Longyearbyen に降り立つ

[Approaching Longyearbyen]近付く街並み。左前方の山と山の間に Longyearbyen の街並みが見え、発電所から煙が上がっています。真下の泥だらけの河口にみえるのは Adventdalen。左の泥色の大きな水溜まりは Isdammen ?。(大きい写真は 17kbytes)
[Settlement viewing from BU463]着陸直前に左正面に見える街並み。(大きい写真は 17kbytes)

着陸

[BU463 at Longyearbyen]Longyearbyen に着陸した BU463。これで時刻は 2305 くらい。皆さん記念撮影してます。白夜とはこういうものなのね。(大きい写真は 12kbytes )
空港の建物は蒲鉾屋根の高校の体育館のようなもの。
中に入ってみれば、無骨な作りで、Svalbardbutikken の「免税品」の文字と商品陳列棚、JR の駅にあるようなベンチ、小ぶりな預け荷物受け取りコンベア、航空会社の控えめな発券カウンタ、1つだけの旅行会社のカウンタ。でも、ずいぶん立派。
[Emblem of the official opening] 出口付近には 1975 年 9 月 2 日、国王 Olav 5世陛下によって開港されたときの記念の標が飾られていました 。(大きい写真は 10kbytes )
2F には cafeteria があって、復路の出発前に覗いてみましたけど、数家族が食事していて、海を一望に出来て、なかなか良さそうでした (でもわざわざここまで来て食事する気力があるかと問われると…。空港近くには camp site があるので、そこからなら別でしょうが)。

胸にフェルトの熊を付けたセーターを着た、かわいい小柄な女の子がツアー名を掲げて立っていました。そこに客が続々集まっていきます。どうも 「北極熊の王国を訪ねる」9日間のクルーズの参加者だったようです。

バスで街へ

空港の建物を出ると、バスが 3台、こちらに後ろを見せて止まっていました。
街まで 4km、連絡バスは 35NOK、というのは予備知識として持っていましたが、どれがそのバスなのか分かりません。バスの前部に回り込んでよく見比べてみればわかったのでしょうが、その時はそこまで考えが及びませんでした。どうせ、どのバスも街まで行くのだろう、くらいにしか。
[Sign pole at airport]
駐車場のバスの止まっている先にこの空港から世界各地への距離と方角を示すポールが立っています。面白いことに、米国大陸の諸都市だけが別の方向なのね。「東京まで6830km」は下から 2つ目。
暇そうにぶらぶらしていたオニイサンにポールを背景にして撮ってくれ、と頼みました。ふむふむ、と面白くなさそうに請け合ってくれました。技術者然としていて、どう見ても観光客ではなく、後で、同じバスにやはり面白くなさそうに座っていました。

バスは あおやま の乗った一番外側のものから順に発車。さっき空港でツアー名を掲げていた女性がマイクを持って話し始めました。「私の名前は、シーリ。今日はホテルにお泊まりいただいて、明日は船に乗って…」と、まずは Norwegian、ついで、英語。さらに隣のオニイサンが独語で。まさしくツアーのガイドで、あおやま が乗ってしまったバスは、ツアー客をホテルに運ぶための専用のものだったようです。
あおやま は異質な存在のようで、空港で獲得した「LONGYEARBYEN 78゜NORTH」なるパンフレットに見入っていると、シーリさんがやってきて、私にだけ「どこに泊まるのか」と訊ねました。「この Svalbard Polar Hotel だが」と、地図上にその位置を確認できてやれやれと思ったところを指すと、「この人もそうだって〜」と運転手に伝えに行きました。

左手に fjord、右手に木のない山肌を見つつ、泥だらけの道をバスは走っていきます。その右手の山肌に木で組まれた櫓が並んでいます。あー、これか、石炭を運んでいたロープウェーというのは…。
櫓も道路もバスも人工物ですが、全体に無機的で、荒涼という言葉しか思いつきません。

左右にときどき建物が現われるようになり、「お、"TOYOTA" のマークのあるガソリンスタンドだ、全く、世界中どこにでもあるんだなぁ」と思っていると、バスは海岸沿いの道から右折して、ほどなくホテルの前で停まりました。運賃は払わずに終わり、いよいよバスを間違えた可能性は強くなりましたが、とにかく目的地に着いたし、外は明るいとはいえ、時刻は真夜中で 疲れてもいたので、理由を追及したりはしませんでした (^_^;)。

先に降りた客の後に続いてぞろぞろと建物内へ入ろうとするのですが、入口で列が渋滞しています。自分がその位置まで進んで理由がわかりました。 フロントの手前に「これより先は履き物を脱いで下さい」という案内板が立っていて、横にスキーの乾燥室のような小部屋 ("Cloak Room") があって、下部は靴を並べる棚、目の前の高さはコートを掛ける場所になっていました。
Svalbard では泥などで汚れないよう、建物にはいるときに靴を脱ぐ習慣、と、そういえば、日本まで送って貰ったパンフレットにも載ってました。

ホテルでの歓迎

さて、フロントで check in していると、奥の食堂 (Restaurant Nansen) から女性が "Welcome drink" を持って来ました。ガラスのコップに入った褐色の液体から湯気が上がっています。コーヒーかな、と飲んでみると、甘いだけでなく、シナモンと、まだもう少し複雑なハーブの香りで、一杯飲むのがやっと。翌朝に食べた鰯のハーブ漬と一脈通じる香りのような気がしました。
フロントの机にもたれかかっていた大男が話しかけてきました。私が何者か知らないはずなのに、「東京から来たんだろ、明日船に乗るんだろ、そうかそうか、Norway はだな、… (何やらとにかくしゃべっている) …、わかるか? … (しゃべり続ける) …」
そこへ件の飲み物のコップを並べた盆がまた運ばれてきました。
「こりゃどうやって作るんだ?」
運んできた女性はもごもご言いかけましたが、思い直したように「秘密だ」とにこにこしました。隣の大男も「秘密だょな、そりゃぁ」とニヤニヤ。
それで急に疲れたような気がしたので、大男と「じゃ、また明日な」と握手して、部屋へ引き揚げることにしました。
どうも、あおやま はクルーズ客と間違われて、歓待を受けたようです。

ホテル入口の「Barents Pub」は大賑わいで、騒々しい音が pub 外まで鳴り響いていました。タクシーが続々とホテル前のロータリーまで入って来、中からぞろぞろと若者が下りて来ます。あるいは、自転車でやって来る若者もいます。ホテル玄関でトレーナーを放り投げて Tシャツ 1枚で写真を撮っていた あおやま を見て、ひゅーひゅー、と冷やかします。
今日は Barents Pub で何か催し物があったのでしょう。
0230 就寝、明るくてもお酒を飲めば眠れるのは、日頃の鍛錬の成果。

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Last Modified : 18th July, 2011