第177回 2010年来日公演(長文御免!)

 さて、アッシュの来日公演も終わりました。2日間の短い間でしたが、あの夢のようなひとときを思い出しながら綴っていこうと思います。

ライヴの後で(おそらく会えるであろう)仲間たちとゆっくりとしたかったので、宿を2泊分確保した僕は、1日目の14時過ぎに川崎に到着しました。ホテルのチェックインを済ませて、一息つくと、僕は早速グッズの先行販売に出かけました。Tシャツを買うとサイン会に参加できるので、Tシャツを2枚ゲット。サイン会の券も2枚もらいましたよ。

事前準備は終わったので、会場には開演15分前に行きました。そこで仲間たちと再会を果たすと、ゆっくりしゃべる間もないまま開演となります。(笑)お盆にもかかわらず、客席はいっぱいでした。

照明が落ち、メンバーが登場します。マディーはレスポールを、アンディーはチェリーレッドのフライングVを持って登場です。アンディーの後には、スペア用の白いVが置いてありました。マディーの後にはファイヤーバード、左にはラップ・スティールが置いてあります。(情報によると、今回彼らはギターを1本しか持ってきていなかったため、2日間借りていたとのことですけどね。)

そして、「Time Was」のイントロが流れると、会場は歓声と拍手に包まれました。第一部は、アーガスの完全演奏です。ボブのコーラスが小さめで聞こえにくい面もありましたが、感動の1曲でした。「Sometime World」では、聴かせ処のボブのベース・ソロで、低音があまり出ていません。そのせいか、少し薄っぺらく聞こえたのは残念なところでした。

もちろん、「Blowin' Free」「The King Will Come」という展開で、観客の興奮は最初のピークを迎えました。次の「Leaf and Stream」では、アンディーのVのピエゾが本当にいい音を出していました。マディーは、ファイヤーバードにカポタストをはめて使っています。続く「Warrior」では、マディーはカポをはずしたファイヤーバードをそのまま使っていました。

そして、第一部は「Throw Down The Sword」で終わりを告げます。アンディーが「20分後にまた会おう」と言って退場すると、場内放送は「15分の休憩です」と。(笑)

久々に観るアッシュのライヴに感動の第一部でした。

第二部は、日替わりのセット・リストになります。この日の曲目は次の通りでした。
1.Runaway / 2.Driving A Wedge / 3.Rock'n'roll Widow / 4.F.U.B.B. / 5.Lullaby / 6.Persephone / 7.You See Red / 8.Reason to Believe / 9.The Way of The World / 10.Phoenix //<encole> 11.Blind Eye / 12.Jailbait

翌日、ある方にいただいたセットリスト(本物)を見てわかったんですが、M12は予定にはなく、急遽演奏したもののようですね。セットリストで特に驚くのはやはりM5でしょうか。とはいえ、この曲はオフィシャルサイトではすでにネタバレしていた曲ですけどね。

一番力が籠もっていたのは、やはり新曲のM8だったと思います。自分たちが現役のバンドであることの意地のように感じました。あとは、M3でのマディーのラップスティールと、中間部に多彩なアレンジを施したM10が印象的でした。僕は、「Phoenix」はあまり好きじゃない」と公言している人間ですが、今日のアレンジなら全然OKです。(笑)しっかり楽しませてもらいましたよ。

アンコールのM12における、マディー、アンディー、ボブと重なっていくトリプル・ハーモニーのパートも見事でしたね。

惜しむらくは、コーラスが聞こえにくい曲がいくつかあったのと、曲によってはマディーのギターさえ聞こえにくい曲があったことです。アンディーは、日本の観客がおとなしいのに戸惑っていたようにも見えましたけどね。でも、僕を含めて、ほとんどの観客は久々に(もしくは初めて)見るアッシュの勇姿に満足していたと思います。

ライヴ終了後はサイン会です。きちんと列に並んで自分の番を待ちます。実は、先述の「ある方」は僕のすぐ後に並んでおられたのですが、その人たちが「アッシュのHPのくぼたくんさんが・・・云々」と言われるのが耳に入ったので、自己紹介してしまいました。自分がこの界隈(日本のアッシュ・ファン)では有名なんだなと再認識した次第です。(笑)
その方には、サイン会終了後に、その日使われたバックステージパスまでいただいてしまいました。本当にありがとうございました。

話を戻しましょう。サイン会で自分の番が来ると、メンバーひとりずつに挨拶をしました。最後に構えるアンディーに「僕はJapanese Wishbone Ash Web Siteのマスターのツトム・クボタだ」と言うと、アンディーは笑顔で「お前がクボタか」と、僕に握手してくれました。(^^)
僕は会場で配られたカードではなくて、「Live In London」のLPジャケットと、この時のために作っていった「Reason to Believe」のA4サイズのカードにサインしてもらいました。

その後、仲間たちと夕食を取りながらおしゃべりして、1日目は終了です。

さて、アッシュの来日公演も2日目、最終日です。 この日は、信じられないことがふたつありました。

ひとつ目は、ネットでも売り切れ続出で、店頭販売分も残っていないであろうと思われる「Live Dates vol2」のCDを、大森のレコファン店頭で発見したことです。思わず、つい、買っちゃいましたけどね。(笑)

まあ、それは大したことじゃないのですが(笑)、本当のアンビリーバブルな出来事は、午後に待っていました。それは、(某友人を通しての)ドラムのジョーの計らいで、サウンドチェックをほんの数分間でしたが見ることができたんです。そこでは「Front Page News」が演奏されていたのですが、その音を聞いた瞬間にびっくりしました。「何これ?昨日と全然違うじゃん!」(笑)
そうです。そこで流れていた音は、迫力もあり、バランスも良く、昨日の音が嘘のように完璧にまとまった音だったんです。僕はこの時、2日目のショーが素晴らしいものになることを確信しました。
そして、ステージの前でジョーとアンディーと言葉を一言二言交わします。全部でほんの15分間くらいでしょうか、本当に信じられない体験でした。

その後、開場までの時間をファミレスで仲間たちと過ごしてたんですが、先述の友人の計らいで、その場にジョーが登場です!!ジョーは、スティックを回しながら「こうやって叩くんだ」と実演して見せてくれました。え、僕ですか?もちろん、ジョーと2ショットで写真に収まりましたよ。(笑)

開場の後に会場に入り、3枚目のTシャツを買ってサイン会券をゲット。(笑)その2分後にはTシャツが売り切れてしまいましたので、これもラッキーでしたね。今日もお客さんは入っています。

そして開演です。予想通り、この日のサウンドは、前日とは全くの別物でした。迫力もまとまりもバランスも、すべて修正された音がそこにあったのです。昨日と同じバンドの音とは思えないくらい、素晴らしいサウンドだったと思いました。
PAのバランスも良く、アーガスのSometime The World のボブのベースソロの低音部も出ていましたし、コーラスのバランスも良かったです。 マディーも、昨日と違ってカポタストをつけたギターとつけないギターはきっちりと使い分け、音の狂いに気を遣っているのもわかりました。

第一部終了後、アンディーは客席に10ばかりのピックを放り投げました。残念ながら僕の所までは届いてこなかったのですが、友人が拾ったので、後で写真は撮らせてもらいましたよ。

この日もアンディーは「20分後に会おう」と言いましたが、場内放送は「ただいまから10分間の休憩です」と。(笑)

2日目の第二部のセットリストは次の通りでした。

1.The Pilgrim(SE)〜The Pilgrim / 2.Right or Wrong / 3.Living Proof / 4.Lady Jay / 5.Front Page News / 6.Sorrel / 7.Tales of The Wise / 8.Ballad of The Beacon / 9.Reason to Believe / 10.Engine Overheat / 11.Phoenix //<encole> 12.Jailbait

M1はゆったりとした導入部のSEに続いて、アップテンポになる部分から生演奏に変わっていきます。2部でもサウンドは素晴らしいですね。M2は本当にカッコいいと思いました。昔聴いたときにはそれほど好きにはならなかった曲ですけれど、初めてこの曲の音源を聴いたときから、今のアッシュには合っているなあと感じていた曲です。続くM3では、観客も大喜びでしたね。

M4とM5は、1年くらい前から通常のセットリストに入ってきた曲です。最初の頃は音源を聴いて酷いなと感じたことがないわけではありませんが、最近DLサイトで聴いたどの音源よりもまとまって迫力のある演奏だったと思います。 M5は、サウンドチェックの時のままの迫力ある音でしたよ。(^^)続くM6も、バラードながらも厚みのある演奏だと思いました。特にコーラスのバランスは素晴らしかったです。

大作のM7は、(マディーのソロの時の途中でアンディーが体のバランスをくずしかけるというご愛敬もありましたが、)凄いとしか言いようのない演奏でしたし,アンディーが会場のみんなに「一緒に歌って」と言ったM8が終わったときには、僕の目には、うっすらと涙が浮かんだほどでした。

M9では前日以上に力の籠もった演奏を聴かせてくれましたし、M10もカッコ良かったですよ。M10は前日同様の演奏で、ジョーのスティック回しも健在でした。(^^)

アンコールはM12の1曲だけだったのは意外でしたが、それがもともとの予定だったようです。この曲は前日演ってしまったし、せっかくだから3コードでできそうな「Bad Weather Blues」でも演ってほしかったのですが、それは望み過ぎというものでしょう。

全体的には、(細かいミスがなかったわけではありませんが、)そんなことは関係ないくらい、大満足のライブだったと思います。ホント、昨日の音は何だったんだ?と改めて思っちゃいましたね。

そして、この日もサイン会に並びました。偶然だったけど、すぐ後に並んでいたのが、ネット上では長いつきあいのRちゃんでした。初顔合わせできて良かったです。(^^)

サイン会の会場では、メンバー全員がにこにこしていました。時々、笑い声さえあがっています。それは、アッシュのメンバー全員がこの日のギグに満足していた証拠だと、僕はそう思いました。

僕は、この日は(ある思惑を持って)Tシャツにサインしてもらいました。アンディーは「名前書こうか?」と言ってくれたんですが、僕は自分の思惑をアンディーに話して、それを断りました。アンディーは、僕の思惑に一瞬驚いたような表情をしたのですが、すぐに笑顔に戻って「それは良い考えだ。これからもずっとアッシュの情報を発信してくれ。」と言ってくれました。その時、ずっとこのHPを続けてきて、本当に良かったと、そう思いました。

サイン会が終わると、仲間たちと食事です。みんなは先にお店に入っていたんですが、行ってみると、まあ、結構な大人数になっていましいたね。でも、おかげでネットでは知っていたけどお会いしたことがなかった方々にご対面できました。もちろん、アッシュ談義に花が咲き、時間はあっという間に過ぎ去っていったことは、言う必要はないでしょう。(笑)

今回はアーガスの完全演奏ということで来日した彼らですが、リクエストに基づいて選曲したという第二部も、実際にはほとんどがマディー加入後にやっていた曲目から選曲されていましたね。例外はLullabyくらいかと思います。でも、Rock'n'Roll Widow にしても Sorrelにしても、セットリストからはずれて久しいですから、彼らは彼らで練習は大変だったと思います。

大変と言えば、一番新しいメンバーのジョーが一番大変だったんじゃないでしょうか。練習のことはもとより、彼は初日の朝に日本に着き、日本公演翌日の朝に日本を発つという、本当に二日間の来日日程だったんんですから。(笑)

最後に、伝聞ですが、いい情報をひとつだけ。アンディーは今回の来日(特に2日目の観客と出来映え)に満足したようで、2年後くらいにまた日本に来たいなと言っていたそうです。それが本当なら、絶対に実現してほしいですね。(^^)

なお、先述の僕の「思惑」については、特設ページを見てくださいね。

では、また次回に。