第44回 LIVE DATES 3

 1.COME IN FROM THE RAIN / 2.LIVING PROOF / 3.PERSEPHONE / 4.LIFELINE / 5.WINGS OF DESIRE / 6.ERRORS OF MY WAY / 7.LEAF AND STREAM / 8.THROW DOWN THE SWORD / 9.F.U.B.B. / 10.PHOENIX

前々から書いていた「ライヴデイト3」ですが、とうとうリリースされました。僕のところにも、今日届きましたよ。(^^)予定通り、1999年のフランス・ツアーでの収録ですね。11月22日のパリでのギグということで、メンバーは、アンディー、マーク、ボブ、レイの4人ということになります。

ジャケットですが、「ライヴデイト」「ライヴデイト2」と続いた、砂漠・駱駝・飛行機・宮殿(パレス?)というパターンは継承されていますね。(^^)

当然ながら、オフィシャル盤ですので、音は最高にいいですよ。ギターの音も、アンディーが左、マークが右という風に振り分けてあって、ふたりのギター・プレーを聞き分けるのにも便利です。(^^)リード・ヴォーカルも、アンディーとマークがとっていますね。

オープニングのM1(と地味目のM7)あたりは、ちょっと意外な選曲かもしれませんが、後は新旧の代表曲が並んでいます。時間の関係もあるのでしょうが、「THE KING WILL COME」が収録されていないのは、ちょっと残念ですけどね。

M1は、レイの着実なドラミングに導かれて始まります。マークがご挨拶がわりにギターで引っ張りますね。オープニングとしてはまずまずではないでしょうか。

そして、もはや定番中の定番のM2です。ローリー時代から、テッドになってもロジャーになってもマークになっても、必ずライヴで演奏されている曲目ですね。ここでも確実にキメてきています。

M3でのマークの伸びやかなヴォーカルは、線が細そうな太そうな、微妙な雰囲気を醸し出しています。マークのギター・プレイは若干固いものの、アンディーのソロが滑らかさを補っていますね。

M4では、インスト・パートのコンビネーションが秀鋭ですね。前半のクライマックスの曲と言えるでしょう。(^^)マークのヴォーカルも、この曲にはよく合っています。(途中のフェイクが、どことなくマーティン風に聴こえるのは面白いですけどね。)

M5は、アコースティック・ヴァージョンで唄われます。「BARE BONES」でも屈指の出来だった曲ですので、こっちのヴァージョンというのも、すごく納得なのです。

M6では、またエレクトリック・セットに戻っています。マークのソロは、ここでも若干固いかな?

そして、またアコースティック・セットでのM7です。アンディーのアコギのフレーズが心地よいですね。これもいい演奏です。

M8では、イントロのマークのリフが途中から1オクターブ上がっています。ビデオでもそうでしたし、マークになってからのアレンジということでしょうね。(効果的とは思えませんけど。(^^;)この曲でも、ラストのアンディーのソロが聴き物です。最も、「ライヴ・デイト」や91年の「リユニオン・ライヴ」のソロほどの完璧な素晴らしさはありませんけどね。ここでは、テープ・ディレイを効かせて、新鮮なニュアンスを創り出しています。

インストのM9は、またまた演奏のコンビネーションの冴えを見せてくれています。いい演奏ですよね。これが後半のクライマックスと言えるかな?

ラストは、おなじみのM10です。ヴォーカルは、マークがとっていますね。ファンも熱狂していますが、やっぱりちょっと長すぎると思います。少なくとも僕はね。(^^;

全体的には、小さな会場(ジャケ内に載っている前後の日程の出演アーティストから察するに、クラブかライヴハウスのようです)であることが克明にわかる音の響きですね。これはこれでまた味があるのですが、それでもちょっぴり寂しい感じもします。演奏もまとまってはいるものの、いくつかの曲では、バンドとしての勢いが若干足りないような気もします。

あと、選曲と構成の不満点は目につきますね。M6−M8とバラード系の曲が続くことがひとつと、大作のM9とM10が連続してラストに収められていることです。実際のステージでは、間に何曲かあったはずなのですが、この構成でアルバムになってしまう、ちょっとメリハリがぼやけてしまいますからね。録音テープ自体は、きっとかなりあったと思いますので、もうひと工夫してほしかったです、はい。

個人的には、「ライヴデイト3」の企画は「イルミネーションズ」の頃にやっていてほしかったなと言うのが、正直な気持ちです。とは言え、決してこのアルバムの出来が酷いというわけではありません。現在のアッシュの姿を届けてくれる貴重な音源でもありますし、ファンの人は自分の耳でチェックしておきましょうね。

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