97・11・29
「ヴァーリトゥード・ジャパン’97」 Final Reconquista

東京ベイNKホール

−取材スタッフ− 記者:岩瀬 俊・藤沢つえ 速報デスク:薮本直美
 カメラ:井田英登(MB's)

<INTORODUCTION>

 

 今年のVTJは普段後楽園ホールでの修斗興業を見慣れたファンが、「どこにこんな金があったんだ」と驚くぐらい(実話)きっちりとショーアップされたイベント色の濃い大会であった。NK特有の舞台には巨大な幾何学状のライティングフレームがセットされ、選手はイルミネーションを浴びながら登場してくる。リングに向かう花道は万里の長城のように高くそびえており、そのスロープを駈け下りる選手の姿はお世辞抜きに千両役者のようであった。演出も印象的で、リングのすぐ上まで下げられていたライティングフレームが、オープニングセレモニーの開始と同時にブームアップ。マグネシウムが炊かれ、浮かび上がったリング上にはリングアナウンサーとビキニ姿のエスコートガールが登場するのである。K1や新日本プロレスのドーム興業をおもわせるような、超メジャーな舞台演出だったわけである。

 こうした修斗離れした(失礼!)洗練された舞台設定の背景には、この大会が映像ソフトとして多角的にビジネス展開していることが作用しているのだろう。なんとこの日リングサイドには放送席が二個所。衛星放送と地上波のそれぞれが別個に中継録画を行っていたのだ。パーフェクTV(サムライ)は中井祐樹と夢枕獏を解説者に迎え特番を制作していたし、フジTVはビデオ「格闘技のススメ」収録用の放送席で局アナが実況中継を行っている。ちなみにフジは「日本最強」の鉢巻きをしたタレントをリングサイドに配したSRS班も入っている。他にもニュース取材らしいテレビ朝日のクルーがビデオを回していたりするし、セミとメインではアメリカ人のリングアナウンサーが登場して選手コールを行ったところを見ると、UFC関連で海外ケーブルTVへの番組供給もあるのかも知れない。いわばマルチユースの放送ソフトとして、今回のVTJは大きくクローズアップされたのだ。まさに衛星多チャンネル時代のゴールドラッシュが、いま修斗に一つの転機をもたらそうとしているわけである。

 しかし、こうした派手な舞台が準備されたとしても、それはあくまで食器が立派であるに過ぎない。

 VTJがあまたあるNHB系の大会の一つとして消費されてしまうのであれば、それは一回性の打ち上げ花火で終わってしまう。修斗のもくろみは、あくまでこのVTJに集まった注目をステップボードにして、プロシューティングの存在自体をアピールすることである。そこで戦うシューター達が素晴らしい戦いを提供し、視聴者に修斗の存在を強く印象づけなければ、意味がないのだ。現在、修斗の選手層は過去最大レベルの層の厚さを誇る。この舞台ではその真価が問われることになる。去年のような総崩れが演じられてしまえば、この注目度は逆にアダになる。まさにオールオアナッシングの剣が峰である。

 今回のVTJは青コーナーを全て修斗選手で固め、赤コーナーには世界の各大会で活躍するチャンピオン級外国人選手を配するという全面対抗戦スタイルである。いわば今年一年間、修斗が推し進めてきた対世界路線の総仕上げとでも言うべき設定である。(サブタイトルに”Final Reconquista”と謳われているのは、今年のシリーズタイトル”Reconquista”を受けて、「総集編」の意味を持たせているのだろう)この大舞台のトップバッターに起用された中尾のプレッシャーといえば尋常なものでは無かっただろう。何しろ去年のVTJではトップバッターの葉山がクックに逆転負けを喫したのをきっかけに、将棋倒しのように日本人選手がほとんど総崩れとなった。去年の格闘技流行語大賞となり(?)、修斗選手の十字架となった感のある「日本最弱」(これ自体は意味の良くわからない妙な造語だが)の汚名を被ることになった原体験が、連想されずにはいなかっただろう。柔道の団体戦でもそうだが、やはり先鋒が勝つか負けるかは、その後に控えている選手への影響が少なくない。

(無頼庵)

岩瀬俊記者の観戦記「VTJ97に思うこと」(CLICK HERE)

 

第1試合  [ 試合レポート] Click Here !

中尾受太郎(STG横浜) 2R 5分21秒 三角締め スティーブ・ネルソン(USWFミドル級王者)×

第2試合  [ 試合レポート] Coming Soon !

桜井速人(総合格闘技木口道場) 時間切れ引き分け マセオ・アグア(WVC4トーナメント優勝)

第3試合 [ 試合レポート] Click Here!

川口健二(STG横浜) 3R 3分42秒 チョークスリーパーホールド ヤン・ロムルダー(元WKCムエタイ世界ライトヘビー級王者)×

第4試合 [ 試合レポート] Click Here!

巽宇宙(K'S FACTORY)  時間切れ引き分け ジョン・ホーキ('97ブラジリアン柔術ブルーマ級優勝)

第5試合 [ 試合レポート] Click Here!

×エリック・パーソン(USA修斗) 1R 41秒 腕ひしぎ十字 カーロス・ニュートン(サバイバル柔術)

第6試合 [ 試合レポート] Coming Soon !

トム・エリクソン(ブラジリアン・オープンファイトVTヘビー優勝) 1R 37秒 レフェリーストップ エド・デ・クライフ('95ケージファイトトーナメント優勝)×

第7試合 [ 試合レポート] Coming Soon !

佐藤ルミナ(K'S FACTORY) 2R 1分23秒 腕ひしぎ十字 ジョン・ルイス(ルイス&べデーネイラス柔術)×

第8試合 [ 試合レポート] Coming Soon !

×エンセン井上(STG大宮) 3R セコンドがリングに入ったため失格 フランク・シャムロック(元暫定キングオブパンクラシスト)