筋肉や関節強く─リハビリ支援装置で効果 兵庫医科大 臨床で確認

 兵庫医科大学の道免和久・助教授らの研究グループは、開発中のリハビリテーション支援装置の効果を臨床試験で確認した。脳卒中などで手が麻痺(まひ)している患者に装置を使ってもらったところ、症状が改善することがわかった。臨床試験の対象人数を拡大し、実用化を目指す。
 
 研究グループは、旭化成と子会社の旭エンジニアリング(東京・港、宮崎光曄社長)、大阪大学の古荘純次教授らが開発した支援装置を臨床試験で使用した。装置はロボットの腕のような形で、先端に付いた取っ手を握り、パソコン画面の指示に従って動かす。平面だけでなく立体的な腕を動かすことができる。

訓練風景(麻痺した左手を使ってエアホッケー
ゲームを行っているところ。)

 脳卒中を発症して7カ月後と8年目の患者2人で試験した。1回40分のリハビリを週3回、6週間継続した。麻痺した手を活用して肩やひじの筋肉が強くなり、関節が動く範囲も広がった。日常生活で手を使用する頻度も増えたという。

 研究は新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のプロジェクトの一環。装置が実用化できると、患者一人でもリハビリに取り組めるようになるという。今後、臨床試験をさらにすすめて性能評価のデータを集める。 (2004.1.15 日経産業新聞)

解説:新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のプロジェクトの一環として開発中のリハビリ支援装置について、現在、大阪大学、旭エンジニアリング、兵庫医科大学で臨床研究を進めています。上記記事は、プロトコールにしたがって実施した初期の患者さんの結果を取材でお答えしたものです。現在、8例の患者さんについて訓練を実施中で、その結果は6月の日本リハビリテーション医学会で発表の予定です。

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大阪大学大学院工学研究科 電子制御機械工学専攻古荘研究室

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