“タンパク質の音楽”で子ブタの死亡率低下

ウドゥーユ(ワーズ県)のサント-ブーヴ農場にて「スケール共鳴によるタンパク質の生合成のエピジェネティックな制御法」を適用して離乳後の子ブタで大腸菌が原因の細菌症を防止する実験の報告

ペドロ・フェランディーズ


元気よく育っている子ブタ


I.はじめに

子ブタは、離乳後、感染性媒体、その中でも特に大腸菌に非常に弱い。子ブタがこの細菌からまったく保護されないならば、この細菌は、ブタ飼育における離乳後10日〜15日間の大きな死亡率の原因となる。例えばペイ・ドゥ・ロワールでは、有機飼育で12%の死亡率が見られ、通常の飼育では、抗生物質の使用が認められているにもかかわらず7%の死亡率が見られている。ウドゥーユ地区では、サント-ブーヴ農場を担当する技術指導者が、有機飼育の離乳後の段階で以下のような死亡率を確認している。

- 従来型の建物または野外で:平均死亡率3.8%、標準偏差は0.52〜9.12;

- 新式の建物で:平均死亡率2.87%、標準偏差は0.83〜4.72。

子ブタのこのような弱さは、この細菌の増殖に対する免疫防御がまだ十分に発達していないことに起因する。遭遇する最も大きな問題は大腸菌性腸炎または出血性空腸炎であり、それによって子ブタが死に至る。他の動物では、この感染症は下痢として現われ、成長の遅れを引き起こす。

この細菌症を防止するため、ウドゥーユのサント-ブーヴ農場にて2010年4月から表題の方法(ジェノディック法)を適用して複数回の実験を行なった。

II.材料と方法

サント-ブーヴ農場は、ビオディナミーでの栽培と飼育を行なっている160ヘクタールの農場である。この農場では穀物を栽培しており、その一部がブタとウシを飼育するための餌となる。ブタの飼育に関しては、サント-ブーヴ農場は定期的に生後6週間の子ブタを受け入れており、この農場で6ヶ月またはそれ以上の期間にわたって飼育する。

飼育者は、これまで、離乳後の期間に子ブタのグループによって死亡率が小さかったり非常に大きかったりすることと、下痢を確認してきている。

ジェノディクス社のことを知ったサント-ブーヴ夫妻は、ジェノディック法を適用して子ブタの死亡率を低下させることに興味を抱いた。

2010年4月から、新たな子ブタたちが農場に到着するごとに到着日から15日間にわたってジェノディック法を適用することに決まった。実験の全期間は6ヶ月である。

ジェノディック法を実施するため、プログラム可能な音楽演奏システムを設置した。音のレベルは、すべての子ブタに聞こえるように調節した。(離乳後の)子ブタを受け入れた後、長さ6分間の“プロテオディ”の演奏を1日に3回、7時頃と夕方の19時頃に、毎日2週間にわたって続けた。

演奏するメロディは、子ブタの免疫防御、特に細菌に対する防御を促進することと、大腸菌の増殖を抑制することを目的として選択した。それに加え、子ブタのストレスを低下させるメロディも含めた。

III.結果

3.1 2010年4月28日に到着した子ブタ群

子ブタの数:112頭

演奏開始:2010年4月29日

演奏終了:2010年5月15日

演奏頻度:1日に2回(7時と19時)に6分間

死亡:ゼロ

下痢:見られず

コメント: サント-ブーヴ氏は、この子ブタたちが従来と比べて特におとなしくてストレスがほとんどないと感じた。子ブタには下痢がまったく見られず、従来よりも生育がよかった。この事実から、サント-ブーヴ氏は、従来よりも早い時期にタンパク質がより豊富な生育用飼料に切り換えた。


3.2 2010年7月1日に到着した子ブタ群

子ブタの数:196頭

演奏開始:2010年7月2日

演奏終了:2010年7月17日

演奏頻度:1日に2回(7時と19時)に6分間

死亡:2頭(ただし下痢が原因ではない)

下痢:見られず

コメント: 子ブタたちの生育レベルが上々であることを見て、サント-ブーヴ氏は7月9日に生育用飼料に切り換えた。子ブタたちは飼料の変化をうまく受け入れた。子ブタたちはタンパク質の豊富な飼料を非常によく、しかも従来よりも早く食べ始めたため、成長にとって有利になった。子ブタたちは従来よりも元気があった。


3.3 2010年9月1日に到着した子ブタ群

子ブタの数:235頭

演奏開始:2010年9月2日

演奏終了:2010年9月17日

演奏頻度:1日に2回(7時と19時)に6分間

死亡:ゼロ

下痢:見られず

コメント: 子ブタたちの生育レベルは上々であることが確認された。子ブタたちは飼料の変化をうまく受け入れた。子ブタたちはタンパク質の豊富な飼料を非常によく、しかも従来よりも早く食べ始めたため、成長にとって有利になった。子ブタたちは従来よりも元気があった。成長度が同じ時期で比べると従来よりも飼料が節約されるため、収益性が向上する。


IV.実験の継続

子ブタ(10月、11月、...)でこの方法を利用する実験が継続される予定である。それと並行して4月と7月の子ブタ群の成長具合の追跡、特にこの期間中の子ブタたちの体重変化の測定を予定している。

9月末には、4月末に受け入れた子ブタがすべて、通常のスケジュールと比べて2週間早く成熟した(飼料の節約)。食肉にするため半数を売ったとき、これら子ブタの肉は脂肪分がより少なかった。