第154回 ASHCON 2008

 ということで(笑)、次は今年の ASHCON のことです。パティオ等で書いたように、今年の ASHCON は9月27日に行われました。いつも書いている音源DLサイトとアッシュ公認の音源共有サークルから音源を入手することができるようになりましたので、早速、音源をゲットしてきました。(^^)

まずはお昼のアコースティック・セットからです。ASHFEST の時とセットリストに入れ替えもあり、曲順もずいぶん違いますね。開催時期は近かったのですが、バンド側もいろいろ考えているということなのでしょう。
Acoustic Afternoon Set:
1. Intro / 2. Ancient Remedy / 3. Dreams Outta Dust / 4. The Ring / 5. Living Proof / 6. Master Of Disguise / 7. Leaf & Stream / 8. Errors Of My Way / 9. Sorrel / 10. Your Dog / 11. Ballad Of The Beacon / 12. Strange Affair

セットリストを見て一番気になるのは、やはりM10でしょうか。アルバムではマディーのスライドギターが唸るアメリカンな曲ですからね。もしかしたら、マディーのアコースティック・スライド・ギターが聴けるかも?と思ったのですが、楽器の音色を聞いてみると、どうやらマディーは普通にエレキで弾いているようです。

それと、M3のアコースティック・ヴァージョンも嬉しいところですね。まあ、普段のエレクトリック・ヴァージョンのほうが曲に合っているとは合っているとは思いますけど、この曲で聴けるアコギならではのソロは、なかなか面白かったですよ。

あとは、全曲バンドのみの演奏である点も、特筆すべきことでしょう。一時は、アコースティック・セットにフィドルなんかも入ることがあったのですが、原点回帰でシンプルにやるようになったということなのでしょう。(お金の問題でこうなったんだったら悲しいけどね。(笑))

続いて、夜のエレクトリック・セットです。音源ではCD2枚組になります。すでにご存じのように、今年のゲストはロジャー・フィルゲイトでした。

ロジャーと言えば、元々からアッシュの大ファンで、90年代中旬にはアンディーがバンドを続けることに絡んで多大な貢献をしたことでも有名ですね。もちろん、名作「イルミネーションズ」の制作や数々のライヴ・ショーの場でも大いなる貢献をしています。ロジャーは(テッドと同じ方式で)スライドギター(スティール・ギター)も弾けるのですが、音源を聴く限り、今回はスライドは弾いていないようです。

セットリストは次のようなものでした。

Electric Set (Evening Session)
Disc One:
1. Intro / 2. King Will Come / 3. You See Red / 4. Growing Up / 5. Eyes Wide Open / 6. Driving A Wedge / 7. Warrior / 8. Persephone / 9. Sometime World / 10. Way Of The World / 11. Vas Dis / 12. Mountainside
Disc Two:
1. No joke / 2. Tales Of A Wise / 3. Engine Overheat / 4. Hard Times / 5. Jailbait / 6. Phoenix / 7. Happiness / 8. Blowin' Free / 9. East coast Boogie

1枚目では、M6あたりがなかなか渋い選曲ではないかと思います。演奏自体もカッコ良くて、本当はもっともっと上手なヴォーカリストに唄わせたいところなんですが、アンディーの唄も決して悪くはありません。M11のジョーのドラムも迫力がありますし、演奏はいい感じにまとまっています。

特に凄いのがM4でしょうか。前回書いた公式ライヴ盤は5月のライヴだったので、そうも思わなかったのですが、ここでは本当にライヴ・ヴァージョンとしては完成されたと思えるような一体感ある演奏を聴かせてくれます。「ようやく」という言葉も脳裏を掠めますが、バンドとしても納得の演奏だと思います。逆に、名曲M8あたりは「どうせなら他の曲を選んだほうが、今のバンド・カラーには合うだろうに」と思ってしまいますけどね。(笑)

M12から、ゲストのロジャーの登場です。比較的最近のメンバーだけあって、観客の熱狂度も、マーヴィンやテッドほどではありません。

2枚目では、やはりロジャーの参加しているM1とM2がハイライトでしょうか。続くM3は、今年のセットリストでのサプライズのひとつです。この曲を聴くと、やはり「ハード・ロック」というと言葉を思い浮かべてしまいますね。(笑)何度聞いても、ギターの格好良さとはうらはらに、楽曲的には凡庸かと感じます。(^^;

全体としては、やはり「熟練」とか「風格」とかいう言葉が浮かんで来ますね。ファンなら必聴のライヴだとは思います。

この音源DLサイトにASHCONとほぼ同時にアップされたのが、MTWAの10月のライヴ音源です。少し短めなので、普通のギグではないのかもしれませんけどね。

Martin Turner's Wishbone Ash - Regent Centre, Christchurch, UK. 11th Oct 2008
01 intro-The King Will Come / 02 Warrior / 03 Throw Down The Sword / 04 Blowin' Free / 05 Living Proof / 06 Jail Bait / 07 Phoenix

アーガスのハイライトを冒頭に持ってきているところは、ニュー・アルバムのプロモーションを意識しているということでしょうね。チューニングは、定番の半音下げです。楽曲的に(サプライズという意味で)面白いものはないのですが、M3のソロを二人で弾いていたりして、なかなか興味深いところです。

話は戻りまして、本家のASHCONと言えば、ゲストの顔ぶれが楽しみのひとつとなっています。今年はロジャー、去年はマーヴィン・スペンス、一昨年はベン・グランフェルト、その前はテッド・ターナー、その前はマーク・バーチという具合ですし、そう言えば、30周年の時にはローリー・ワイズフィールドとクレアー・ハミルでしたよね。

ASHCONのゲストの選定にも困る頃かな?と思っていた矢先、オフィシャルサイトで、来年のツアーでは40周年企画で、アンディー以外のオリジナル・メンバーがゲスト参加するというアイデアがアップされました。(^^)

でも、喜んだのはつかの間で、アンディーが他の3人にコンタクトをとった段階で(3人の返事もない時点で)オフィシャルサイトに発表してしまったことで、他のメンバーとのハレーションが起こりました。マーティンは自分のサイトで(返事も聞かずに発表されたことへの怒りも表明しながら)断固として「NO」だと明言しています。アンディーとの確執がまた深まったようで、ファンとしては悲しいことではありますね。

では、また次回に。