ルイジアナ州ニューオーリンズ ポンチャートレイン・センター
 観衆4500人(満員)

  レポート:上村 彰

  カメラ:井田 英登

記者会見&ルール説明会(ラディソン・エアポート・ホテル)

 個人的には今回で3回目のUFC観戦だが、とうとうアメリカ上陸を果たした無頼庵編集長と合流したことによりプレスパスを入手。まずは試合当日午後1時からの記者会見&ルール説明会へ出席した。

 まず本大会がルイジアナ州のボクシング委員会とレスリング委員会に認可されたということが発表された。そして関係者の紹介のほか、レフリーのジョン・マッカーシーより細かい注意事項の説明があった。ワセリンを塗ってもよいのは目のまわりだけ、コーナーにつけるのは3人まで、倒されないように金網を掴むのは良いが金網に押し込んだ方が金網を掴んで膠着させようとした場合は離させる、判定は打撃、グラップリング、積極性の3点から判断される、などなど。他には、勝っても負けても試合後にはきちんとドクターチェックを受けなくてはいけないという点が強調されていた。

 会場には出場選手以外にもマーク・コールマン、モーリス・スミス、ヴィトー・ベウフォート、ウゴ・デュアルチ、アラン・ゴエス、ジョー・モレイラなどが来ていた。高阪選手のセコンドとして渡米してきたリングス・ジャパンの成瀬選手の姿も見える。

試合開始

 

 会場は湖に面したモダンな会議場といった雰囲気の建物で、オクタゴンを挟むように大きなスタンドが2つ設置されている。関係者に確認したところ定員4500人でチケットは完売とのこと。現地時間で8時からのPPV放送開始を前に、7時過ぎからライト級トーナメントの補欠戦第1試合が始まった。




試合レポート&迫真の写真は各試合結果をクリック!!

補欠戦第1試合
○クリス・ブレナン
(ブラジリアン柔術)vs コートニー・ターナー(ルタ・リーブリ)×
腕ひしぎ十字がため(1:20)


補欠戦第2試合
○ラバーン・クラーク
(ボクシング)vs ジョッシュ・スチュワート(ブラジリアン柔術)×
レフリーストップ(1:21)


ライト級トーナメント1回戦第1試合
○マイク・バーネット
(ライオンズデン)vs エウジーニョ・タデウ(ルタ・リーブリ)×
レフリーストップ(9:44)


ライト級トーナメント1回戦第2試合
○パット・ミレティッチ
(ムエタイ)vs タンゼンド・サンダース(レスリング)×
判定勝ち:2−1(本戦12分+延長3分)

ここでレフリーがジョン・マッカーシーに交代。

ミドル級スーパーファイト
○ジェリー・ボーランダー
(ライオンズデン)vs ケビン・ジャクソン(レスリング)×
腕ひしぎ十字がため(10:29)


ライト級トーナメント決勝戦
○パット・ミレティッチvs クリス・ブレナン×
サブミッション(9:03)


ヘビー級スーパーファイト
○高阪剛
(リングス・ジャパン)vs キモ(ブラジリアン柔術)×
判定勝ち3−0(本戦12分+延長3分)


ミドル級選手権試合
○フランク・シャムロック
(ユニバーサル・サブミッション・アカデミー)vs イゴール・ジノビエフ(柔道)×
KO、レフリーストップ(0:24)



最後に

 今大会はひとことで言うと過去最高の大会だったといえるのではないだろうか(すべてのUFCを見たわけではないが)。選手は皆十分に鍛練され、ミスマッチもなかった。技術的にもグラウンドパンチをきちんとさばいて、ブレイク狙いの膠着も少なく極め技も多彩である。特にフランクの投げ技によるKOは安全性も含めて今後その有効性が問い直されていくことだろう。

 そしてここまで読んだ人はもう気づいているだろうが、いわゆる総合格闘家達の躍進だ。これまでVTでは長年の技術の蓄積のある柔術勢、あるいは伝統ある格闘技としてのレスリングを身に付けたレスラー勢が優勢であった。日本がその発祥の地とも言える総合格闘技はぐっと歴史が浅く、選手層も薄いことからこれまでVTでは苦戦を続けてきたが、ようやく頂点を制しつつあるようだ。打撃も投げも関節技もある総合格闘技が「何でもあり」で弱いはずがないという素朴な思いがフランクらの活躍で証明されつつある。やや強引な分類をすれば、今回全8試合の勝者のうち総合格闘家といえるのはフランク、高阪、ミレティッチ(2勝)、ボーランダー、バーネットののべ6人である。ミレティッチを総合格闘家と呼んでいいかは難しいかもしれないが、その他4人は皆ライオンズデン、フランクを通じて関係があるのは周知の通り。

 アマレス出身のVTファイターの時代はもう終わったのだろうか?いや重量級にはコートゥアもカーもいるし、エリクソンだっている。しかし今大会でジャクソンとサンダースというオリンピックメダリストが負けたということは、これまでの「倒して殴る」だけの技術論ではもはやUFCでは勝てなくなっていることを示しているのだといえよう。

 そして今回タデウが負けてさらに威信低下が叫ばれるであろうブラジル勢。やはり本家本元にがんばってもらわないとVTも盛り上がりにかけるというものだ。ベウフォートのカムバック、ウゴの参戦に期待したい。

 最後に次回のUFC XVIIは5月15日アラバマ州モーバイルで開催される予定。コートゥア-コールマンというレスラーどうしのスーパーファイト(ヘビー級選手権試合であろう)が行われるということだ。



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