第48回 アッシュの紙ジャケCD

 さて、とうとうアッシュの紙ジャケCDが発売されました。ところが、実際に発売されたのは11枚なのです。なんと、再発の目玉である「ライヴデイト2」「ナンバー・ザ・ブレイヴ」の2枚が発売延期なってしまい、今回は「ジャスト・テスティング」までの発売なのです。残念と言うよりも、とても悲しくなってしまいます。

『ライヴ・デイト2(Live Dates Volume)』(UICY-9090〜1)『ナンバー・ザ・ブレイヴ(Number The Brave)』(UICY-9092)

上記2枚についてはパティオにも書き込みがあったのですが、権利の関係がクリアできなかったということらしく、発売日も未定という状況だそうです。まあ、僕がユニバーサル・ジャパンに電話した時には「8月の時点では13枚だったんですけど、この2枚については発売延期、発売日未定ということで、それ以上の詳しいことはお答えすることができません」と、冷たい対応でしたけどね。電話に出た係の人によってずいぶん違うものだなと思いました。

ショップに行って残り11枚を受け取った時に訊いたのですが、(一度に34枚ずつという大口の予約だったので)店の人もメーカーに訊いてみたんだそうです。すると、メーカー(本社じゃなくて一番近い支店か出張所だと思いますが)の人は発売中止というニュアンスで言われたとのことでした。

でも、ユニバーサル・ジャパンのHPの掲示板を見ると、現在交渉中なので決定次第HPで発表するとありました。ということは、リリースに向けて動いているということになりますね。同時期発売のエルトン・ジョンとスタイル・カウンシルのCDシリーズの番号を見ると、アッシュのこの2枚の番号は抜けていますので、CD番号はキープしてあるということになります。現時点では、権利関係がクリアされてきちんとリリースされることを願うしかないようです。

ということで、1か月前の興奮は見事に無惨にうち砕かれてしまいましたが、気を取り直して今回発売された11枚について書いておきましょう。

さすがにジャケットは丁寧な作りですね。ポリシーとして、オリジナル・ジャケットの再現というところに重きを置いているとのことで、当時の日本盤とは若干の違いがあるアルバムもあります。CDのレーベル面は、最初の4枚はブラックで、残りはレインボーでした。さすがに日本盤初期の六角レーベルにはなっていませんでしたね。音のほうも、さすがに全部聴いたわけでないですが、現在考え得る最高の音質が目指されて制作されているそうで、かなり迫力のある音ですね。(まあ、昔のCDのマスタリング・レベルがあまりにも低すぎたということでしょうけどね。)では、いくつか気がついたところを書いておきましょう。

「巡礼の旅」→ジャケの表面に刻まれた模様も再現されています。内ジャケットの写真は、当時のものでしょう。僕の持っているアメリカ盤と同じ写真です。(日本盤では、最初に出たやつと再発のやつでは写真が違っていたんですけどね。)

「ウイッシュボーン・フォー」→イギリス盤にあった織目模様(刻まれてはいなかったけど)は再現されていません。裏ジャケはクレジットのみで、歌詞は付録のポスターの裏面にあります。当時の日本盤は、裏ジャケに歌詞があり、ポスターの裏は無地だったので、織目模様以外はイギリス盤に準じた作りとなっていると思われます。

「永遠の不安」→ジャケット写真が黒い縁取りなしでフルに使われています。シルバー・シューズのイントロは、最初からフルに収められています。前に出ていた輸入盤のCDでは、一瞬ですがフェード・インで始まっているのですけどね。(国内盤では大丈夫でしたけれど。)F.U.B.B.の終わりには、豚の鳴き声(たぶん人間がやっている)が入っています。この音は、輸入盤のLPにはあったのですが日本盤のLPではカットされていて、日本盤ではCDになった時に復活したものです。

「限りなき束縛」→ジャケットは、緑ではなくて、オレンジ系の色合いです。この色合いのジャケットでのCDは、たぶん世界初登場でしょう。

「ニュー・イングランド」→BGOからのリマスター盤の時に書いた、ユー・レスキュー・ミーでのマスター・テープが原因の音飛びですが、このCDにはありません。ということは、ちゃんとしたマスター・テープが残っていたようですね。(^^)音飛びのないドイツ盤のCDがもはや入手困難な今、この曲だけでもこのCDは「買い」でしょう。

「因果律」→当時の日本盤にはなかった内袋(イギリス盤にはあった。)が、たぶん本邦初登場です。

「ジャスト・テスティング」→これも、内袋がたぶん本邦初登場です。

ということで、ざっと気になっていた点だけを確認してみても、これだけの発見((^^;)があります。これから少しずつ全部のアルバムを聴き直していきたいと思いますが、もしかしたら、また新しい発見があるかもしれませんね。

追伸:アッシュの30周年コンサートのDVDですが、オフィシャル・メール・マガジンによると10月8日リリースになるようです。

「9/19追補」

今朝、オフィシャルサイトのレオンから嬉しい情報をもらいました。(^^)

アメリカのユニバーサル・インターナショナルが、「ライヴデイト2」「ナンバー・ザ・ブレイヴ」のリリースの許諾をユニバーサル・ジャパンに与えるべく動いているとのことです。ユニバーサル・インターナショナルUSの法律部(課)によると、彼らがこの2枚のマスター・テープの権利を持っているとのことでしたので、かなり期待できる情報だと思います。あまりにも嬉しいニュースなので、ちょっとその部分だけ原文のまま引用しておきますね。

They are going to give Universal Records in Japan permission to re-release "Live Dates 2" and "Number the Brave" on CD. There was some confusion as to who legally owns the masters, but that has now been cleared up and everything should soon be back on schedule.

レオンの言うように事が進んで、無事にこの2枚がリリースされるよう祈りましょう!!