第5回 WISHBONE ASH ARCHIVE SERIES

 最近、WISHBONE ASHのブートCDが2枚ほど出ました。(1枚はまだ予定ですが。)そのうちの1枚の「PHOENIX OVER」ですが、クレジットによると、1976年の東洋でのライヴと、1975年のレディング・フェスティバルでのライヴとなっていたので、楽しみにしていたのですが...。76年のライヴとなっている部分は、日本のみの正規盤「ライヴ・イン・トーキョー」(78年のライヴ)の音源でした。当然ながら、曲目も全く同じです。まあ、しょせんブートですから、仕方ないのかもしれないなと、思っていたところへ、新しいコンピレーションが発売されました。

 ARCHIVE SERIES(と言っても、US ASH FAN CLUB作成のARCHIVES VOL.1〜3とは違います)と名付けられた中の1枚ですけど、始めに曲目を見た時は、あまり面白くなさそうな選曲でした。「なんだ、ありきたりのコンピレーションか....」と思って、(レコード風に書けば)針を落とした瞬間、びっくりしました。「えっ、これ、ライヴじゃん。」

 そう、これは未発表ライヴコンピレーションだったのです。曲は初期の曲と90年代初頭の曲とが混ざっているものの、一貫してマーティンが歌っているところから、おそらく前半はアーガス・ツアーの音源、後半はストレンジ・アフェア・ツアーの音源でしょう。(途中の歓声の部分で編集してあります。)(注:どうやら、このCDは、live time lineを中心とした編集もののようです。曲がちょっとだけ違うので、気付きませんでした。...がっくし。(^^;)

 しかし、オープニングの「よみの国へ」のベースの迫力はどうでしょう。スタジオ盤を遙かに凌駕しています。ギターよりもベースのほうが音が大きいくらいです。はっきり言ってカッコいいです。うん。そう言えば、この曲は、日本でもセカンド・シングルでした。(1枚目は「光なき世界」です。)でも、このシングルって、いったい何枚くらい売れたんでしょうか?

 後半は、さすがに全盛期のパワーはありませんが、なかなかのシブさです。「WINGS OF DESIRE」のライブって、意外といけますね。(^^)まあ、この頃のライヴは、正規盤の「ライヴ・イン・シカゴ」がありますから、聴き比べてみるのもおもしろいかもしれませんね。

 そうそう、今週の木曜日(12日かな)の24時から、NHKFMの「BBCインコンサート」は、ウイッシュボーン・アッシュです。72年の音源ということですので、アーガス・ツアーのやつですね。正規盤の「B.B.C. IN CONCERT」とか、ブートの「FIGHTERS AND WARRIORS」で有名なやつです。でも、前者はモノラルですし、後者は録音状況が変な部分もあるので、一応、エアチェックはしますけどね。(でも、正直言って、どうせなら76年か82年のライヴをフルにやってほしかったな。)

 だけど、FMでやるライヴ聴くくらいなら、このCD聴いたほうがいいですよ、ホント。安い(CDユニバースでは10ドルしない)ですしね。ところで、このCD、得体のしれないメーカーから出てるし、クレジットも変だし(THE KING HAS COMEなんてね)、もしかしたらブートメーカーなのかな?よくわかりませんけれど。(^^;

-ARCHIVE SERIES- WISHBONE ASH <UK / RIALTO / RMCD-224>

VAS DIS / PHOENIX / WHERE WERE YOU TOMORROW / BLOWIN' FREE / LEAF AND STREAM /

THE KING HAS COME / LOST CAUSE IN PARADISE / STANDING IN THE RAIN / THIS STRANGE AFFAIR /

THROW DOWN THE SWORD / TIME WAS / WINGS OF DESIRE / IN THE SKIN


                         4月15日追補

 「ILLUMINATIONS」のブックレットにもお名前が載っている水嶋さんから、「ARCHIVES」に関するご指摘をいただきました。

  (1)「ARCHIVES」の曲のうち、PHOENIX と LEAF AND STREAM を除くものは、「LIVE TIME LINE」の焼き直し    である。 

  (2)ライヴは91年の名古屋での音源が中心となっている。(PHOENIX は初登場音源だろう。)

  (3)LEAF AND ATREAM はスタジオアウトテイクではないだろうか。

ということです。以上、お礼とともに、追加情報として載せておきます。

 「よみの国へ」とか「明日はいずこへ」とか「フェニックス」とかは、さすがに初期のライヴでしょうけれど、後半のほうは91年の名古屋だったんですね。「LIVE IN TOKYO」に対抗して「LIVE IN NAGOYA」って感じですね。(^^)

 ところで、このCDですけど、ジャケットだけなら「LIVE TIME LINE」をはるかに凌いでいますね。(^^)ホント、新しい編集のCDが出るのはいいのですが、ジャケットにも、もう少し気を使ってほしいところですよね。