第26回 LOCKED IN TOUR のアッシュ

 

 さて、とうとうアコースティック・アルバム「BARE BONES」が発売されました。とはいえ、僕はまだ入手していない(US ASHに注文中)なので、これについては次回アップすることにしましょう。(^^;

ところで、今日は新しいCDの紹介です。「THE KING WILL COME -LIVE-」というタイトルのこのCDですが、イギリスのレシーバー・レコードから出ています。(音源、音質から考えて、たぶんブートでしょうね。→と思いきや、CD NOWにもあるという、正規盤でした。(^^;)

曲目は、1.REST IN PEACE / 2.THE KING WILL COME / 3.TRUST IN YOU / 4.PERSEPHONE / 5.MOONSHINE / 6.HALF PAST LOVING / 7.ROCK'N ROLL WIDOW / 8.TIME WAS / 9.BALLAD OF THE BEACONS / 10.THE WARRIOR / 11.THROW DOWN THE SWORD / 12.BLOWIN' FREE / 13.DOCTOR です。

そう、察しの通り、前半(M1-M8)は、ロックト・インの時のライヴ音源なんですね。サポートにキーボードが入っています。クレジットが正しければ、76年のアメリカン・ツアーのダヴェンポートでのライヴです。そして後半は、73年のウイッシュボーン・フォーの時のカナダでのライヴです。

びっくりしたのは前半です。今まで聴いたことがなかったLOCKED INツアーの音源ですよ〜(涙ナミダ)。音は、多少歪んでいるものの、まずまずのステレオ・サウンドボード録音ですね。

で、肝心のサウンドですが、僕が聴いたことのあるどの時期のアッシュとも違う、独特のサウンドをしています。キーボードが入っているというのも理由のひとつとしてあるのですが、アンディーとローリーのギター・プレイも、他の時期とは違って独特な音なのです。むろん、ギター・ソロはいつものアッシュなのですが、バッキングのサウンドが、甘いというかレイド・バックというか、凄くアメリカンなサウンドです。当然のごとくロックト・インからの4曲はしっくりくるのだけど、昔の曲で言うと、名曲M2のリフですら全く別の印象を受けます。M4も繊細さがどこかにいっちゃってますしね。

M7のイントロも、キーボードの音のせいか印象は全然違うし、マーティンの歌のフェイクもすごいですよ。かろうじてハーモニー・ツインは昔のままでしたけれど、バッキングも変わっています。まあ、スライド・ギターが入っていないのだから、当然といえば当然ですけどね。ただ、この曲に関しては、新しいアレンジとして聴いたら、なかなかカッコイイですけどね。

そしてM8です。崩したギター・リフはキーボードと絡んで、アメリカン・ファンキーサウンドになっています。(^^;簡単に言うと、「TIME WAS」の「REST IN PEACE」風アレンジという感じですね。これはこれで悪くないと僕は思うのですが、懐古主義的なアッシュファンが聴くとどう思うでしょうか?(激怒するかな?)THEY ARE THE AMERICAN BANDですね、ホント。(^^;

前半のインパクトがあまりにも強烈だったので、後半はイマイチ平凡な印象ですね。サウンドのまとまり的には正規盤のライヴ・デイトに敵うはずもないですが、ここでのスティーヴのドラムとマーティンのベースは、はるかに迫力があります。ただ、テッドのギターの音が極端に小さいくて、音のバランスはあまり良くないです。

M9ではマーティンの声がかなりかすれていますね。この日は喉を痛めていたのでしょうか?と思うまもなく、テッドのソロのところであっさり歓声をかぶせてフェイド・アウトです。なんじゃこりゃ〜!(松田優作風)M10もなかなか迫力がありますね。でも、途中でノイズ(はじめに録音したときの機材が悪かったのでしょうけどね)も聴こえます。M11のアンディーのギター・ソロは、いつもながら見事ですね。

特筆すべきは、ラストのM13でしょう。この曲のテッドのバージョンが聴けるなんて思っていませんでした。当然、ファンの人気の高かった曲(ライヴ・デイトの「ROCK'N ROLL WIDOW」の前のスティーヴと客のやりとりを聞けばわかります)だから、演奏はしていたとは思っていましたが、ライヴ・デイトからもはずれたし、他のブートのラジオ音源にもないし、テッドの演奏では心許なくて音源化しなかったのかと思っていたのですよ、実は。このテイクを聞く限り、テッドもかなり弾いてますね、やっぱり。(^^;アンディーのギターも、スタジオ盤の何倍もカッコイイですよ。でもね、一番目立っているのは、スティーヴのドラムでした。

ということで、「とにかく昔が一番!」というアッシュファンには、あまりオススメできませんが、貴重なライヴを聴けるCDであることには変わりありません。

あと、CDの音の入り方か音のレベルかどうかわかりませんが、僕のCDプレーヤーではトレース・ミスすることがあります。CDRレコーダーで聴くと平気なんですけどね。(^^;

とにかく、ファンならば一度聴いてみてくださいね。きっと、びっくりしますから。

 < THE KING WILL COME - LIVE / WISHBONE ASH / RECIEVER / RRCD-276>