第126回 アッシュのライヴ音源 その5

 さて、このところ公私ともに忙しくて、アッシュのコーナーとしては久々の更新となります。前回から、またかなりの音源が僕の手元に届きました。また、もうすぐ昨年のASHCONのアコースティック・セットのDVDなども届くので、その前にまずはレビューを1回やっておこうと思った次第です。(笑)

まずは、今年になってからのライヴを2種類紹介しましょう。

1本目は3月26日のライヴです。アッシュ音源交換サークルからの音源なのですが、「WISHBONE ASH “Live” at The Lowry: Sun. 26-03-06」というタイトルになっています。内容は次の通りです。
 CD1: Intro / Outward Bound / The King Will Come/ Throw Down The Sword / Healing Ground / FUBB / Your Dog / Ballad Of The Beacon /Jail Bait / Warrior / Dreams Outta Dust / Why Don’t We? / Sometime World
 CD2: Tales Of The Wise / Almighty Blues / Living Proof / Phoenix / Surfing A Slow Wave / Blowin’ Free
2月のセットリストとあまり差はありませんが、ニュー・アルバムから「YOUR DOG」がセットリスト入りしていますね。完全にサウンドボードからの音源なので、各楽器の音がクリアに録られています。反面、観客の様子がつかみにくいのと、残響音がないために、サウンドに迫力がないように感じますね。特に「Sometime World」のベース・ソロ(大半はオリジナルのオクターヴ上で弾いているようですけどね)の迫力のなさは、楽曲の格好良さを台無しにしているように思います。

この音源でちょっと首を傾げているところに、新しい音源が届きました。これも交換サークルからの音源なのですが、僕は先にDLサイトで入手しました。(この音源も、先述のDVDや他の数本の音源と一緒に届くことにはなっていますけどね。)ライヴの日付は5月3日、場所はラスベガス。かなり新しい音源です。(^^)
 Disc One: 1. outward bound / 2. king will come / 3. throw down the sword / 4. healing ground / 5. your dog /6. the pilgrim / 7. ballad of the beacon / 8. hard times / 9. jailbait / 10. warrior / 11. dreams outta dust / 12. why don't we
 Disc two: 1. fubb / 2. sometime world / 3. tales of the wise / 4. almighty blues / 5. living proof / 6. phoenix / 7. surfing a slow wave / 8. blowin' free-bad weather blues
こちらの音源は、例によってサウンドボード音源とオーディエンス音源のマトリックスで、音のバランスもいいし、適度な残響等で迫力も十分です。かなりオススメのサウンドですね。(^^)

セットリストはほとんど変わっていません。でも、ここでは若干の演奏の変化がありました。特記すべきはOutward Bound でしょう。マディーが随分慣れてきて全体的な格好良さもアップしているのですが、曲の真ん中にカッティングのパートが生まれていました。若干ジャズ(つーか、フュージョン)っぽいニュアンスで、本当に凄くカッコイイですよ。(^^) The King Will Come でのマディーのソロも随分とカッコイイですしね。
そしてThrow Down The Sword です。ベンの頃から続いていたラストのツイン・リードがなくなって(正確には最後のエンディングのフレーズだけになって)アンディーのソロをじっくりと聴かせる構成に戻っています。マディーの持ち味とはベクトルの違う曲でしたので、無理をせずに原点に戻したというところでしょうか。マディーは次のHealing Groundで最高のスライド・ギターを聴かせてくれるので、そういう構成でも十分だと言うことでしょう。
前の音源でも入っていたYour Dogも、マディーのスライドがカッコいいですね。楽曲的にはイマイチなので、これは「マディーのスライドを聴く」ための曲でしょう。実のところ、ニュー・アルバムにはこの曲よりもライヴで演ってほしい曲がもっとあるのですけどね。(^^; あとは、入力オーバーによるデジタル・ノイズが2カ所ほどあるのが惜しいところです。

とは言え、全体的にはかなりいい感じのライヴだと思います。現在のアッシュのサウンドはこれだ!という自身と存在感も感じられます。日本にはアッシュのブートCDRを数多くリリースしているレーベルがあるのですが、今年のライヴのブートなら迷わず5月3日のやつ(「もし、出てたら」ですが)を選んでくださいね。(笑)

最後に、マーティンの音源です。テッドがゲスト参加したバーミンガムの音源が、先述のレーベル(2000GFRR)からリリースされました。DATによるオーディエンス録音とのことで、説明では「どこのDLサイトにもテープ・トレーダー間にも流通していない独自音源」だということが売りだそうです。

実際、この音源はDLサイトにはありませんし、アッシュの音源交換サークルでも出ていません。しかし、この日の音源は、アッシュの音源交換サークルのメンバーの間では個人的に流通しています。このブートに使われた音源がその音源なのかどうかはわかりませんけどね。

Wishbone ft MT Roadhouse, Barmingham, 18-02-2006
 disk 1: 1.Doctor / 2.Blind Eye / 3.Front Page News / 4.Walking The Reeperbahn / 5.Persephone / 6.Outward Bound / 7.Runaway / 8.Warrior / 9.Lifeline / 10.Silver Shoes / 11.Cosmic Jazz / 12.Diamond Jack
 disk 2: / 1.Master of Disguise / 2.F.U.B.B. / 3.Living Proof / 4.Blowin' Free / 5.Lap steel Inst. Jam * / 6.Standing In The Rain * / 7.Why Don't We * / 8.Jailbait * / 9.Come In From The Rain

2枚目のM5-M8が、テッドが参加している曲です。ブルースナンバーがインスト・ジャムになっているだけで、昨年のASHCONの時と同様の選曲ですね。テッドもあまり多くの曲を練習する時間がなかったのかな?(笑)でも、M8では、ASHCONと同じく1番の2センテンス目からすぐに観客に歌わせていますよ。そんなところもよく似てますね。(笑)

録音ですが、オーディエンスで比較的バランスのいい音です。でも、マーティンのベースの音があまり大きく入っていません。昨年末に書いたBOOM CLUBの音源のほうが、ベースがしっかり入っているのでよりカッコ良かったとは思いますね。マーティンのヴォーカルがやはり衰えを感じさせるものですので、昔と同じようにカッコいいマーティンのベースを前面に出して聴かせるような音のほうが今のマーティンには合っていると思います。
もちろん、テッドが出ているのですから、音源としての価値には変わりはないのですけどね。

マーティンのサイトでは、ライヴの音源の断片が聴けるようになっています。リリース予定のライヴ・アルバムからのラフ・ミックスだそうですが、マーティンのベースをかなりプッシュしたミキシングになっていて、なかなかカッコ良いサウンドでした。(^^) リリースまでにはまだ時間がかかりそうなのですが、本当に待ち遠しいものです。

では、また次回に。