第12回 TWIN BARRELS BURNING

 

 CDレビューとHP本文と、このアルバムの同時登場となりました。というのが、アメリカ盤のこのLPをゲットしたからなのです。ということで、CDレビューとここで2種類のジャケットが楽しめます。まあ、ジャケットは、完全にアメリカ盤の勝ちですね。このHPでは(載せてないので)わからないのですが、イギリス盤の裏ジャケは、ちょっと「ちゃちい」のですよ。((^^;)で、このアルバムですが、アメリカ盤では曲順が違います。イギリス盤の曲順は(CDも一緒なので)CDレビューを見てもらうこととして、こっちの曲順を書くと、こうなります。

SIDE 1 : ENGINE OVERHEAT / CAN'T FIGHT LOVE / NO MORE LONELY NIGHTS / WIND UP

SIDE 2 : STREETS OF SHAME / MY GUITAR / HOLD ON / GENEVIEVE / ANGELS HAVE MERCY

 アメリカとイギリスの好みの違いかなと思って針を落としたんですが、びっくりしました。曲順どころか、サウンドまでも違うのです。もしかしたらCDとレコードの違いかもしれないと思って、イギリス盤のLPをひっぱり出して聴き比べました。すると......やっぱり完全に違うミックスです。このアルバムのほうが、クリアーでパワフルな音にミックスされていて、特に、ドラムのバランスとエコーにそれが顕著です。いかにもアメリカ好みの「タイト」な音になっているのです。

 で、ジャケットをしげしげと眺めると....ありました。クレジットに「Remixed by PHIL AFFEL」「Mastered by GEORGE HORN」ということで、アメリカ向けにリミックス&リマスターされているんですね。気がつくと、発売もイギリスで発売されたの次の年の1983年になっています。(ちなみに、日本盤は出ていません。)昔のアッシュのアルバムならともかく、この頃のアッシュのサウンドには、イギリスや日本風のちょっとこもった音よりも、このアメリカ風の音のほうが似合いますね。(^^)

 そう言えば、僕の好きなスクイーズのヒット曲に「渚の足跡」という曲があるのですが、この曲も、アメリカ向けには「タイト」なミックスが使われていたことを思い出しました。スクイーズの場合、タイトルにちゃんと「U.S. MIX」とクレジットされていましたけどね。(昔、この曲のU.S.ミックスの入った5インチCDの日本盤が出てたのだけど、買い損ねちゃいました。)

 話をもとに戻して、レコードを裏返してB面に行っても、やはり同じ「タイト」なミックスです。でもね、イギリス盤で「ちょっと聴くのは辛いな」と感じた曲(たとえば「STREETS OF SHAME」)でも、このアルバムなら意外にすんなり聴けたりします。バッド・カンパニー風の「ANGELS HAVE MERCY」も、こっちのほうがカッコいいです。それよりも、(A面だけど)僕の大好きな曲の「NO MORE LONELY NIGHT」です。ドラムがパワフルになっているぶんだけ迫力がまして、すごくカッコよくなっています。昔から、この曲はレコード(CD)よりビデオ(LD)の演奏のほうがいいと思っていたのですが、このレコードのミックスならば十分ライヴに匹敵しますね。(^^)

 ただ、唯一「HOLD ON」みたいに昔のアッシュのイメージが深い曲では、やはりイギリス風のしっとりミックスのほうがいいですね。この曲だけは、アメリカ風ミックスでは、薄っぺらく感じます。

 こうして聴き比べてみると、やっぱりこの頃のアッシュは、イギリスよりもアメリカのサウンドになっていたってことなんでしょうね。ミックスの違いから、そんなことを考えてしまいました。

 < TWIN BARRELS BURNING / FANTASY / F-9629 / U.S.A. >