会です。でも、そこは最終日。会場に来てくださったみなさんと一緒に、カイルが買ってきたワインで乾杯となりました。それを聞いた時にはびっくりしましたが、すかさず多数のワイングラスを出してくださった旧グッゲンハイム邸のスタッフの方々もグッジョブでした。(^^)

すべてが終わった後、2006年の招聘時の中心となった仲間たちと一緒にホテルに戻ります。まあ、夕食会&慰労会ですね。最上階のレストランで、明石大橋の綺麗なイルミネーションを見ながら食事をし、談笑します。気の置けない仲間たちとのひとときを、カイルも楽しんでくれたと思いますよ。もちろん、カイルには懸賞CDの当選者の抽選をしてもらいましたけどね。

楽しい時間はすぐに過ぎ、僕が最終の新幹線で広島に帰る時間になりました。手荷物は、ギター2本と、サムソナイトと、リュックサックとコンピューターとカメラバッグと...よくもまあこんなにと思うほどの大荷物でした。心の中に残る寂しさよりは、はるかに軽かったですけれど。

カイルは1階まで下りてきてくれて、「みんなと最後までいて、もう一泊しよう」と泣かせてくれます。そんなカイルに「仲間たちが待ってるから、上に戻って」と言って、僕はシャトルバスに乗り込みました。

乗り継ぎの関係で、広島までの帰路はずいぶんと時間がかかったけど、その間、僕はずっとカイルと一緒に動いた5日間のことを考えていました。寂しさと充実感を噛みしめながら....。

最後になりますが、今回の来日に関わってくださったみなさん、ライヴに来てくださったみなさん、本当にありがとうございました。.....また次の時もよろしくお願いしま〜す。(笑)


では、また次回に。


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