第100回 HOT 'N' SCARY IN HONITON

 さて、アッシュのコラムもいよいよ100回目です。ここまでやってこれたのも、HPに来られるアッシュファンの皆様のおかげだと思っております。お礼の言葉を述べると共に、今後ともの「ごひいき」をお願いいたします。

本来なら100回目を記念してASHCONあたりの記事を書けたら良かったのですが、まだ音源を未入手なので、今日は最近手に入れたライヴ音源の話をしようと思います。(最も、近日中にASHCONの音源とかマディー加入後のステージの音源とかも手に入る予定ですので、新年になってから1回目と2回目はASHCONかマディー音源でいきたいと思っていますけどね。(^^))

 さて、今回入手した音源は、例によってテープ・トレーダー間の流通音源のひとつです。(ベンの弾く永遠の女神が入っているという理由で入手したんですけどね。)2004年10月3日のギグで、CDR2枚組となります。録音はオーディエンスで、ちょっとこもり気味にも聞こえますが逆に臨場感にあふれていて、まずまず良好な音源だと思います。

曲目は、VAS DIS / YOU SEE RED / THE KING WILL COME / THROW DOWN THE SWORD / FAITH, HOPE AND LOVE / STANDING IN THE RAIN / PERSEPHONE // MOTHERLESS CHILD / ALMIGHTY BLUES / LIVING PROOF / JAILBAIT / PHOENIX / BALLAD OF TH BEACON / BLOWING FREE となっています。

注目は、さっき述べたPERSEPHONEと、ブルースのスタンダード・ナンバーのMOTHERLESS CHILDでしょう。個人的には前者のために入手した音源ですから、期待もいっぱいです。

そんなわけで、気合いを入れて聴いていきました。全体として、最近のアッシュのライヴらしく悪くない演奏が続きます。キング・ウィル・カムでのベンのソロも素晴らしいし、アンディーのソロもいつものように美しいですね。でも、どことなくあのバッファローやセラーズヴィルの音源の時のような最高のフィーリング(高揚感)が感じられないのです。

何故だろうかと考えました。そして思ったことは、いくつかの曲で、今のアッシュの最大の弱点であるヴォーカルの弱さがモロに出てしまっているためだろうということでした。特に、VAS DISとPERSEPHONEにそれが顕著に現れていると感じます。

前者は、演奏に比べてスキャットが弱すぎるので迫力に欠けるように思います。(もちろん、スキャットのない部分では、アッシュ史上最強の演奏力を思う存分発揮してくれているのですけどね。)

そして、一番期待していたPERSPHONEでは、アンディーのリード・ヴォーカルがイマイチでした。マーティンでもぎりぎりの高さで唄っていた曲ですので、アンディーの音域では少し荷が重かったようで、かなりのフェイクが入っています。(この日は歌詞も間違えていますし。(^^;)そんなわけで、少なくともこの曲に関しては、アッシュとしては珍しく「出来の悪い」部類の演奏に入ると思いました。マーティンやトニーのように「味わい深く」とはいかないまでも、マークくらいの音域と歌唱力がないと映えない曲ということなのでしょう。バンドのほうもそれを思ったのかどうかは判りませんが、ASHCONでは、この曲の時にはマークが加わっています。おそらくリード・ヴォーカルもマークがとっているのではないかと思いますので、そちらの演奏に期待することとしましょう。

と、ふたつばかし文句も書いたのですが、それ以外の楽曲は安心して聴いていられます。件のmotherless childですが、あまり長いソロもハーモニー・ツインもなく、アンディーのアルバート・キング調のギターを中心にいい感じにまとまっていますよ。

また近々、似たようなセットリストの別の日の音源も入手できそうなので、そちらとも比べながら聴いていきたいと思います。

話は変わって、来年早々に、アッシュの新しいブートCDが出るそうです。久々のプレスCDでのブートになるそうで、内容は1975年2月9日の大阪フェスティバル・ホールでの音源だとのことです。この日のライヴは、USASH制作のCDR「pilgrimage to Japan」で聴くことができるのですが、今回は「最上級のオーディエンス録音をマスターテープよりダイレクト」ということで、音質がどれくらい良くなっているのかを楽しみにしたいですね。
そうそう、完全収録ということで、pilgrimage to Japanではカットされていた「HOME TOWN」が入っているのが最大の売りですね。昔、東京公演のライヴ・テープに「HOME TOWN」収録となっていたので買おうとしたのですが、店の人に歌詞を聞き取ってもらうと、収録されていたのは「JAILBAIT」だったということがありましたので、(その時はその理由で買わなかったのだけど、)今回はそうではないことを祈りたいと思います。

(12.29追補:最後に書いたブートですが、年内にもう出ているそうです。「Birthday Show」というタイトルの2枚組なんですけどね。home townもしっかり入っているとのことですので、ご安心を。Thanks,Nさん。)

では、また次回に。