第204回 BLUE HORIZON

 さて、今回はアッシュの新作、BLUE HORISONの話です。当初は3月初めのリリースの予定だったんですが、何故かリリースが遅れて、4月のリリースとなったようです。

最も、オフィシャルサイトではプレリリース版の販売が始まっていましたので、みなさんの中にも早々と耳にした人もいらっしゃったと思います。

まず目につくのは、そのジャケットです。水平線に目玉が浮かぶという、ある意味悪趣味なジャケットともいえます。このところ、アッシュのジャケットのクオリティの低さは(前作はそうでもなかったけど)、ファンであっても「どうにかならないものだろうか?」と思わずにはいられないものだと思います。(^^;

でも、心配ありません。聴いてみるとわかります。充実した素晴らしい内容の作品を、アンディーが届けてくれました。(^^)

1.Take it Back
フィードバック調のギターをフィーチャーしたイントロから、懐かしい香りのするハーモニー・ツインにつながります。歌に入っても、いい曲だなあと思ってしまいます。ソロも伸びやかで素晴らしく、アルバムのオープニングにふさわしい名曲ですよね。途中からパット・マクマナスのフィドルがはいってきますし、ラストのギターソロはジョーが弾いてるそうです。(笑)

2. Deep Blues
ミッドテンポのヘヴィーなビートが響いてきます。これはカッコイイ曲ですね。アンディーとマディーの掛け合いもカッコイイぞ。(^^)

3. Strange (How Things Come Back Around)
ミッドテンポの落ち着いた曲です。なんと、ロジャー・フィルゲイトの書いた曲なんだそうです。ゆったりとした歌とギターの掛け合いを聴かせてくれています。

4. Being One
ジョーの細かいドラミングにアンディーのヴォーカルが絡んで幻想的な雰囲気で始まる曲です。途中のドラムの拍子といい、ギターの入り方といい、ベースとのからみといい、どことなくプログレの曲っぽく聞こえます。力作ですし、カッコイイですよ。(^^)

5. Way Down South
ネット生中継でも、かなり長くやっていた曲です。ポップで軽快な曲です。メロディーも凄くいいですよ。サビの(タイトルをコールする)コーラスがやはり印象的です。後半のアンディーの「空翔ける」ようなギターが素晴らしすぎます。

6. Tally Ho
セカンドアルバムの頃を彷彿させるハーモニー・ツインに、哀愁のヴォーカルが被さってくる静かな曲です。ソロもバッキングも哀愁味溢れていて、これぞブリティッシュ・ロックという曲になっています。いい曲ですね。

7. Mary Jane
ブギー調の曲です。前曲とはうって変わってアメリカンな香りがします。でも、サビのコードワークの凝り方はブリティッシュなんですよ。心地よいハーモニー・ツインも聴かせてくれますし、面白い曲ですね。

8. American Century
タイトルはアメリカンですが、実にブリティッシュな曲です。哀愁のハーモニー・ツインが印象的です。歌に入るとアップテンポになってロックンロール調になります。

9. Blue Horizon
再びネット中継でも長くやってくれていた曲です。タイトル曲だけあって、力も入っていますね。これまたブリティッシュな哀愁のメロディーが印象的です。広がりを持たせたサビのコーラスもいいですね。演奏部分も(もちろんソロも)カッコイイです。後半はブギー調になっています。

10. All there is to Say
イントロでノックアウトとは、この曲のような曲を言うのでしょう。イントロを聴いて「THROW DOWN THE SWORD」を思い起こさない人はいないと思います。曲も、昔のアッシュの香りがぷんぷんする曲です。パット・マクマナスが曲作りにも加わっていて、演奏にも参加しています。以前ネット中継で断片を聴いたときに「ニュー・アルバムの核になるかもしれない」とHPに書いたのですが、まさにそういう曲になっていますね。(^^) 最高!!

特筆すべきは、M5とM10でしょうか。シンプルながらも味わい深いソロを聴かせてくれるM5。昔からのアッシュファンも納得させてくれるオールド・サウンドのM10.特にM10は「剣を棄てろ」を彷彿させてくれるリフが涙ものですね。

とにかく久々の佳作ですね。ジャケットに落胆しないで、買って聴きましょう。

では、また次回に。