Boat trip to Barentsburg

Boat に乗る

指定の 1045 の 10 分前にホテルの玄関に出てみると、同じく boat trip に行くらしい客が何人も待っていました。皆、足元から頭の上まで、冬にスキーに行くような防寒装備で、固めていました。いずれも boat trip を楽しみにしているようです。夫婦連れの旦那の方が、玄関の外に出ていっては「迎えはまだ来ないな、寒いぞ」と戻ってくるのに、もう一方は建物の中に居座っていて何やら言っているのは、会話の内容は分からないけれど、万国共通の図に見えました。
New wharf までは車で 5分もかかりません。
岸壁に舫っていた新しい小型船 (Sea Prince 号, 32人乗り) に乗り込みます (乗船時に voucher 回収)。後部の露天デッキは先発の客で一杯になっていたので、前部キャビンの操縦席の直後に席を占めました (操縦席の計器、衛星による位置表示システム、速度計等を一望できます)。今日のお客さんは 20人くらいでかなり盛況です。
あおやまの服装は、シャツを 2枚着込んだ上にトレーナー、防水パーカーで、これで春の野沢温泉スキーには暑過ぎるという実績があります。が、出航後、この姿で後部の露天デッキに出てみると、顔が冷たいのみならず、身体の方も寒い。ノートには「(寒さを) 甘く見過ぎていた」とわざわざ書き留めなくてはなりませんでした。

鳥の生息地

キャビンの席に座って寒さを避けていると、操縦席横に座った中年の、毛糸の帽子を被ったおじさんが振り向いて、「英語は分かるか?」と話しかけてきました。「今見えてる左手の崖ね、鳥の巣がたくさんあるんだょ」
後部デッキに飛び出して、双眼鏡をかざしてみるけれど、船は 20kt をわずかに下回るだけの快速で波に乗って進むので、上下動が激しく、身体を支えることをまず考えないといけません。顔に当たる風もその分冷たさも増していたようです。
一点を見つめ続けるのが難しくて、巣がどこにあるか分からないうちに、船は行き脚を落とし、ピッチングをしなくなりました。そういう計らいをしてくれるなら、早く言ってくれればいいのに。
1130 鳥は断崖の下の会場に群れて浮かんでいました。珍しい鳥なのかどうかは分からず終い。私が鳥にはあまり興味がないせいもあるでしょう。

Grumantbyen

[Ghost buildings at Grumantbyen] Grumantbyen の廃虚となった建物群 (大きい写真は 10kbytes)
(上記写真左方部分の拡大 (大きい写真は 19kbytes))
1142 左手に小屋よりはずっと立派な建物群が見えてきました。が、どれも窓のガラスは破れていて、修理されている様子もなく、一見して廃屋とわかるものばかり。なんぢゃこりゃ、と見入っていると、鳥の巣を教えてくれた毛糸帽子のおじさんが、教えてくれました。
「Grumant, 1963 年までロシアが石炭を掘っていたけど、今は ghost town」
(Grumantbyen, Colesbukta のやや詳しい情報)
[Ghost rail between Grumantbyen and Colesbukta](大きい写真は 11kbytes)
左手の崖は海岸より一段高いところでようやくなだらかになって、トタン屋根で囲われた箱が途切れ途切れに続いています。これまたなんぢゃ、と思っていると、毛糸帽子おじさんが「Grumant から港まで石炭を運ぶための鉄道」と教えてくれました。なるほど、軌道は海上からは見えませんが、トタン屋根のトンネル間を結ぶ道床は見て取れます。雲は低く垂れ込めています。
左手に広がる穏やかな湾 (Colesbukta) の口を横切って、ここから岸を離れて、正面の岬 (Heerodden) に向かってまっすぐの航路を採ります。
(Svalbard から Oslo までの復路の BU464 から眺め下ろした Colesbukta(大きい写真は 8kbytes))

後檣に Norway 国旗を掲げた船に遭遇、追い抜きました。操業中の漁船なのか、と思いましたが、これは Longyearbyen から別会社の観光船がツアー客を乗せて Barentsburg へ向かっていたのでした。毎土曜日 0930 発で、私のツアーよりも 55NOK 安い。

1214 Heerodden の沖で取り舵をとって、1220 には Grソnfjorden に入り、波も急に静かになりました。岬には 10軒程度の集落があって、こちらは近代的で手入れが行き届いているように見受けられました。正面の海岸線から一段高いところに、これまた近代的な建物群が密集して現われました。細くて高い煙突からは煙も上がっています。これが Barentsburg でした。町並みは陽当たりの良い斜面に作られているようです。

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Last Modified : 18th July, 2011