第150回 アッシュの近況.2008夏

 さて、本当に久しぶりの更新となってしまいました。仕事が忙しかったこともあるのですけど、ちょっと体調を崩して休養したり、パソコンがクラッシュしたりしていました。そんなこんなで約ふた月も開いてしまってすみませんでした。(^^;
その間にも、アッシュのまわりでは(大きな変化はありませんでしたが、)いろんなことがありました。ashconやashfest関連のアップデートもありましたね。

その中で、まずはアッシュの新しいSHMCDのお話です。新しいとは言っても、発売日は6月25日ですので、今更という感じもしますけど、お許しを。

今度のリリースはベスト盤の「イントロダクション・トゥ・ウイッシュボーン・アッシュ」になります。リリース当時に「The King Will Come」も「Throw Down The Sword」も「Persephone」も収録されていないという偏った選曲にびっくりしたことを覚えていますが、改めて曲目を眺めてみても変わった選曲だという印象には変わりはありませんでした。
ただ、当時から僕の大好きな「Valediction」が収録されていることは嬉しかったですし、そのおかげでSHMCD版のこの曲が聴けることは幸運だとは思いますけどね。

アーガスの30周年エディションのSHMCD版の時には、音の印象の変化にびっくりした覚えがあります。でも、今回の音には、前回ほどの変化は感じられませんでした。もちろん、通常版よりも音がしっとりとしているという部分には変わりないのですが、アーガスの時ほどのセパレーションの変化は感じられませんでしたね。

続いて、アッシュの音源の話です。音源交換サークルや音源DLサイトでは、このところアッシュの新しい音源が大量に流通しています。もちろん、最近のライヴを高音質で収めたもの(おなじみのサウンドボード+オーディエンスのマトリクスものもあります)もあるのですが、オリジナル・アッシュの再結成時の音源をはじめ、少し古い音源がいくつか出てきているのが嬉しいところです。最近の音源では、(セットリストに新しい驚きはないものの、)名曲「Glowing Up」もずいぶんとまとまっていますし、アッシュが相変わらず「いい状態」にあるんだなということがよくわかりますね。(^^)

では、古い音源での中で、ちょっと興味深いもののことをいくつか書いてみましょうか。
まずは、86年ものです。オーディエンス録音ですちょっと高音が強めですが、バランスはまずまずです。

WISHBONE ASH - January 08, 1986 - Maxim, Stuttgart, Germany

CD 1
01. intro / 02. Don't Come Back / 03. Living Proof / 04. Streets Of Shame / 05. Cell Of Fame / 06. No More Lonely Nights / 07.MC / 08. Underground / 09. Love Is Blue

CD 2
01. The King Will Come / 02. Don't Cry / 03. People In Motion / 04.MC / 05. Blowin' Free / 06. Jail Bait (with band introduction) / 07. crowd // 08. Bad Weather Blues / 09. crowd / 10. She Loves My Automobile

Andy Powell - guitar, vocals
James Crompton - guitar, vocals
Mervyn Spence - bass, vocals
Steve Upton - drums

ここでは、ジェイミー・クロンプトンのプレイを存分に聴くことができるというのが「売り」でしょうね。ジェイミーのプレイについては、たとえば88年の再結成ツアーの時にテッドと半々で弾いていた時のBBC音源等がありましたが、ジェイミーだけのギグは、一般には今回が初出だと思います。(^^)
ジェイミーのプレイ自体については、可もなく不可もなくといった印象が強いです。No More Lonely Nights(ヴォーカルはマーヴィンです)のソロにしても、ローリーが弾いていた頃のメロディアスな部分はほとんどなく、早いパッセージを散りばめたものになっていますしね。

また、ここで特筆すべき所は、マーヴィンのヴォーカルでしょうか。この日のマーヴィンは喉の調子が良かったと思われ、僕が聴いたことのあるマーヴィン時代の音源の中では、ヴォーカルは最高の出来だと思います。この日のマーヴィンのヴォーカルには、グレン・ヒューズばりのハイトーンと歌の上手さとが共存していますね。(^^)

ただ、やはりこの頃のアッシュのサウンドが典型的なアッシュのイメージとはずいぶんと違っていることも顕著にわかります。ここでのサウンドのイメージは、(「Blowin' Free」や「Underground」等除いて)完璧にハード・ロックですね。そういう意味では、マーヴィンの歌もジェイミーのプレイも、サウンドには合っていると思います。

マーヴィン時代といえば、こんな音源もありました。ちょっと高音がきつい感じもありますが、オーディエンス録音としてはまずまずでしょう。

WISHBONE ASH - December 14, 1984 - Ruehrersaal, Nuremberg-Reichelsdorf, Germany

CD 1
01. intro / 02. Don't Come Back / 03.Cell Of Fame / 04. Streets Of Shame / 05. Perfect Timing / 06. No More Lonely Nights / 07. Underground / 08. Long Live The Night / 09. Love Is Blue / 10. Don't Cry

CD 2
01. The King Will Come / 02. Laurie's guitar solo / 03. People In Motion / 04. Living Proof / 05. Blowin' Free / 06. crazy crowd // 07. Jail Bait (with band introduction) / 08. Bad Weather Blues

Andy Powell - guitar, vocals
Laurie Wisefield - guitar, vocals
Mervyn Spence - bass, vocals
Steve Upton - drums

この頃のアッシュでは、ローリーの頑張りが目立っています。(^^)マーヴィンの歌に関しては前述の音源ほどではありませんけどね。

ローリーと言えば、こういう音源もありました。これまたオーディエンス録音で低音が若干こもり気味ですし、リミッターが効き過ぎていて音量に若干の変動が見られますが、まあまあいい感じに録れていると思います。

WISHBONE ASH
Ludwigsburg (GER)
Stadthalle
November 18, 1982

CD 1
01.Opening / 02.Can't Fight Love / 03.Living Proof / 04.Open Road / 05.Streets Of Shame / 06.No More Lonely Nights / 07.Underground / 08.Hold On

CD 2
01.Andy's Introduction / 02.The King Will Come / 03.Warrior / 04.Throw Down The Sword / 05. Phoenix / 06.Engine Overheat / 07.Blowin' Free / 08.applause / 09.Bad Weather Blues / 10.She Loves My Automobile / 11.applause / 12.Blind Eye

Andy Powell - guitar, vocals
Laurie Wisefield - guitar, vocals
Trevor Bolder - bass, vocals
Steve Upton - drums

アッシュの活動歴中でも、かなり地味だった頃の音源ですね。このメンバーですと、マーキーの30周年の時の映像を思い出してしまいますが、それのフル・コンサート・ヴァージョンという感じです。

そして最後に、やや懐かしの2003年の音源です。これは良質なオーディエンス録音だと思います。

WISHBONE ASH
NORTH STAR BAR, PHILLY, USA
SEPTEMBER 9, 2003

disc 1
01. the king will come / 02. throw down the sword / 03. faith hope and love / 04. standing in the rain / 05. jailbait / 06. you see red / 07. underground / 08. almighty blues / 09. sometime world / 10. blind eye / 11. living proof

disc 2
01. phoenix / 02. warrior / 03. ballad of the beacon / 04. blowin' free (interpolating bad weather blues)

Andy Powell - vocals, guitars
Ben Granfelt - guitars, vocals
Bob Skeat - bass, vocals
Ray Weston - drums

内容的には、(2003年の後半ですから)悪いはずがありません。2003年〜2004年のアンディーとベンのコンビネーションは、本当に素晴らしいですね。(^^)

次に、ローリーの話題です。パティオには書いたんですが、とうとうローリーのオフィシャル・サイトができたんですよ。これで、ローリーの情報を必死で探す必要はなくなりました。(^^)
http://www.lauriewisefield.com/
コンテンツの内容的には、これから増えていくという感じなんですけど、貴重な画像もいろいろありますし、ファンならば行ってみて損はないと思います。


最後に、マーティンのほうの情報です。アーガスのニュー・ヴァージョンは秋のリリースということなのですが、新しいメンバーでのツアーが始まったようです。さすがに音源は出てきていませんが、若いダニーのプレイがどんなものなのか、興味深いところではあります。詳しくは、マーティンのサイトで見てください。

そうそう、アッシュのオフィシャル・サイトのフォーラムに、皆さんもご存じのアッシュのトリビュートバンドZIZOHのリハーサル(練習)風景の動画がアップされています。前回の記事に書いたアメリカ在住のファンの人が日本に帰国した時に、スタジオに訪ねていかれて撮らせていただいたそうですよ。よかったらみなさんもご覧になってみて、コメントを書き込んでみてくださいね。(^^)

ということで、(僕の)復帰第1弾として、徒然なるままに書いてしまいました。

では、また次回に。