第117回 マンチェスターのアッシュ

 さて、全回書いたASHCONの音源ですが、なかなか日本もOKなVINEの順番が回ってきません。(^^; 仕方なく、フィンランドの旧友(って、このページ読んでる人なら誰だかわかると思いますが)にお願いしたのですが、まだ手元に届いていません。なんとなく、昨年同様、年末に滑り込んでくるのではないかと思っているのですけどね。入手次第、テッドのプレイを含めてレビューを書きたいと思いますので、いましばらくお待ちください。

今回は、ASHCONの前日のギグの音源です。10月28日、場所はマンチェスターですね。これも、アッシュの音源交換サークルからのものです。2枚組のCDRで、サウンドボードとオーディエンスの音源をミックスしたものとなっています。曲目は下記の通りです。

Disc one: 1. intro-tech problems / 2. wait out the storm / 3. ancient remedy / 4. ballad of the beacon / 5. the ring / 6. master of disguise / 7. living proof / 8. errore of my way / 9. wings of desire / 10. baby don't mind // 11. outward bound / 12. warrior / 13. the king will come / 14. healing ground

Disc two: 1. persephone / 2. dreams outta dust / 3. tales of the wise / 4. strange affair / 5. living proof / 6. phoenix // 7. jungle / 8. jailbait

1枚目のM2−M10までがアコースティック・セットで、残りがエレクトリック・セットになります。2枚目のM7とM8がアンコール・ナンバーです。いつも通り、アコースティック・セットにはゲストとして、フィドルとアコーディオンも加わっていますね。(^^)

曲目を見てみて、何か気付きませんか?そう、BLOWING FREEがありません。そして、聞き覚えのない曲が混ざっているでしょ。そう、そうです。この頃にはすでに新曲も交えたセット・リストになっているのですよ。(^^)
では、要所要所のコメントもしながら聴いていきましょうか。

M1は、イントロのテープ(選曲はプレリュードでした)からオープニングの部分です。マイクのトラブルで、1曲目が始まるまで随分と時間がかかりました。(^^;

M2では、相変わらずアコーディオンがいい感じのサウンドで、ずいぶんと目立っていますね。M3ではフィドルも目立ちます。M4では、アンディーの唄にフェイクが増えてきたように思います。マディーのクワイアット・パートのギター・ソロも慣れたきたもので、余裕で聴かせてくれます。(^^)

アコースティック・セットはいつも通りに続いていきます。相変わらずアコースティックでもカッコいいM5、オーソドックスなM6、BARE BONESアレンジにフィドルとアコーディオンをまぶしたM7、フィドルが(本当に)大活躍のM8、これぞアコースティック・ナンバーのM9と、安定した演奏です。そして、アコースティック・セットのラストは、アメリカン・テイストたっぷりで、フィドルとアコーディオンがよく似合うM10ですね。

さあ、エレクトリック・セットです。オープニングはなんと、名曲M11です。ローリーのイメージが強い曲ですけど、アンディーのフレーズは相変わらずカッコイイですね。ミドル8ではエフェクターを効かせて変わった雰囲気を出しています。そつなくまとめてはいますが、マディーのギターが少し弱いという印象を受けます。(個人的には、76年のライヴに勝るテイクはないと思っていますけどね。)でも、この曲がまたライヴで聴けるのは嬉しい限りです。(^^)

続くM12はきっちりとキメていますね。ラストのコーラスはやはり弱いかな?M13では、マディーのハードロック的なフレーズも混ぜたずいぶんと思い切ったソロが聴かれます。カッコいいぞ、これは。(^^)

そしてM14です。アンディーもMCで言っていますが、最初の新曲ですね。ミッド・テンポのロックン・ロールで、マディーの印象的なリフで始まります。なんか、ポール・ロジャースが唄えば似合いそうな曲ですね。ここでの特筆ものは、何といってもマディーのスライドギターのソロです。マディーの得意技だけあってカッコいいですし、ちょこっとアンディーのギターと絡むあたりがたまりません。最高!!惜しむらくは、アンディーのヴォーカルがやっぱり弱いなあと感じるのですが、CDになればスタジオ技術で解消されるとは思います。早く完成形を聴きたい1曲ですね。

続いて2枚目です。名曲M1は、やはりアンディーのヴォーカルの弱さと、マディーのギター・ソロの音数の少なさが気になりますね。(まあ、マディーのほうは、随分とローリーのフレーズをなぞれるようにはなっていますけど。)アッシュである以上、避けるわけにはいかない曲かも知れませんが、ASHFESTの時にも書いたように、再考の余地はあるように思います。

M2も新曲です。メジャー調のリフからマイナーのメロディーに続くあたりはアッシュのカラーですね。ずいぶんと唄メロに気を遣っているようで、メロディックでいい曲だと思いますよ。ハーモニー・ツインも美しく、これぞアッシュだ!という曲ですね。(^^)エンディングを一工夫すれば、最高の曲になりそうです。M3は、個人的には嬉しい曲です。ヴォーカルはオリジナルよりも落ちるものの、アンディーのヴォーカルにはフィットしている曲だから、いい感じにまとまっています。アンディーのソロも素晴らしいですね。

M4はオーソドックスに攻めています。間奏のスキャットとギターのユニゾンがカッコイイですね。M5もオーソドックスな出来ですね。そして、M6で終了となります。会場にはアンコールの拍手が響き渡ります。

そして、アンコールです。アンディーが「いつもならBLOWIN' FREE だけど、明日やるからね」と言いながら始まったのはM7です。ギターのオクターヴ奏法などなど、ジャジーな雰囲気を持ったインスト・ナンバーです。どことなく「歌のない歌謡曲」っぽい雰囲気もありますね。(笑)メロディアスな曲です。そしてラストは定番のM8です。ファン共々盛り上がって、ギグは終わっていきます。

全体としては、次の日がASHCONだからかもしれませんが、バンドも観客も、明日へ向けて盛り上がりつつある雰囲気ですね。マディーは、もう完全にバンドに溶け込んでいますね。でも、いまだに(緊張感が伝わってきたり)危なっかしいところがあるのは、(なんかテッドみたいで)微笑ましくもあります。きっと、生真面目な人なんだろうなって思いました。ともかく、ASHCONの音源が楽しみになってきました。(^^)

では、また次回に。(次こそASHCONが書けたらいいな。)