MACHUPICCHU


日に一度だけ往復する

クスコから

マチュピチュへの

高山列車

車窓をゆっくりと流れる景色


ディーゼル車の警笛と

リズミカルなレール音

何かに追いかけられ急ぐ日々も

何かに突き動かされ自分を失う日々も

見えない相手との競争も


全て忘れ

窓際に腰掛ける

途中の停車駅

土産物のバッグや敷物を広げる地元の人々

この列車が往復するたった2回のチャンスを

逃せない


買ってくれと訴える目

指でのバツ印に

急ぎ次の客を捜す


もうこちらも土産で荷物がいっぱいなんだよ

やっとたどり着いたマチュピチュは

全てガスの中


暫らく待っていると

霧に包まれた

マチュピチュが

少しづつ全容を現し


そのスケールを

見せ付けてくれた

一体、何のために

こんな不便な山奥に

これだけの物を造るのか


見れば見るほど疑問が湧く

石はどこから

水はどうする

なぜ誰も居なくなった

マチュピチュを麓から見たのでは

見つけられないことに意味があるのか


それとも何かに近づくため

ここでなくてはならない

決定的な理由があるのか

最後にこの地を去った者


自らここを去ったのか


あるいは

また誰かに侵略され

不本意な死を迎えたのか

それとも


こんな所に来てまでも人間は


誰もいなくなることでしか

勝ち負けの日々にケリをつけられないと


伝えているのか



HOME