TOKYO BAY CRUISE


冷たい空気と斜めからの陽射しが

皮ジャンとメタリックなバイクに

ピッタリの朝


東京湾岸を一周する


人ごみを抜け

昔に比べ華やかになった横浜へ向う

ヌケの良い吹き上がりと

スムーズな加速が心地よい

信号待ちでは

トラックの運ちゃんが後ろから

”なんて名のバイクだい!”と声を掛けてくる


なんでもいいけど、そんなにくっ付かないでくれ

いくら”デカイ”バイクでもトラックには勝てないよ

観光客で賑わう場所を離れ

裏道に入る


遠くランドマークを臨むこの場所には

プレートナンバーが無く

タイヤの盗まれた車が

あちこちに点在している


華やかな街並みが

まるで、表面だけをつくろった

虚像のように感じる

久里浜から金谷へ向かうフェリーで

東京湾を横断する

フェリーの時間まで、近くの浜辺で昼寝するのが気持ち良い

こんなに近くで、のどかな船旅を味わえるのも

また良いではないか

金谷港から一気に北上し

富津岬に向う


途中の直線道路

徐々に近づいて来たのは

同式同色のワルキューレであった

ここまで約19000Km

初めての出来事

相手もよほど珍しかったのであろう

お互い左手をかざし、笑顔ですれ違う

思わずバックミラーを覗き込んだら

あちらさんもバックミラーを覗き込んでいたのには笑えた

木更津からアクアラインに入る

夕刻間近の海ホタル

入りきれない車のおびただしい列

脇をすり抜け、バイク置場に止め

最上階に足を運ぶ


人々がそれぞれの時を過ごしている

夕陽の赤が

静かに空にあふれ

水平線にもれてゆく


海底トンネルを突っ切れば

また振り出しへ戻る旅に

陽が沈んでゆく



HOME