第213回  蘇る紋章

  さて、今回は今年の2月にリリースされた、新メンバーでも最初のスタジオアルバムです。本当に久しぶりに国内盤も出ました。(^^)新メンバーでのオリジナルアルバムだから、マークも自由に弾いてるんだろうなと期待いっぱいです。なお、輸入盤ではアナログ盤だけに収められていたボーナストラックが、国内盤には収録されていますよ。クレジットを見ると、マークも多くの曲でサウンドづくりに関わっています。

1. ウィー・スタンド・アズ・ワン
ファーストシングルみたいな感じで、早くからyoutubeにもアップされていた曲です。世界で起こっていた様々な(悲痛な)ことをテーマに歌っています。(まだコロナが出る前だから、それには触れていませんけどね。)力強いサウンドですが、もう少し歌に華があれば良かったのにと思います。

2. 蘇る紋章
タイトルチューンですね。ミッドテンポでしっかりと作られたギターリフで始まります。ハーモニーツインもいい感じですね。真ん中の部分で曲想が少し変わって心地よいソロとハーモニーツインが聞かれます。

3. エンプティ・マン
イントロのアコギのアルペジオが印象的な、いかにもブリティッシュな曲ですね。いかにもローリーが弾きそうなギター・リフも、ハーモニーツインもいい感じです。

4. フロレアナ
今度はエレキのアルペジオに導かれるゆったりとしたバラードです。どことなく牧歌的なメロディーがゆったりと歌われていきます。哀愁もあって、アルバムのハイライトチューンのひとつだと思います。個人的には一番のお気に入りです。

5. ドライヴ
で、アルバムのベストトラックを選ぶとしたらこれかな。ポップな曲想に伸びやかなギターが絡んできます。楽曲的にも良くできていますよ。ただ、一言言いたいのは、「間奏でキング・ウィル・カムをやらないでね」ってことです。(笑)

6. イッツ・オンリー・ユー・アイ・シー
再びゆったりとしたバラードです。メロディー的にはM4ほどのものはないと思いますが、アッシュらしいバラードです。哀愁のハーモニー・ツインが聴けますよ。

7. トゥー・クール・フォー・AC
ミッドテンポのロックンロールで、どことなくバッドカンパニーみたいですね。(笑)ギターの音はローリーを彷彿させてくれますね。

8. バック・イン・ザ・デイ
アッシュらしい軽快なロックンロールです。M1に続いてyoutubeでプッシュされ、バンドとしてもセカンドシングル的な扱いをしています。ギターの作り方がローリーっぽいです。

9. デジャヴ
いかにもアッシュらしいブりティッシュな美しいバラードです。ソレルみたいなハーモニーツインにテッドみたいな美しいギターソロが印象的です。この曲もハイライトのひとつですね。

10. ホエン・ザ・ラヴ・イズ・シェアード
70年代のアッシュ風のリフがかっこいいロックンロールです。ただ、楽曲的にはもうひとつの印象がありますね。

11. パーソナル・ハロウィン
ラストナンバーは、またまたアッシュらしいミッドテンポのロックンロールです。少しジャジーな味付けもありますね。中盤以降でのブラスも印象的です。

12. ラティテュード (ボーナス・トラック)
ボーナストラックは、短いけどアッシュのお得意なアコースティックなインストナンバーです。アルバムに余韻をもたらしてくれてるように思えますし、最初から収録しても良かったんじゃないかな?


なんとなく、楽曲的には昔のアッシュのイメージがしますね。「70年代後半のアッシュのアウトテイクだ」と言われたら納得しそうです。(笑)
全体的には、65点〜75点の曲が並んだ感じで、「悪くはない」という印象ですね。インストパート(特にハーモニーツイン)はよくできていますしね。1曲でもキラー・チューンがあればまた印象も一段と良くなったのでしょうけれども。惜しいなぁ。
でも、さっき書いたように、サウンド的には昔からのファンならさらに楽しめる音だと思います。マークも昔からのアッシュ・ファンだというので、余計に70年代的な音になったのかな?


では、また次回に。