高次脳機能障害のリハビリテーション
リハビリテーション医 道免和久
*詳しい基礎知識はこちらを御覧下さい(訳文なので少しわかりにくいと思います。申し訳ありません)。
以下にご相談の多い疑問についてわかりやすくQ&A方式で掲載します。
A.リハビリテーション専門医がいるリハビリ科の外来の受診をお勧めします。リハビリテーション専門医が在籍する施設はリハビリ医学会の研修施設になっていますので、調べやすいと思います。精神神経科の先生や神経内科の先生でも詳しい方はいらっしゃいますので、まずは医療機関に問い合わせて頂くのが良いと思います。また、高次脳機能障害のモデル事業を国が実施していますので、その拠点病院を受診するのも一つの方法です。高次脳機能障害についていろいろな意見の先生がいらっしゃいますので、積極的にセカンドオピニオンを受けることもご検討下さい。
Q.高次脳機能障害のリハビリのために入院するのですか?
A.医療機関によってさまざまだと思います。私の方針は、まず1週間程度、評価目的の入院をして頂き、その後外来で週に1日程度のリハビリを継続するようにしています。期間は疾患や重症度によって変わりますが、発症後1年程度を目安にしています。訓練効果がある場合には、さらに延長する場合もあります。通常、言語療法と作業療法の二本立てで実施致します。評価目的の入院が難しい場合、外来で評価することも可能ですが、初期評価が出そろうまで時間がかかります。
Q.復職はできますか?
A.もちろん、重症度と仕事の内容によります。共通して言えることは、発症後3か月とか6か月程度の早い時期に結論を出さないことです。麻痺などの症状は発症後6か月もしますと、それ以上の改善はないことが多いのですが、高次脳機能障害については、発症後1年、あるいは1年半くらいまでは改善する場合があります。仕事内容によっては、発症後2年くらいで復職できる場合もあります。会社の方も、どんな仕事ができるのか判断できない場合があり、その場合には、主治医の先生に会社の上司と一緒に面談できないか、お願いしてみましょう。もちろん納得のいく形で主治医の先生が意見を述べて下さるかどうかはわかりません。事前によく相談して下さい。そこまで行っても難しいのは、実際に医療スタッフが職場に行くことができないことです。このような場合の対策として、職場での支援を行うジョブコーチという事業も始まっています。
Q.つづく
A.つづく