音楽でサラダ菜を育てる野菜栽培農家

ウエスト・フランス紙 2011年1月8日(土)

シャルロット・ミュラ記

クリスチアン・ドゥ・コナンクは、サラダ菜の病気を退治するため、
1日に2回、6分間ずつ音楽を流している。(撮影:ジャン-イヴ・デフー)


クドレー-ラビュに住むクリスチアン・ドゥ・コナンクは、ある科学的発見から生まれた特殊な音楽を使ってサラダ菜が病気にならないようにしている。その音楽は、タンパク質分子の中枢に作用するのだ。

経緯

正午頃にクリスチアン・ドゥ・コナンクの温室に近づくと、奇妙な音楽が漏れ聞こえてくる。というのも、ポン-レヴェックにほど近いクドレー-ラビュに住むこの野菜栽培農家は、サラダ菜を育てるのに6ヶ月前からジェノディというちょっと変わった方法を試しているからだ。

彼は1日に2回、温室のまん中に位置する白い箱を作動させ、6分間にわたって音楽を流す。「サラダ菜を腐らせる菌核菌にやられないようにするためです」。この野菜栽培農家によると、うまくいくと言う。「11月に植えたサラダ菜が育っている温室の中にこの装置を設置しました。この時期は育てるのが最も難しいのです。昨年は土を処理してもいいサラダ菜が10〜15%しか採れなかったのに、今年は処理していない土でその割合が80%ほどになっています」とクリスチアン・ドゥ・コナンクは詳しく説明してくれた。

フランスで36の農家

流す音楽はちょっと変わっている。モーツァルトでもバッハでもなく、流行作曲家の最新作でもない。それはプロテオディと呼ばれていて、非常に重要な科学的発見である。「この方法は、ジョエル・ステルンナイメールとその仲間の仕事が元になっています。プロテオディというのは、タンパク質の合成調節に対応する周波数列なのです」と、この方法をビジネスにしているジェノディクス社の事業部長ペドロ・フェランディーズは説明する。

はっきり言えば、サラダ菜を構成するタンパク質分子の中で起こっていることを再現した音楽である。タンパク質に応じてその合成を促進したり抑制したりすることで、病気にならなくすることや味を変化させること、さらには乾燥に強くすることができる。「今のところフランスの36の農家がこの方法を利用しています。われわれは、ブルターニュの養豚場のお手伝いとして、離乳後に死ぬ子ブタを減らすプロテオディさえ開発しました」とペドロ・フェランディーズは誇らしげに語る。

しかしその気にさせるのは必ずしも容易ではない。「最近あったカルヴァドスの野菜栽培農家の全体集会でフェランディーズ氏がプロテオディの考え方をプレゼンテーションしてくれたとき、その気になったのは私だけでした。他の人たちは私をちょっとバカにしました」とクリスチアン・ドゥ・コナンクは思い出して語る。

この野菜栽培農家は、「結果に驚いた最初の人間です。新しいことを試すのはいつもOKなので契約しました。でも私の農民としての側面は、目に見えることしか信じてはならないと命令します」。そこで彼は、“最もリスクが少ない温室の中に”装置を設置したのだった。しかし結果に納得させられた彼は、サラダ菜を根から腐らせる根腐病と闘うため、ジェノディクス社に別のプロテオディを開発してくれるよう頼んだ。彼は、この方法をキュウリでも利用することを考えている。