医師国家試験合格のための先輩からのアドバイス

医学教育のコア・カリキュラムが発表され、医学部での教育が標準化されようとしています。リハビリテーション医学についてみますと、リハビリテーション科がない大学での教育が心配になるほど、コア・カリキュラムの中で重視されていることがわかります。超高齢化社会においては当然のことですが、国家試験の比重に関係なくしっかりと学んで頂きたいと思います。今後は、リハビリテーション関連項目の比重が増加するのではないかと思います。


 「医師過剰」のページでも書きましたように、今後、日本は医師数抑制の方向に向かうと思われます。医学部定員数の削減や卒後臨床研修制度は、医師数抑制のための方策の一つですが、もう一つ、医師国家試験合格者数の抑制ということも予想されます。つまり「難しくなる」わけです。

 国試は立派な医者になるための、通過点にすぎませんが、とにかく合格しないことには始まりません。そこで、医師国家試験勉強の方法について、以下にいろんな「私見」を掲載します。勉強方法には、諸説があるはずですし、自分にあった方法を見つけることが重要ではありますが、いろいろな先輩の体験談を読んで、その共通点から何かかのヒントが得られることを期待しています。大切な出発点でつまずかないようにしましょう!


D先生が考える必勝法!

グループ学習はできるだけ早期から開始する!
全学年で結束力をもって望む!

友人に教え友人に教えられながら全員が向上!

臨床実習で関連項目を含め具体的に印象づけて記憶する!


[詰め込む量−常識の量]を最小に!!

 最近の国家試験は、量が膨大になり、体力をキープするだけでも大変、地雷問題もあり、私たちの頃(1986年)とは異なる様相となっています。しかし、基本的な医学の知識を勉強する方法に、大きな変わりはないと思います。
 医師国家試験に必要な知識は膨大です。ある人は「丸暗記は駄目、理解しなさい」と言いますが、最後は「膨大な知識を丸暗記して試験に臨む」ことにならざるをえません。医学のプロをめざすのですから「ゆとり学習」なんてダメで、とにかく、最後は「詰め込め!詰め込め!・・・・」ということになります。
 さて、ここで問題なのは、いくら勉強しても直前に詰め込める量には限界がある、ということです。ですから、合格のための重要なポイントは、「直前に詰め込む量を能力の範囲内に抑える」ことです。裏を返せば、「直前に詰め込める以外の知識は、すべて『常識』のように記憶に固定できるくらい、明確に『理解』しておく」必要があります。
 私の場合は、6年生に入って、4人グループでの勉強会を始めました。PO症例云々という、症例検討ばかり集まった参考書がありましたが、それを材料に4人グループで、1人1症例を担当し、1回に4症例ずつ勉強しました。自分の症例については、病態生理を含めて、他の3人に十分に解説できるだけの下調べを済ませておき、グループの3人に『教える』わけです。(教えると、覚えます!)自分が担当した症例については、かなり印象深く、理解することができるだけでなく、他の3症例についても、十分に教えてもらえるので、1回の勉強会の収穫はかなり大きかったと思います。これを週3回くらやれば、あっという間に数冊の症例検討が終了し、丸暗記ではない『理解』を伴った知識が蓄積されました。ちなみに勉強会の場所は、いつも美味しい紅茶専門店でしたので、楽しく勉強した!という印象しか残っていません。

 各科の試験では、かなり丸暗記に近い勉強しかしていなくても、グループ学習をするうちに、あとから丸暗記の知識同士がつながっていきました。夏休み頃からは、過去問を中心に、ポリクリグループで勉強を開始し、一緒に冗談をいいながら印象を深く記憶していきました。「えっ、そんなことも知らないの?」「馬鹿じゃない?」など言われながら勉強すると、絶対に忘れないものです。もちろん、この頃になれば、自分一人でも十分に暗記と理解を繰り返していきました。
 年が明けてからは、1日18時間ペースで勉強し、1日30分の食事以外の時間はトイレや風呂の時間も含めて、全てが詰め込み勉強の時間でした。部屋中(トイレも風呂の天井まで)、暗記のための張り紙だらけになりました。試験日から逆算して、すべての知識を3回見直す、という計算をすると、1日にやらなければならない分量が膨大になり、18時間勉強がどうしても必要でした。それでも、深く『理解』し『常識化』した知識の蓄積がある分野については、かなりのスピードで進むことができましたので、何とかなりました。(ちなみに、1分でも惜しかったので、大学の卒業式は友人とともに欠席しました。)
 一生のうちでも、こんなに詰め込んだことがないというくらい詰め込んでいくと、詰め込み知識どうしが、有機的につながり、『理解』につながることも沢山ありました。「あっ、そうだったんだ!」と。
 かなりの疲労困憊の勉強でしたが、無事試験が終了し、自己採点で94%くらい取って合格できました。あとから考えれば、少し睡眠時間を増やしても合格したとは思いますが、あの頃頑張った知識は、医者になった今でも役に立っています(あたりまえですけど)。
 蛇足ですが、1日18時間勉強していると、だんだん睡眠がシフトしていき、お昼頃に起きる生活をしていたため、試験日前日は全く寝られなくて困りました。試験に遅刻なんてことにならなくて本当によかったと思いました。

 (D・昭和61年慶應大卒)

私の医師国家試験対策

 私は地元の国立大学医学部に入学しました。そこは、毎年95%前後の医師国家試験の合格率を維持しており、特に現役生の合格率は97〜98%と比較的高水準にありました。毎年、5年生の秋になると、勉強会のグループが自主的に結成され、自習室や、図書館のセミナー室は5年生の熱気にあふれていました。
 そういう雰囲気を早くから感じたり、2学年上の先輩の国試勉強の体験をリアルタイムで聞いていた私は、「少し早いかな?」と感じたものの5年生に進級したばかりの日に気の合う友達に勉強会の提案をしました。理由は、他のグループか出来つつあったこと、自分は直前に詰め込みが効くタイプではない上、6年の夏までクラブ活動(某運動部のマネージャー)を続けたかったため、早くから計画的な勉強に取りかかりたかったこと等がありました。
 あれやこれやと話しているうちに、同志は6人になり、問題集もクエスチョンバンクという当時としては二大医師国家試験過去問題集の一つに決まりました。まず手始めに、4年生の年度末に試験が行われたこともあり神経内科から取りかかったのを覚えています。最初は2問ずつ割り当て、6人がそれぞれ問題の解説を行いました。勉強会の形式に慣れるにつれ、割り当て問題数も徐々に増やしていきました。

 神経内科を全問終えた後は、消化器や循環器とメジャーで皆が興味を持ちやすい分野から取りかかりました。そうしながら、内科、外科、小児科、産婦人科の臨床問題を6年生の夏休みの前までに一通り終えました。6年生の夏休みは、特に勉強会を開催することなく、個人で勉強しました。私はこの時期に内科、外科、小児科、産婦人科の一般問題を一通り解き終えました。
 ポリクリは5年の秋から6年の10月末まであり、それからすぐに卒業試験が始まりました。いわゆるマイナー科目はその科のポリクリ期間中に集中して勉強し、卒業試験の前にはその科目の国試の過去問も一通り解きました。マイナー科目は前の試験から3日後、メジャー科目は1週間後と小刻みに試験を受け続け、最後の科目は1月中旬に終わりました。
 あとはひたすら今までやった問題集を繰り返して解き、いろいろ知識を詰め込みました。朝は大学の図書館の開く9時から勉強をはじめ、食事は大学の食堂で済ませ、図書館の閉まった後も、自習室やコンピュータールーム等で夜中の2時頃まで勉強を続けました。朝の挨拶と食事の他はほとんど話すことがなかったけど、いつも一緒に勉強する仲間がいつの間にか出来ていました。大学から歩いてほんの3分の所に住んでいた私はそのわずかの間のおしゃべりで、その日のストレスを発散し、帰宅後はすぐに寝ました。
 国試が近づくにつれ、緊張のあまり不眠に陥る同級生が多い中、私は寝るとき以外いつも一緒の友達がペースメーカーになり、食欲も睡眠も最後まで規則正しく送れました。もちろん国家試験の前日も少し早く切り上げたものの、同じペースで一日送り、国試第一日目の夕方も、いつもの場所でいつもの友達と勉強しました。
 勉強、勉強の毎日だったけど、学生時代の最後で最大の目標に向かって邁進した日々は充実した日々でした。勉強会の仲間、追い込み時期一緒に頑張った友達と本当に良いペースメーカーに恵まれ、いつも他の人と進み具合がチェックできて精神的にも焦ることなく、試験勉強に没頭できたことが良かったです。
 人にはそれぞれ勉強法があり、まねをすれば良いというものではありませんが、同じ試験を受けるのであれば、他人と比べて進み具合や、知識の量や質が大きく違うと命取りになりかねません。特に医師国家試験は知識の量が莫大なため、その傾向は甚だしいといえます。良き先輩、良き友人を持つことが必勝パターンに持ち込む手段だと思います。

(N.A 平成7年卒)


次の体験談は、HさんかO さんです。お楽しみに!

同様の体験談を募集しています。載せたい方は、domen@neuro-reha.orgに送って下さい。

トップへ