第60回 run

 チューリップの正真正銘(今度こそ本当でしょうね(笑))のラスト・ツアーも始まりますね。忘れた頃の更新になる今回は、ツアー・タイトルにもなったニュー・アルバム「run」の話題です。

超久々のオリジナル・アルバム(すべて新曲のアルバムなんて「WELL」以来でしょうか。)で、しかも2枚組ということなので、リリース前から話題になっていただけに、僕も発売日にしっかりとゲットしましたよ。(^^)いそいそと家に帰り、いかにもラストアルバムという趣のあるジャケットを手に、僕はCDをトレーに載せました。

まずは1枚目です。
1 run / 2 果てしない旅 / 3 明日のクライシス / 4 試してごらん嘘じゃない(時は涙を連れて行く) / 5 スズラン / 6 自分に素晴らしい / 7 NEVER ENDING / 8 Sunny 〜朝陽はそこに居たよ〜 / 9 天使になるから / 10 Rainbow

オープニングのM1はタイトル・チューンでもあります。当然のように財津さんの曲なのですが、渋めにキメていますね。続くM2は、珍しく上田−姫野コンビの作品ですね。でも、曲が始まった途端に、思わず歓声をあげてしまいました。流れてきたサウンドは、TULIPと言うよりも完全にALWAYSのサウンドだったのです。(^^)ALWAYSフリークの人なら、曲の根底に「LOVE TIME TRIP」を強く感じると思います。(いえ、いっそ「続編」といってしまったほうがいいくらいかもしれませんね。)姫野節がたっぷりと味わえるミッドテンポのロックン・ロールです。

M3は、またまた財津さんの曲です。現代社会を揶揄しながらも前向きな曲ですね。比較的すっきりとしたサウンドの曲です。M4は、なんと、安部さんが単独で書いた作品です。(ちょっとびっくり。)で、歌は....上田さんですか。(ちょっと残念。)せっかくだから安部さんが歌ったらいいのにねと思ったのは、きっと僕だけではないでしょう。でも、誤解のないように。上田さんのヴォーカルは最高の仕上がりです。(^^)サウンド的には、ビートルズ中後期の「ビンビン」ポールを彷彿させる宮城さんのベースが印象的な曲です。

M5は、宮城さんの書いたアコースティック・ナンバーです。ホント、いつもいい曲を書いてくれますね。途中で入るアコギのフレーズは、懐かしい名曲たちを思い起こさせてくれますね。(^^)僕はラス前の just the way you are のリフににんまりしましたけどね。ビートルズ風に始まるM6は、財津さんの書いたロックン・ロールです。財津節満載だと思いますが、じっくりと歌っていますね。間奏のサラウンド処理(20年ほど前に開発された当時は1曲使用するのに百万単位の費用がかかったそうですが)が面白いですね。

M7は姫野さんのアコースティック・ナンバーです。これまたALWAYSっぽい曲ですね。この曲の根底には(作詞は宮城さんなんだけども)「新青年」を感じます。(^^)姫野さんらしい優しい曲ですね。M8は上田さんのペンになる曲です。結構ジャジーな曲ですが、60年代後半の香りも強くしますね。ギターのアレンジは、まるでピカデリーサーカスです。カッコイイ曲だと思いますよ。

M9は、財津さんの曲ですね。さわやかでポップな曲ですよ。2期のチューリップっぽいコーラスもいい感じです。ラストのM10は、幻想的なアコギのアルペジオで始まります。姫野さんの曲に杉真理さんの歌詞という、めずらしくゲスト作家を迎えての作品です(友情出演というところかな?)。サビは少し間延びしている感もありますが、姫野さんらしい美しいメロディーの曲ですね。ちょっとビートルズ風の展開もあるのですが、余韻をいっぱいに残したまま、静かに曲は終わっていきます。

1枚目を聞き終えて、本当にいいアルバムだなと思えました。メンバー全員の作品を散りばめ、地味ながらもクオリティの高い楽曲をそろえたなという感じですね。特に上田さんの歌う曲が本当に印象的です。安部-姫野コンビの曲がないというところはちと残念ですけど、十二分に素晴らしい仕上がりだと思います。

では、2枚目を聞いていきませう。

1 あの星へもどろう / 2 Tea-House / 3 あなたとめぐり会って / 4 翼はいらない / 5 君を抱き上げて / 6 昼間の雨 / 7 空を見上げる人 / 8 すべては忘れた / 9 見えないものも信じられるさ 愛が信じられるなら / 10 たった一日で君との永遠が見えたんだ

1曲目が流れてきたとき1枚目との雰囲気の違いに驚きました。M1はサビに必殺のメロディーを備えた曲ですし、安部さんのソロも聴き応えいっぱいでまだ違和感はそんなになかったのですが、M2からの楽曲は、完全に財津さんの世界でした。そう、この2枚目は「財津和夫ソロ・アルバム」と言うべき内容だったのです。
ご存じのように、僕は財津さんよりも安部-姫野コンビの楽曲(と宮城さんの楽曲)に惹かれてTULIPのファンになった人間です。そんな非主流派のTULIPファンにとって、この2枚目は「果たしてこれはTULPのアルバムなの?」思えるものでした。(もちろん、TULIPは財津さんのバンドですし、バンドの歴史の最後に「原点に戻った1枚」を作成するという気持ちはわからなくはありませんけれども。)
2枚目は、好意的な解釈では「TULIPが自分のバンドだという再確認」、穿った解釈では「TULIPの名前を使っての個人的商売」という気がします。まあ、視点を変えると、この2枚目があったからこそ、1枚目がメンバーにバランス良く光が当たった好作品となり得たのではないかと思いますから、それなりの意義はあったのではないかと(笑)。(最も、これはあくまで僕の個人的な感想であって、財津さんフリークのみなさんには、この2枚組は本当に「たまらない」アルバムとなっているのではないかな?と思いますけどね。)

このアルバムを「TULIPのラストアルバムと財津さんのソロアルバムのカップリング」と仮定してみるとまだ違和感は少ないように思いますが、2枚組としてとらえると(まるでホワイトアルバムみたいに)全体の印象が散漫になってしまったように感じます。2枚目にも(たとえばM1,M5,M10のように)群を抜いている曲があるのですから、そのあたりの曲を含めて14曲くらいのシングル・アルバムにまとめておけば「凄い」アルバムになっただろうにと思うのは、僕だけでしょうか?

いろいろ書きましたが、いろんな意味でこれが「TULIPのラストアルバム」なのでしょう。僕にとっては久々に感じたALWAYSの香りが嬉しかったのですが、受け止め方は十人十色だと思います。みなさんも、最後のTULIPのサウンドを楽しんでくださいね。.....もちろん、次はライヴでね。(^^)

それじゃ、また次回に....ALWAYSの活動再開を願いながら.....。