97・11・9

第四回アマチュア・リングス大会

スポーツ会館

 レポート山名尚志 カメラ返町 孝

1)アマチュア・リングスの概観

 大会結果をレポートする前に、簡単に、アマチュア・リングスの説明をしておこう。アマリンは、リングスのアマチュア部門の大会として95年から開催されており、95年、96年は各一回、97年になってからは年に二回(春・秋)開催されることとなった。従って、今回は、97年の秋期大会ということになる。

 当初のアマリンは、リングスが少林寺拳法の普及過程を見習って大学の部活動からアマチュアの基盤育成を図ったこともあり、リングス東大を筆頭に、リングスICUなど各大学の名前を冠した所属選手が多数出場していた。実際、駒沢の屋内競技場で行われた第二回大会などは、リングス公認の大学の総合格闘技部の連合体であるCFN(キャンパス・ファイティング・ネットワーク)が主宰を務めるまでになっている。しかし、残念ながら、当初の熱気が醒めると共に、各大学とも人材の確保に苦労するようになり、CFNは現在沈滞期を迎えつつある。

 これと交替するように出てきたのが、修斗、慧舟会などの総合系のジムに所属する選手たちだ。96年の第二回から少しづつ増えてきたこれらの選手たちは、この春行われた第三回以降出場選手の中核をしめるようになってきた。この傾向は今回更に顕著になり、過半の選手が、修斗系のジム所属、もしくは修斗の大会(全日本大会や大宮のフリーファイトなど)での実績をひっさげて登場してきている。逆に、CFN所属選手は、リングス東大の久富選手のみという些か淋しい状況になった。

 アマリンのルールは、道着なし、テイクダウンのポイントありというもので、アマチュアレスリングのマット上で行われる(従って場外がある)。時間は4分で、決勝のみ5分。関節・絞め技でのギブ・アップ、打撃でのダウン(スタンディング・ダウンを含む)で一本勝ち。ポイント差が10ポイント以上となった場合にはテクニカル一本勝ち。フルタイムになった場合にはポイント差による判定となる。禁止技は、ヒールホールド、足を使った絞め技(三角など)、立ち関節、ネックロック、手や膝による顔面・首への打撃攻撃、頭突きなどである。

 このルールから予想されるように、アマリンでは、テイクダウンする、あるいは相手にテイクダウンされない、というのが勝つための大きなセオリーとなっている。もちろん倒すだけではだめで(綺麗に相手を背中から落としても一回には3ポイント止まり)、その後の関節や絞めの攻防にも対応できなければならないのだが、グラウンドで動きがとまるとすぐにブレイクがかかるため、ある程度ディフェンスができれば凌ぎきれる。どちらかと言えば、アマレスや柔道、サンボなどのテイクダウン(投げ崩し)の技術をきちんと身につけた選手が有利なルールと言えるだろう。

2)60kg級

 60kg級は15名の選手が参加(第二回アマリン同級優勝、第三回同級準優勝の倉田選手が一回戦シード)。7名、参加選手の半分以上が修斗関係の選手である。しかも、2回戦進出の8名のうち6名が修斗、準決勝以降は修斗のみという「ルールが普段とちょっと違うアマ修斗大会」状態になってしまった。

 シードの倉田選手は、どちらかといえば相手のタックルを組止め、それから崩していくパターン。そのため、2回戦、3回戦でも、相手のタックルに先制されることが多かった。結局、このタックルを待ってしまうという弱点を見事につかれ、決勝では、勝村選手が切れ味鋭いタックルで倉田選手を翻弄。ポイントを見事に奪取した。

一回戦7試合

○勝村周一郎(K'z FACTORY)vs橋本晃行(フリー・アマレス)×

 不戦勝 

 勝村選手は97年のコマンドサンボ秋季大会優勝者

○古橋敏行(バトラーツジム)vs飯田勝也(城西大ボクシング部)×

 フルタイム判定 4−0

○石井俊光(和術慧舟会)vs中西数雄(大河内軍団)×

 不戦勝

 石井選手は第一回からアマリン皆勤賞の選手

○村井義明(未来格闘塾)vs斎藤郁三(木口サンボスクール)×

 フルタイム判定 1−0

 村井選手は96年のコマンドサンボ大会優勝者

○永井隆一(シュートチーム・キャッチ)vs寺島徹(フリー 空手他)×

 25秒裸絞め

○西山典男(K'z FACTORY)vs浜本健司(SAW)×

 フルタイム判定 6−0

○野口大介(バトラーツジム)vs佐野隆博(K'z FACTORY)

 フルタイム判定 2−1

二回戦4試合

○勝村周一郎(K'z FACTORY)vs古橋敏行(バトラーツジム)×

 36秒腕ひしぎ十字固め

○村井義明(未来格闘塾)vs石井俊光(和術慧舟会)×

 フルタイム判定 3−0

○西山典男(K'z FACTORY)vs永井隆一(シュートチーム・キャッチ)×

 フルタイム判定 2−1

○倉田泰昌(フェニックス)vs野口大介(バトラーツジム)×

 フルタイム判定3−1

準決勝

○勝村周一郎(K'z FACTORY)vs村井義明(未来格闘塾)×

 フルタイム判定 5−0

○倉田泰昌(フェニックス)vs西山典男(K'z FACTORY)

 フルタイム判定3−0

決勝

○勝村周一郎(K'z FACTORY)vs倉田泰昌(フェニックス)

 フルタイム判定6−0

3)70kg級

 70kg級は32名もの選手がエントリーするという大激戦区となり、AブロックとBブロックに分かれて行われた(ただし5名の選手が欠場)。

 Aブロックの台風の目となったのは烏合の村浜選手。不利な体勢になっても、柔術家らしい身のこなしでグラウンドから相手をひっくり返し、逆にポイントを奪っていく。烏合セコンド陣の盛大な応援の中順当に勝ち進んでいったが、Aブロック準決勝で、アマリン常連の大内選手に足首固めで逆転負け。ポイントでは優勢であっただけに悔やまれる敗戦だった。

 しかし、その大内選手も、和田選手(スポーツ会館・サンボ)に鮮やかに足首固めを極められて敗戦。二回戦が不戦勝という幸運にも恵まれ、和田選手が、3連続関節技の一本勝ちで勝ちあがった。

 一方、Bブロックでは、K'z FACTORYの五味選手と勝田選手が安定した強さを見せて勝ち進んだ。特に五味選手は、一回戦から準決勝まですべて関節で一本勝ち。決勝の同門対決も見事に制した。

 決勝戦では、和田選手が、得意のサンボの技術で次々とテイクダウンし、五味選手の持ち味を潰してしまう。足をかけ、鮮やかに相手をひっくりかえす和田選手。結局、3分半で、10ポイント差をつけての堂々のテクニカル一本勝ちとなった。

Aブロック一回戦7試合

○和田拓也(スポーツ会館)vs長見英治(S.K.N.W)×

 28秒腕ひしぎ十字固め

 和田選手は97年サンボエスポ74kg級2位、関東サンボ同級2位。

○久富剛(リングス東大)vs小倉雅人(フリー アマレス・柔道)×

 1分33秒裸絞め

 久富選手は第一回アマリン60kg級2位、第三回アマリン70kg級二位

○酒井大一(フリー 柔道)vs佐藤和志(バトラーツジム)×

 フルタイム判定 5−0

 酒井選手はリングスの長井選手の義弟。

○大内敬(フリー サンボ他)vs西野克彦(大河内軍団)×

 14秒腕ひしぎ十字固め

 大内選手は第二回アマチュアリングス同級2位、97年全日本サンボ選手権シニア2位

○幸田規久夫(フリー 柔道)vs武部真人(新潟産業大柔道部)×

 34秒腕ひしぎ十字固め

○村浜哲晴(烏合グラップリング)vs糸長直樹(バトラーツジム)×

 2分12秒裸絞め

 村浜選手は全日本アマ修斗ミドル級3位

○小谷宏明(シューティングジム八景)vs佐藤弘明(岡山学芸工レスリング部)×

 2分26秒足首固め

Aブロック二回戦4試合

○和田拓也(スポーツ会館)

 不戦勝(大塚裕一選手と横山省一選手の双方が欠場のため)

○酒井大一(フリー 柔道)vs佐藤和志(バトラーツジム)×

 フルタイム判定 1−0

○大内敬(フリー サンボ他)vs幸田規久夫(フリー 柔道)×

 フルタイム判定 2−0

○村浜哲晴(烏合グラップリング)vs小谷宏明(シューティングジム八景)×

 フルタイム判定 5−1

Aブロック準決勝

○和田拓也(スポーツ会館)vs酒井大一(フリー 柔道)

 1分14秒腕ひしぎ十字固め

○大内敬(フリー サンボ他)vs村浜哲晴(烏合グラップリング)×

 2分42秒足首固め

Aブロック決勝

○和田拓也(スポーツ会館)vs大内敬(フリー サンボ他)

 55秒足首固め

Bブロック一回戦8試合

○藤本健太(フリー 柔道他)vs木村繁将(S.K.N.W.)×

 3分45秒腕ひしぎ十字固め

○立山智紀(シュートチーム キャッチ)vs小笠原雄二(シューティングジム八景)×

 不戦勝

○小野豊和(尚武館)vs三谷翼(フリー 空手)

 フルタイム判定 2−1

○五味隆典(K'z FACTORY)vs飫平名長央(早大スポーツチャンバラ)×

 2分8秒アームバー

○勝田哲夫(K'z FACTORY)vs尾藤広光(JSBA大阪ジム)

 フルタイム判定 6−1

○鴫原輝夫(クラブVTS)vs三浦隆弘(伊勢路レスリングクラブ)×

 不戦勝

○川瀬重之(アニマル浜口ジム)vs日野健太郎(SAW)×

 フルタイム判定 2−0

○佐藤直人(空手道 慶武会)vs石岡卓也(フリー 空手・柔道)×

 1分45秒腕ひしぎ十字固め

Bブロック二回戦4試合

○藤本健太(フリー 柔道他)vs立山智紀(シュートチーム キャッチ)×

 フルタイム判定 2−0

○五味隆典(K'z FACTORY)vs小野豊和(尚武館)×

 38秒腕ひしぎ十字固め

○勝田哲夫(K'z FACTORY)vs鴫原輝夫(クラブVTS)×

 フルタイム判定 7−3

○佐藤直人(空手道 慶武会)vs川瀬重之(アニマル浜口ジム)

 2分34秒裸絞め

Bブロック準決勝

○五味隆典(K'z FACTORY)vs藤本健太(フリー 柔道他)×

 2分31秒腕ひしぎ十字固め

○勝田哲夫(K'z FACTORY)vs佐藤直人(空手道 慶武会)×

 フルタイム判定 4−0

Bブロック決勝

○五味隆典(K'z FACTORY)vs勝田哲夫(K'z FACTORY)×

 フルタイム判定 6−1

70kg級決勝

○和田拓也(スポーツ会館)vs五味隆典(K'z FACTORY)

 3分33秒 10ポイント差によるテクニカル一本勝ち(10−0)

4)80kg級

 80kg級で注目の選手と言えば、やはり、前回のアマリンの同級王者にして、トーナメント・オヴ・Jのワンマッチにも出場しているスポーツ会館の谷村勲選手(97’コマンドサンボ春季大会準優勝者でもある)。今大会では、そのトーナメント・オヴ・Jでの試合で谷村選手を下したK'z FACTORYの竹内出選手も出場しており、再戦、そして谷村の逆襲なるか、という点も興味をそそった。

 中途までは筋書き通りに進んでいるかに見えた。谷村選手は、一回戦、二回戦を共に足関節で一本勝ち。準決勝では、今大会唯一の打撃でのKO勝ちを見せてくれたコナンの池本選手を判定でくだし、一足早く決勝進出を決めた。対する竹内選手も、一二回戦を、こちらは、ともに腕十字で一本勝ち。準決勝第二試合に向かう竹内選手に、すれ違いざま何事か話しかける谷村選手。舞台は整った。

 しかし、そうはうまくいかないのが勝負の世界。準決勝で竹内選手は鹿糠選手に1分12秒足首固めで破れ去る。前回のアマリン一回戦に続く二連敗。竹内選手にとって鹿糠選手は鬼門のようだ。ここで物語は、谷村vs竹内から、谷村vs鹿糠へと移行していく。第三回アマチュア・リングス同級の決勝戦の再来。先回優勝を飾ったのは谷村だった。

 決勝戦。ポイントを先制し、アンクル・ホールドを極めにいく鹿糠。しかし、谷村は、これを耐えに耐え、ブレイクに持ち込む。逆に腕十字にトライする谷村。クラッチが切れない。ブレイクの後、再び腕十字へ。だが鹿糠の守りは固く、逆に再び足関節で谷村を攻めたてる。どんなに足首が曲がろうがあきらめない谷村。

 5分フルタイム、判定で鹿糠の辛勝。

 雪辱であった。

一回戦8試合

○新村和敏(スポーツ会館)vs土性則之(伊勢路レスリング)×

 不戦勝 

○池本誠知(ライルーツ・コナン)vs浅川国康(木口サンボスクール)×

 14秒KO(ハイキック)

 ライルーツ・コナンは、リングス森レフェリーのジム

○谷村勲(スポーツ会館)vs大沢正俊(バトラーツジム)×

 21秒アキレス腱固め

○寺島力(U-FILE CAMP)vs石倉正徳(龍生塾REXジャパン)×

 44秒腕ひしぎ十字固め

○竹内出(K'z FACTORY)vs中本大史(バトラーツジム)×

 2分55秒腕ひしぎ十字固め

○岡田明(フリー 新空手)vs阪野由尚(フリー 空手)×

 不戦勝

○鹿糠智樹(グラップリング・ユニバーサル)vs大河内貴之(フリー 柔道)×

 2分38秒アキレス腱固め

○相原幸樹(尚武館)vs山下知之(伊勢路レスリング)×

 不戦勝

二回戦4試合

○池本誠知(ライルーツ・コナン)vs新村和敏(スポーツ会館)×

 16秒アームロック

○谷村勲(スポーツ会館)vs寺島力(U-FILE CAMP)×

 1分13秒足首固め

○竹内出(K'z FACTORY)vs岡田明(フリー 新空手)×

 3分39秒腕ひしぎ十字固め

○鹿糠智樹(グラップリング・ユニバーサル)vs相原幸樹(尚武館)×

 2分23秒アキレス腱固め

準決勝

○谷村勲(スポーツ会館)vs池本誠知(ライルーツ・コナン)×

 フルタイム判定 3−0

○鹿糠智樹(グラップリング・ユニバーサル)vs竹内出(K'z FACTORY)×

 1分12秒足首固め

決勝

○鹿糠智樹(グラップリング・ユニバーサル)vs谷村勲(スポーツ会館)×

 フルタイム判定 3−0

5)+80kg級

 今回の+80kg級の目玉は、元シューティング・インストラクターにして現WARのプロレスラー、北原選手が率いるキャプチャー・インターナショナルの参戦である。特に宮沢選手の活躍ぶりはめざましく、一回戦では豪快な水車落としで相手選手をグロッギーに陥れ、すかさず腕十字。会場を大いにわかせた。更に二回戦では、アマ修斗の強豪、松本選手に対し、身長で13cmも下回っているにも関わらず、一歩もひかずに判定勝ち。準決勝も、ポイントで守光選手を上回り、勝利は目前というところまで持ち込みながらも、最後の1秒で悔いの残る逆転負け。優勝しても決しておかしくない実力を見せてくれた。

 逆に、前回大会で前田日明に「プロ向き」と誉められ、トーナメント・オヴ・Jにも参戦した桜井隆多選手は、相手が悪かったとはいえ、松本選手に一回戦負け。テイクダウンの技術にまだまだ課題が残っていることを露見させてしまった。

 安定した実力を発揮したのは、前回優勝者の高谷選手。柔道四段の実力を遺憾なく発揮し、相手を地に這わせてポイントを奪ってauく。決勝戦も、サンボの守光選手との投げ合いに打ち勝ち、判定で勝利をおさめた。連続優勝である。

 準決勝進出選手をみると、高谷選手、社藤選手が柔道(社藤選手は三段)。宮沢選手はレスリング。守光選手はサンボ。軽量級が修斗中心だったのに対し、重量級では、伝統的な組打ち系格闘技の強さが光ることとなった。

一回戦8試合

○中村和信(キャプチャー)vs森田博士(フリー アメフト他)×

 フルタイム判定 1−0

○高谷聡(鈴木道場)vs多田尾秀樹(K'z FACTORY)×

 不戦勝

 高谷選手は第三回アマリン同級優勝、第一回スポーツ柔術優勝者

○社藤貴章(S.O.K闘魂クラブ)vs後藤武弘(バトラーツジム)×

 フルタイム判定 2−0

 社藤選手は97年コマンドサンボ秋季大会3位

○平野豪彦(木口道場)vs山元信人(フリー 相撲・柔道)×

 フルタイム判定 6−0

 平野選手は97年全日本コンバットレスリング2位

 山元選手は茨城北地区防犯武道大会準優勝

○宮沢誠(キャプチャー)vs吉村洋信(フリー 柔道)×

 1分21秒腕ひしぎ十字固め

○松本啓二(シューティング)vs桜井隆多(総合格闘技TOPS)×

 フルタイム判定 3−1

 松本選手は97年アマ修斗大会2位

○菅野秀一郎(バトラーツジム)vs丸山孝幸(格闘サークルArms)×

 不戦勝

○守光博史(木口サンボスクール)vs佐々木有生(フリー 空手等)×

 3分48秒腕ひしぎ十字固め

 守光選手は96年関東選抜サンボ3位、同年全日本学生サンボ3位

二回戦4試合

○高谷聡(鈴木道場)vs中村和信(キャプチャー)×

 フルタイム判定 5−1

○社藤貴章(S.O.K闘魂クラブ)vs平野豪彦(木口道場)×

 フルタイム判定 6−3

○宮沢誠(キャプチャー)vs松本啓二(シューティング)×

 フルタイム判定 2−1

○守光博史(木口サンボスクール)vs菅野秀一郎(バトラーツジム)×

 フルタイム判定 10−1

準決勝

○高谷聡(鈴木道場)vs社藤貴章(S.O.K闘魂クラブ)×

 フルタイム判定 4−0

○守光博史(木口サンボスクール)vs宮沢誠(キャプチャー)×

 3分59秒膝十字固め

決勝

○高谷聡(鈴木道場)vs守光博史(木口サンボスクール)×

 フルタイム判定 2−1

6)大会が終わって

 大会終了後の前田日明の総評は、「レベルが上がり、技術の攻防が行われるようになった。他に出しても恥ずかしくない、というか、総合系の大会ではかなり上の方に来たと思う。試合としては、谷村・池本戦、谷村・鹿糠戦が、高度な技術の攻防があり、非常によかった。技術面の課題としては片足タックルの後の処理が悪い。また、今大会では腕十字が一世を風靡していたが、頭をうまく抜く工夫が必要(ガードから入る場合が多かった)。ホールドというものは小さく固めていかなくてはならない。例えば、アキレス腱固めの時に、力だけで絞めている場合が多かった。脇を絞めて、小さくホールドしていかなければ極まらないことに注意して欲しい。鹿糠選手のアキレス腱固めのようにきっちりとした技術を完成してもらいたい。試合とは、言葉の通り、試し合うこと。普段練習してきた技術をどんどん出して、高めあっていってもらいたい。」というものであった。

 前田の言葉にある通り、今回のアマリンは、かなりレベルの高いものであったと思う。背景にあるのは、やはり、近年のアマの総合格闘技界の盛り上がりであり、その中心に位置する修斗勢やアマ修斗の大会での実績を積んだ選手達の大量参戦であろう。この意味では、今回のアマリンの成功は、アマチュアのリングス競技者のレベル向上というより、アマの総合格闘技大会の定番の一つとして認知され、多方面から選手が集まるようになったため、と判断した方がよさそうだ。

 一方、アマチュアのリングス競技者の層の拡大、質の向上という点では課題が多く残った。最大の問題は、先にも述べたように、CFNの沈滞であろう。リングス○○という所属名の選手が減るに従って大会レベルが上がるというのは相当にゆゆしき状況である。リングスのアマチュア基盤の建て直しが早急に求められよう。

 この中で将来への動きとして期待が持てたのは、ライルーツ・コナン(池本選手)、U-FILE CAMP(寺島選手)といった、リングス系のジム所属選手の活躍である。特に池本選手は準決勝まで進出し、打撃、関節技の双方において高いレベルの技術を見せてくれた。次回大会以降、どこまでこういったリングス系のジムの選手が伸びていくか。大きな楽しみである。

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