第155回 アッシュの近況・2009冬

 さて、今年初めての更新になります。しばらく間隔が開いてしまってごめんなさい。その間に、アッシュの周りではいろんな動きがありましたね。

今年はアッシュの40周年あたるのですが、オフィシャルサイトを見ると、それをふまえてのいろいろな計画があります。

まずは、40周年記念コンサートでしょうか。5月16日にShepherds Bush Empire、Londonというところで、40周年記念コンサート&パーティーが行われます。アンディーとしてはオリジナル・メンバーでの演奏を考えていたようですが、諸般の事情(前に書いたのを見てね)で断念することになり、今のところはベン・グランフェルトの出演が決まっているそうです。アンディーとベンのコンビネーションにマディーのスライドが絡めば、ギター・パートとしては最強ですね。(^^)

それと、ASH FESTですね。バンドは以前、アメリカ・ツアーは行えないと表明していたのですが、今年のASH FESTは8月22日から8月25日にかけて、ラスベガスで行われるということです。もちろん、ライヴ以外にも、いろんなイベントの計画が目白押しです。オフィシャルサイトには詳しく載っていますので、見てくださいね。(^^)

マーティンのアッシュのほうも、来月からUKヨーロッパツアーが始まりますし、元気に活動してくれているのを聞くのは、やっぱり嬉しいですね。

続いて、「Argus "Then Again" Live」のことです。以前にオフィシャルサイトからリリースされたオリジナル盤のことは書きましたが、その後、11月中旬にTalking Elephantからワールドワイドに正規リリースされました。そして、今年になってから日本盤までリリースされたのです。(収録曲はすべて同一です。)

まずは、Talking Elephant盤のことです。オリジナル盤では薄いエンヴェロープだったジャケットも、デジパック仕様になり、写真はトリミングされ、色合いも綺麗になりました。オリジナル盤を手にしたときには、装丁のショボさも感じたのですが、これならどこに出しても恥ずかしくない仕上がりですね。(^^)

さらに、音源はリマスターされており、音圧も迫力もずいぶんパワーアップしています。聴いているうちに、前の音源は何だったんだろう?と思えるくらいのサウンドの違いですね。(笑)まあ、オリジナル盤はラジオ放送に準ずる音質で、今回はCDの正規リリースのために音質の向上を図ったということではないかと思いますけどね。

<Wishbone Ash / Argus "Then Again" Live / UK / Talking Elephant / TECD-133 >

次に、最近リリースされた日本盤のことです。 アッシュのサイトで販売されているオリジナル盤のリリースからはずいぶん経ったような気がしますが、今回はSHMCDでのリリースということで、「いまさら」という印象は受けませんでした。 クレジットを見る限り、マスターはTalking Elephant盤のものを使用しているようです。

<Wishbone Ash / Argus "Then Again" Live / JPN / ISDL DISCUS ORGANIZATION / GQCP-59112 >

先述したように、Talking Elephant盤ではリマスターによる迫力のアップした音を聴くことが出きましたが、ここではSHMCDの特性を活かしたよりきめ細かいサウンドを楽しむことができます。アーガスの時にも感じたんですが、ギターのアルペジオの音の瑞々しさや広がりは、SHMCDならではのものでしょう。まあ、サウンドが良くなったぶん、ライヴでのヴォーカルの弱さが普通のCDよりも目立ってきたかな?という気もしますけどね。(笑)もちろん、音質的にはこの日本盤が一番だと思いますし、僕もこのサウンドは気に入っています。

ただ、2800円を出してもう1枚買うとなれば、迷う人もいるかもしれませんね。すでにTalking Elephant盤を持っている人には「予算と関心のある人は日本盤も買いましょう」と言っておきますが、オリジナル盤しか持っていない人には「買って損はない1枚だから買ってくださいね。」と言いたいと思います。そうそう、日本盤独自のジャケットについては・・・う〜ん、好みの問題かなぁ。(爆)

「補足」なお、3月にはユニバーサルより「Argus "Then Again" Live」のSHM-CD2枚組スペシャル・エディションのリリースが予定されているようです。2枚目の内容は、2004年のXMライヴの音源から5曲収録とのことですが、あの時のCDからアーガス収録曲を除けばちょうど5曲ですので、もしかしたらそういうことかもしれません。まあ、ユニバーサルにはアーガス(デラックス・エディション)SHMCDの発売中止の前例があるので、しばらく様子を窺うことにしましょうね。(笑)

最後に、最近入手したアッシュの関連アルバムの話をすることにしましょう。

まずは、昨年末にリリースされたロジャー・フィルゲイトのソロ・アルバムです。ロジャーのソロ・アルバムは(バンドとしてのアルバム・リリースはありましたが)初めてになるんじゃないでしょうか。ジャケットを見ると、ロジャーがたくさんのギターに囲まれています。彼のコレクションなのかどうかはわかりませんけどね。(笑)

< Roger Filgate / Worlds Within / ?? / Erasend / ERASEND6072400000 >

ジャケから連想されるかどうかは微妙ですが、このアルバムは完全インスト・アルバムなのです。ドラムとベースのミュージシャンを従えて、ロジャーはエレキギター、アコースティック・ギター、スティールギター、キーボード、パーカッションを演奏しています。アッシュの頃の彼のパフォーマンスから判断すると、彼は十分に歌えるはずですが、今回インスト・アルバムを制作したのは、長年にわたるファンからのリクエストの結果なんだそうですよ。

ギター・インスト・アルバムと言えば、アッシュのファンのみなさんなら、即座にベンの初期のソロ・アルバムを思い浮かべるでしょう。ベンのソロ・アルバムは(以前書いたように)テクニックを見せびらかすタイプのものではありませんでした。ロジャーのこのアルバムも、テクニックを披露するタイプのアルバムではなく、彼の幅広い音楽性を活かした構成になっていると思います。

オープニングの Eastcoast Boogie は、昨年のASHCONのアンコールのラストでアッシュとロジャーで一緒に演奏した曲で、少しフュージョンっぽいロジャーのソロが印象的な曲です。他にも、途中からアッシュの頃みたいなリフが出てくるアコースティック・ナンバーの Wrapped In Bronze や、Mountainsaide の冒頭部を連想させる Flightなど、アッシュのイメージの残る曲が多いところは、やはりファンとしては嬉しいところです。全体としては本当にいろんなタイプの違う曲を聴かせてくれているので、単調にはならすに済んでいますね。ハーモニー・ツインを聴かせてくれる曲もありますし、アッシュファンならば買ってみていいんじゃないかなと思いますよ。

そして、ようやく入手したベンのアルバムのことを書きましょうか。「The Past Experience」と「Live Experience」の2枚なんですが、前者が2004年、後者が2005年のリリースです。どちらも、ベスト盤ですが、前者がスタジオ・テイク、後者がライヴ・テイクのコンピレーションです。

面白いのが、双方に収録されている(アッシュ屈指の名曲の) Faith, Hope and Love です。スタジオ・テイクのほうは、ベンの1999年のアルバム「E.G.O.」のアウト・テイクということですが、イントロ等の印象的なハーモニー・ツインのところ以外のアレンジは、ほぼアッシュのヴァージョンと同じです。アッシュの「bonafide」でのクレジットはベンとアンディーになっていましたが、アンディーが手がけたのは主としてハーモニー・ツインのパートだったということでしょう。僕は、BGB(ベン・グランフェルト・バンド)のこの曲がイントロ抜きに演奏されるのを不思議に思っていたのですが、あれがオリジナルのアレンジだったということですね。最も、あのイントロのおかげでこの曲は屈指の名曲になっているのだと思いますし、(アンディーのプレイに触発されたのでしょうけれど、)ベンのソロ自体も、アッシュのテイクのほうが素晴らしいとは思いますけどね。(^^)

ということで、今回も徒然なるままに書いてしまいました。(笑)

では、また次回に。