第38回 アッシュのCDRボックス

 この度、とんでもないものが発売されちゃいました。ドイツで作られた、アッシュのラジオ放送音源集の11枚組CDRボックスです。ジャケットはモノクロの雑な印刷で、いかにも手作りですという感じで、とってつけたような編籠に入っていました。(^^;(キッチンタオルかなんかのカバーようの籠に「WISHBONE ASH」「RADIO SESSIONS」と印刷したものだと思われます。)最も、ブートレッグと言うよりは、ファン・クラブ・イッシューに近いものがあると思われます。

 で、肝心の内容ですが、71年から99年までのラジオ音源を集めたものです。BBCの音源もかなり収録されていますね。ライヴが中心なのですが、レコード音源や、レコードをかけながらのインタビュー番組の音源も収録されています。

CD1は、71年と72年のBBCのライヴです。71年のBBCは、もとの放送からレコード音源で、ライヴではありません。72年のは、オフィシャル盤にもなっている有名な音源がフルに収められています。(酷いできの演奏ですけどね。(^^;)

 JAIL BAIT / LULLABY / THE PILGRIM // TIME WAS / BLOWIN' FREE / THE WARRIOR / THROW DOWN THE SWORD / THE KING WILL COME / PHOENIX

CD2は、LIVE FROM MEMPHISを全曲と、76年のKBFHのライヴからの抜粋です。曲数も5曲で、ちょっとこもっています。76年のライヴについては、もっと多くの曲を収録した高音質のブートレッグが何種類も出ていますので、そちらを聴いた方がいいでしょう。

 JAIL BAIT / THE PILGRIM / PHOENIX // RUNAWAY / THE KING WILL COME / LORELEI / MOTHER OF PEARL / BLOWIN' FREE

CD3は、74年のKBFHのライヴと、AFRTSでの74年の放送(レコード音源のようですけどね。)、そして77年と71年のラジオ放送(これもレコード音源ですね。)が入っています。

 BLOWIN' FREE / THE PILGRIM / TIME WAS // SO MANY THINGS TO SAY / DOCTOR / NO EASY ROAD / SING OUT THE SONG // GOODBYE BABY HELLO FRIEND / BABY COME IN FROM THE RAIN / BLIND EYE / VAS DIS

CD4は、78年のBBCでのライヴ音源です。僕がしばらく前に買ったトランスクリプション・ディスクでは8曲入りだったのですが、ここには10曲が収められています。音質も違いますし、ラストの2曲はCD5の音源と同じだと思います。

 THE KING WILL COME / YOU SEE RED / FRONT PAGE NEWS / THE WAY OF THE WORLD / PHOENIX / ANGER IN HARMONY / QUEEN OF TORTURE / BLOWIN' FREE / THE WARRIOR / ERRORS OF MY WAY

CD5は、はじめの4曲が78年のBBCのライヴとなっています。が、BBCの78年のトランスクリプション・ディスクは1種類しかないですし、この音源は謎ですね。曲目から見ると、79年のツアーのものですけどね。ただ、このブロックの演奏(CD4から続くのだけど)は、なかなか素晴らしいものですよ。(でも、音質から察するに、ふたつの音源の組み合わせだと思われます。)そして77年のラジオ出演(F.U.B.B.のみライヴで、あとはレコード音源)、76年のラジオ出演(レコード音源+インタビュー)が収められています。

 RUN AWAY / LADY WHISKY / JAILBAIT / TIME WAS // F.U.B.B. / FRONT PAGE NEWS / GOODBYE BABY HELLO FRIEND / COME IN FROM THE RAIN / THE DAY I FOUND YOUR LOVE // REST IN PEACE / HALF PAST LOVIN' / NO WATER IN THE WELL / MOONSHINE

CD6は、80年のBBCでのライヴです。同じ曲目のブートも出ている、有名な音源ですね。

 DOCTOR / BLIND EYE / THE WAY OF THE WORLD / INSOMNIA / QUEEN OF TORTURE / LIFELINE / LIVING PROOF / BLOWIN' FREE / HELPLESS / JAIL BAIT

CD7は、81年のBBCでのライヴと、85年のBBCでの放送(レコード音源)です。81年のほうは、ブートレッグでも有名な音源ですね。

 LADY WHISKEY / LIVING PROOF / UNDERGROUND / THE WARRIOR / KICKS ON THE STREET / PHOENIX / NUMBER THE BRAVE / HELPLESS // LONG LIVE THE NIGHT / PEOPLE IN MOTION / LOVE IS BLUE / CELL OR FAME

CD8は、82年のBBCのライヴと、92年のロンドン放送ですね。82年のほうは、これまたブートレッグでおなじみの音源です。92年のほうは、インタビューとスタジオ・ライヴが収められています。パーカッションの入ったTHROW DOWN THE SWORDとか、これはちょっと面白い音源でした。(^^)

 LADY WHISKEY / UNDERGROUND / THE WARRIOR / KICKS ON THE STREET / PHOENIX / NUMBER THE BRAVE / HELPLESS // STRANGE AFFAIR / THROW DOWN THE SWORD / WINGS OF DESIRE

CD9は、88年のBBCのライヴと、96年の放送です。88年のほうは、テッドの復活ライヴとして有名な音源ですね。クレジットに間違いがあって、本当はJAIL BAITまでがこの音源です。(^^;96年の放送のほうは、レコード音源ですね。

 TANGIBLE EVIDENCE / LIVING PROOF / GENEVIEVE / NO MORE LONELY NIGHTS / THE KING WILL COME / THROW DOWN THE SWORD / CLOUSSEAU / IN THE SKIN / BLOWIN FREE // JAIL BAIT / BLOWIN' FREE / MOUTAINSIDE / THE RING

CD10とCD11は、99年のライヴがフルに収められています。最新メンバーのライヴになるんですね、これは。日本ではなかなか聴けない面子なので、ちょっと面白かったですね。ちなみに、1曲目のTANGIBLE EVIDENCEは、real guitars have wingsのミスクレジットです。

 TANGIBLE EVIDENCE / UNDERGROUND / MOUNTAINSIDE / THE KING WILL COME / THROW DOWN THE SWORD / F.U.B.B. / MASTER OF DISGUISE // WINGS OF DESIRE / EVERYBODY NEEDS A FRIEND / SOMETIME WORLD / STRANGE AFFAIR / PHOENIX / BLOWIN' FREE

ということで、アッシュの放送音源が、全部で11枚のCDRにぎっしりと詰まっています。とは言え、レコード音源が混ざっていたり、収録されていないライヴがあったりして、「完全」なものとは言えないですけどね。ここに収められた以外の音源も含めてコンプリートにしてほしかったですね。それと、僕みたいにブートレッグやトランスクリプション・ディスクをちまちま集めていた人間にとっては、初めて耳にする音源が少ないのも残念でした。

まあ、一気に音源を集めたい人には好都合でしょうし、BBCのディスクはかなりの高価になるので、それを集めることを思えば音源が安く手に入ることになるので、そういう利点もありますけどね。

どっちにしても、かなりのマニア向けのアイテムであることには間違いはなさそうです。